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薔薇とビスケット の商品レビュー

4.2

17件のお客様レビュー

  1. 5つ

    8

  2. 4つ

    1

  3. 3つ

    2

  4. 2つ

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2021/02/27

タイムスリップものはよくあるけど、介護士という仕事をしている人が過去にタイムスリップして、現代の自分の職場でお世話している老人の若い頃を知って…という設定はすごく面白かったです。 文章も読みやすくてさくさく読めました。 途中、泣ける場面もありました。 けど、、、、、 ちょっと...

タイムスリップものはよくあるけど、介護士という仕事をしている人が過去にタイムスリップして、現代の自分の職場でお世話している老人の若い頃を知って…という設定はすごく面白かったです。 文章も読みやすくてさくさく読めました。 途中、泣ける場面もありました。 けど、、、、、 ちょっと話の展開がトントンと進みすぎな感じがして、物語があっさりと終わってしまった感がありました。 時間の流れもさ〜っと過ぎてしまう。 面白いと思ったからこそ、登場人物ひとりひとりの感情や人生をもっともっと掘り下げて欲しかった。なんなら上下巻とかでじっくり読みたい物語でした。

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2019/12/06
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

老人ホームで介護士をしている徹がお盆の夜勤で突然タイムスリップしてしまった。 昭和13年の銀座にたった1人タイムスリップしてしまった徹と、芸者の千菊との出会い。 故郷のために苦労してきた千菊の幼少期、芸者の父の介護をすることになった徹。 子供の頃に亡くなった徹の祖母との再会。 老人ホームでは認知症の老人の問題行動や、何度もおとずれる死という現実に心を痛めることのなかった徹が タイムスリップしたことで、認知症の男性入居者の若い頃を知り、千菊との出会いを通して 誰もにおとずれる老と死について見つめ直したこと。 できすぎた話かもしれないけれど 老と死は誰にでもやってくることで、なんだか感動してしまった。 NHKらへんでドラマで観たい。映像化観たい。 おもしろくて一気読み〜。

Posted byブクログ

2019/10/13

竜崎徹(りゅうざき てつ)は、特別養護老人ホームで働く、介護福祉士。 施設の中でも一番介護度の高い老人たちが入所している6階の担当。 ほとんど意思の疎通ができない人たちだ。 徹は介護職5年目にして、毎日のルーティンの中で「このままでいいのか?」という疑問と倦怠感を感じている。 ...

竜崎徹(りゅうざき てつ)は、特別養護老人ホームで働く、介護福祉士。 施設の中でも一番介護度の高い老人たちが入所している6階の担当。 ほとんど意思の疎通ができない人たちだ。 徹は介護職5年目にして、毎日のルーティンの中で「このままでいいのか?」という疑問と倦怠感を感じている。 特に、誤嚥を防ぐために、利用者さんのお茶にとろみ剤を溶かしている時…「こんなドロドロしたお茶、おいしくないよね」と思う。 お盆祭りの夜に、大好きだったばあちゃんの縫ってくれた白かすりの浴衣を着て、もうすぐ亡くなりそうな利用者さんの持ち物の中から古びたお手玉を手にした時、ふっと気が遠くなって… 「老人」という言葉でひとくくりにされている人たち。 最初から老人だったわけではない。 過去からの長い道が続いている。 訪ねる人もなく、寂しくホームで亡くなる人、身寄りもなく生活保護を受けている人… そんな人たちにも、生き生きと働いた過去があり、愛する人と過ごした時間があり、戦争や病で大切な人を失った悲しみがあった。 どんな老後を迎えることになるのかはどんな人生を選んだかで変わる。 「自分の始末は自分でつけるしかない」と、置き屋の女将。 徹は、親しくなった人たちの寂しい老後を変えられないものかと思う。 ファンタジーではあるけれど、徹が再び天職と向き合うためには必要なファンタジーだった。 現代と、戦前の昭和が重なる、レトロな銀座、東京が美しい。

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2019/06/06

いゃ〜、感動しました。 読後感が凄いです。心にズシンと響き、癒される。 構想も読みやすさも素晴らしい。 介護施設と言えばイジメがあったり、殺人のニュースがあったり、 大変で暗いイメージがあるが、この小説には介護現場を明るくする力がある。 印象に残った文章 ⒈自分の身の始末は自分で...

