多助の女 の商品レビュー
女を騙して引き込み役をやらせ、押し入ってすぐに口封じのために殺すというやり口で押しこみを繰り返す冷酷非情な強盗を描くピカレスクものかと思いきや、途中で趣きが変わって義賊話めいてくる。 事件を追う同心は比較的早いうちに冷徹な強盗に負けを認めて、だんだん犯人に寄り添うようになっていく...
女を騙して引き込み役をやらせ、押し入ってすぐに口封じのために殺すというやり口で押しこみを繰り返す冷酷非情な強盗を描くピカレスクものかと思いきや、途中で趣きが変わって義賊話めいてくる。 事件を追う同心は比較的早いうちに冷徹な強盗に負けを認めて、だんだん犯人に寄り添うようになっていく。後半は事件の動機の開明に興味が移り、地方の小藩の改易騒動が浮かび上がってくるあたりは意外性があって面白かったのだが、3人の女を殺してしまった闇は結局解明されないままで終わる。そこが描かれないと、同心のように犯人に対する共感を覚えようにも無理がある。 著者自身による執筆の苦労話を扱ったエッセイがあった。 村木嵐<5月の新刊によせて>『多助の女 盗賊火狐捕物控』 いい人ってなんだろう|実業之日本社 http://www.j-n.co.jp/columns/?article_id=125
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初村木嵐。図書館でタイトル借りしたので、内容は思っていたのと違いましたが、非常に読みやすかったです。
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