消えた国 追われた人々 の商品レビュー
何度でも読み返したい本。現代を生きる多くの日本人には全く想像もできない「故郷がなくなること」に関して知ることができる。 かつての地図にはあった「東プロイセン(プロシア)」。そこに生きた人たちに思いをはせることができる、「気づかされる」経験を与えてくれた1冊でした。
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タイトルからしてとても惹かれ、そして池内紀さんの著作ということで読んでみました。 内容としては、池内さんが幾度かの旅で「東プロシア」に属していた街をめぐるという紀行物。それぞれの街ごとの過去の出来事や物語が少しずつ挿入され、いまは無き「東プロシア」という国へのノスタルジーを深く感...
タイトルからしてとても惹かれ、そして池内紀さんの著作ということで読んでみました。 内容としては、池内さんが幾度かの旅で「東プロシア」に属していた街をめぐるという紀行物。それぞれの街ごとの過去の出来事や物語が少しずつ挿入され、いまは無き「東プロシア」という国へのノスタルジーを深く感じさせます。 近現代史の中ではどうしてもドイツは加害者としてとらえられがち。実際大部分はそうであるのだろうけれど、その陰で身一つで家や郷里を追われた人がいるということ。とくに日本人はあまり感じていない、被害者としてのドイツ、という側面を知ることができたように思います。 現地の人とのふれあいや、旅の中で池内さんが感じるさまざまなことが、ウイットに富んでいて、またちょっと洒落も効いてたりして楽しいです。 「東プロシア」。今まで全然気にしていなかった地域だったけど、旅に出てみたくなりました。 図書館で借りて読んだけど、ぜひ家に1冊置いておきたい。久しぶりにまっすぐ自分の心をつかんだ本でした。
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ワルシャワは人口の40%がユダヤ人だった。 ハーメルンの笛吹き男は、130人の子供が東方に消えた。ドイツ騎士団がつくった東方の町から呼びかけられた。 異なる民族、異なる人種が複雑に共存しながら、東プロシアは民族紛争を起こさなかった。ゆるやかな民族共存体だった。それを支えたのは、と...
ワルシャワは人口の40%がユダヤ人だった。 ハーメルンの笛吹き男は、130人の子供が東方に消えた。ドイツ騎士団がつくった東方の町から呼びかけられた。 異なる民族、異なる人種が複雑に共存しながら、東プロシアは民族紛争を起こさなかった。ゆるやかな民族共存体だった。それを支えたのは、とりわけ宗教の力が大きかった。
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国が消えるとはどういうことなのか?かつて存在した東プロシアのダンツィヒ、ケーニッヒスベルクといった都市を、ドイツ語翻訳家の著者が訪ねた紀行文。闇に埋れた過去の歴史と現在の風景との対比は非常に興味深く、一方、旅人の自由な雰囲気の味わえる親しみやすい文章も好感が持てます。ドイツ難民の...
国が消えるとはどういうことなのか?かつて存在した東プロシアのダンツィヒ、ケーニッヒスベルクといった都市を、ドイツ語翻訳家の著者が訪ねた紀行文。闇に埋れた過去の歴史と現在の風景との対比は非常に興味深く、一方、旅人の自由な雰囲気の味わえる親しみやすい文章も好感が持てます。ドイツ難民の事実を知るきっかけにもなりました。
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「東プロシア」という、第二次世界大戦後に姿を消した国をめぐる紀行記。 不勉強ながら東プロシアについては未知で、「戦火で多くの人々が郷里を追われた」という説明では偏ったイメージを抱きがちなところですが、個々の街にそれぞれ違った今があり、その根底にそもそもの成り立ちの複雑さがあること...
「東プロシア」という、第二次世界大戦後に姿を消した国をめぐる紀行記。 不勉強ながら東プロシアについては未知で、「戦火で多くの人々が郷里を追われた」という説明では偏ったイメージを抱きがちなところですが、個々の街にそれぞれ違った今があり、その根底にそもそもの成り立ちの複雑さがあることが、静かな旅行記と適度な解説で伝わってきて大変興味深かったです。日本という国にいるとなかなか気づかない何かに触れられた気がする一冊です。
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「東プロシア」とは聞き慣れない国の名前と思い、読書開始。 当時の首都ケーニヒスベルクは現ロシアの場所となっていることから第2次世界大戦で国が消滅? 対戦中の秘密基地「狼の巣」(ラステンブルク)やグストロフ号の沈没、ヒトラー暗殺未遂事件など、敗戦国の歴史は表舞台に現れず人々の記憶か...
「東プロシア」とは聞き慣れない国の名前と思い、読書開始。 当時の首都ケーニヒスベルクは現ロシアの場所となっていることから第2次世界大戦で国が消滅? 対戦中の秘密基地「狼の巣」(ラステンブルク)やグストロフ号の沈没、ヒトラー暗殺未遂事件など、敗戦国の歴史は表舞台に現れず人々の記憶から忘れ去られる宿命でることを感じた一冊。
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副題には「東プロシアの旅」とある。タイトルとなっている「消えた国」はこの東プロシアのことであり、「追われた人々」はその地に住んでいたドイツ系住民たちのことである。 ドイツ文学者で翻訳家でもある著者が、ある文学作品の翻訳を引き受ける中で興味を抱くことになった「消えた国・東プロシア...
副題には「東プロシアの旅」とある。タイトルとなっている「消えた国」はこの東プロシアのことであり、「追われた人々」はその地に住んでいたドイツ系住民たちのことである。 ドイツ文学者で翻訳家でもある著者が、ある文学作品の翻訳を引き受ける中で興味を抱くことになった「消えた国・東プロシア」に関するノスタルジックな紀行文。 東プロシアのあった正確な場所とその歴史を知る人は少ないだろう。何しろ、長い歴史があるにも係わらず、第二次大戦後の戦勝国協議の中で、物理的にも歴史的にも抹殺されてしまった国なのだから、、、
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