いゃ〜、感動しました。 読後感が凄いです。心にズシンと響き、癒される。 構想も読みやすさも素晴らしい。 介護施設と言えばイジメがあったり、殺人のニュースがあったり、 大変で暗いイメージがあるが、この小説には介護現場を明るくする力がある。 印象に残った文章 ⒈自分の身の始末は自分でつける。 ⒉あの人、稲村さんに会ったことないのにね。 ⒊徹はお盆が前ほど嫌いではなくなった。

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2016/12/20

介護施設で働く竜崎徹は、働く目的や意欲を見失っていた。お盆になると、老人たちが今は亡き人たちと会話をするので、その日の夜勤も苦痛だった。そのお盆の夜、徹は昭和初期にタイムスリップし、お世話をしている老人たちの若かりし頃を知ることになる。痴呆症になったり、何もしゃべらなかったりする...

介護施設で働く竜崎徹は、働く目的や意欲を見失っていた。お盆になると、老人たちが今は亡き人たちと会話をするので、その日の夜勤も苦痛だった。そのお盆の夜、徹は昭和初期にタイムスリップし、お世話をしている老人たちの若かりし頃を知ることになる。痴呆症になったり、何もしゃべらなかったりする老人たちにも、様々な人生があったことを改めて実感する。

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2015/10/27

久しぶりにじんと心にのこる一冊だった。筆致は拙さを感じさせる部分もあるが、誰もが輝きを持って精一杯生きている、その軌跡を忘れてはならないということを思い出させてくれた。自然と優しい気持ちになれるのは、誰かを心から一途に愛する喜びを感じられたからだろうか。何度も読み返したいと思った...

久しぶりにじんと心にのこる一冊だった。筆致は拙さを感じさせる部分もあるが、誰もが輝きを持って精一杯生きている、その軌跡を忘れてはならないということを思い出させてくれた。自然と優しい気持ちになれるのは、誰かを心から一途に愛する喜びを感じられたからだろうか。何度も読み返したいと思った。

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2014/09/30

帯文:”若い介護士が遭遇した、お盆の夜の奇跡。” 目次:第1章 まっすぐな道、第2章 美しい洋館、第3章 引く人、第4章 桜屋、第5章 お盆の夜、第6章 見知らぬ銀座、第7章 お藤と武雄、第8章 お船行き、第9章 鰻巻き玉子、第10章 懐かしい瞳、エピローグ

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2014/06/06

介護士青年の今と介護老人の過去がシンクロする!? 介護士青年の成長。 誰でもくる老い。 考えさせられる。

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2014/04/30

昭和13年と現代の60年を経た複眼構造。介護士の徹が昭和13年頃にタイムスリップし、そこで出会ったのが章代(芸者の千菊)。美しい章代の素晴らしい性格がこの小説の大きな魅力。そして置屋のスミ子・善六夫妻、千菊の先輩お藤、後輩の小春、お藤の連合い・稲村などが生き生きと描かれている。介...

昭和13年と現代の60年を経た複眼構造。介護士の徹が昭和13年頃にタイムスリップし、そこで出会ったのが章代(芸者の千菊)。美しい章代の素晴らしい性格がこの小説の大きな魅力。そして置屋のスミ子・善六夫妻、千菊の先輩お藤、後輩の小春、お藤の連合い・稲村などが生き生きと描かれている。介護士の仕事をする中での苦しみ、そして喜びが素直に書かれた爽やかな本。現実離れし、矛盾はあるのだが、爽やかさゆえに受け容れられる。宮部みゆきの「蒲生邸事件」のようにほのぼのとした気持ちになった。

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2014/02/07

 タイトルと表装がお話とよく合っている というのが第一感想です。  お話も丁寧で、それぞれの人物描写が、ああ、いるなあとか、あるなあというのが感じられて、伝わりやすかったです。  介護士で、毎日の繰り返しに、やりがいを見失いつつある主人公が、ある日、目を開けたら昭和初期の日本にま...

 タイトルと表装がお話とよく合っている というのが第一感想です。  お話も丁寧で、それぞれの人物描写が、ああ、いるなあとか、あるなあというのが感じられて、伝わりやすかったです。  介護士で、毎日の繰り返しに、やりがいを見失いつつある主人公が、ある日、目を開けたら昭和初期の日本にまぎれこんでいたというタイムスリップもの。  行き場のない主人公を助けたのは、うんざりしながらやっていた介護の技術。そして周囲のおせっかいと言えるぐらい優しい置屋と芸者さんたち。  最終的には人と人なんだなぁーと思わせられました。

Posted byブクログ