東京放浪記 の商品レビュー
別役実のエッセイは好きだ。きっと彼の書く透明感あふれる、ふざけているようで根に優しさと確かな観察眼が感じられる文章に惹かれるのだろう。東京は私も住んでいたことのある土地だが、ここまで丹念/丁寧に暮らしていたわけではないので彼に倣って散歩を楽しむとか日銭を稼ぐとかして都会ぐらしを味...
別役実のエッセイは好きだ。きっと彼の書く透明感あふれる、ふざけているようで根に優しさと確かな観察眼が感じられる文章に惹かれるのだろう。東京は私も住んでいたことのある土地だが、ここまで丹念/丁寧に暮らしていたわけではないので彼に倣って散歩を楽しむとか日銭を稼ぐとかして都会ぐらしを味わってもよかったかなと憧れを抱く。彼とて東京っ子というわけではないみたいだが(そう思えば彼の書く文章からは確かに東京っ子特有の清潔さはいい意味で感じられない)、日々を丁寧に生きてきた生活者/小市民の誇り/矜持を感じて心地よく読める
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別役実(べつやく みのる)著「東京放浪記」、2013.5発行です。昭和12年満州生まれの著者、引き揚げてから高校卒業後はずっと東京在住だそうです。私の東京放浪記、東京出歩き街歩き、今日も電車であっちこっち、私と東京と昭和 の4つの章で成ってます。あっ、東京をこんな風に見ると面白い...
別役実(べつやく みのる)著「東京放浪記」、2013.5発行です。昭和12年満州生まれの著者、引き揚げてから高校卒業後はずっと東京在住だそうです。私の東京放浪記、東京出歩き街歩き、今日も電車であっちこっち、私と東京と昭和 の4つの章で成ってます。あっ、東京をこんな風に見ると面白いなって楽しく読みました。(少し紹介しますと)「東京の中心は西へ移動しつつあるのかもしれない。都庁が新宿に移転したように、新宿が吉祥寺に移動しようとしているのである。次は立川か?」 そういえば、都庁は以前は丸の内にあったんですね。
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75歳になる今日までずっと東京に住んでいるが、依然としてお邪魔してますという気分がぬぐい去ることが出来ない。いわばよそ者なのである。と語る著者…最近、昭和30年代の新宿の話によく接するなぁ
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小劇場演劇の旗手として出発し、高度成長期の小市民社会の悲喜劇を独特な舞台空間に創造し続けた別役実が、愛する東京の街と、昭和という時代に捧げる初の自伝的エッセイ集。
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