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水魑の如き沈むもの の商品レビュー

3.8

51件のお客様レビュー

  1. 5つ

    11

  2. 4つ

    18

  3. 3つ

    11

  4. 2つ

    4

  5. 1つ

    0

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2024/05/05
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

今作は出だしや序盤でオカルト色が強すぎる感じがした。 クロ先輩の話では、(能力を持つという)修験者たちからの水使神社には超常的な力や仕掛けがあるという話を当たり前のように受け入れているし、正一少年の話でも一つ目蔵の周囲に結界が張られているというように、異能を当たり前のように出してきていて、拍子抜けというか残念というか。 刀城言耶シリーズは、「一見オカルトに見える事件が推理で解き明かせる」。そして「(解明される直前の)最終版までオカルト的な気味悪さ・怖さが残る」というのが良さだと思っていたので、作品中で超常現象が肯定されているとその良さが死んでしまい、論理や常識を飛び越えてどうとでもできるようになってしまうのではないかとの危惧を覚えた。 発刊された順番を調べると、首なし→山魔→本作の順だったので、最後に怪異が出てきて犯人一味を穴に連れ去った『山魔の如き・・』からシリーズの流れが変わったのかもしれないと思った。 その点を置いておけば、作中での(特徴的な)面白さは健在で、游魔が儀式中の殺人の犯人だと思った途端に、正一と共に行動しており実行不能だったり、ボンベでの潜水のアイディアは推理に利用されたりで、常にこちらの思っていることの先を行ってくる。 正造じいさんが犯人説も思いついていたが、それも作中で否定された。 読みながら読者が推理していることの先をちょうど良く行きながら、オチもおかしくない。この書き方はスゴいと思う。 被害者(:死んだと思った人物)が真犯人であるというのは推理小説の常套手段であるのに、それでも小夜子が犯人であるとは考えられなかった。被害者になったのが物語の時系列では最初でも、文中では終盤だったからなのだろうか。 終わりもハッピーエンドで文句なし。 『首なし・・』を読んでいなければ星5だったのだが、 あの整合性のとれた推理とそれをあっさり否定し、さらにもっともらしい推理を持ち出してきた展開の驚きと、真相がわかっても何が真実か掴みきれない気味悪い読後感を知った後だと、どうしても見劣りしてしまう感じがする。高望みなのはわかっているのだが・・。

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2024/01/05

前作よりさらにホラー感少なめ、というか、首無しのホラー感が強かっただけか。 今までと違い爽やかな読後感。作中も偲ちゃんのおかげで柔らかくなっている。ここが評価の分かれる所だと思うが、ちょっと頑張ってホラーを読んでいる自分としては、今作が一番読みやすい。

Posted byブクログ

2023/10/18

やはりこのシリーズは俺には難しすぎる。最後らへんの仮説の定立と否定、論理のどんでん返し、みたいなあたりはとくに理解がおよばない。 とはいえ謎解きそのものの理屈はそんなに難しくなかったので一応理解できたのでよかった。 怪異や怖い存在の描き方は本当に不気味で恐ろしく、さすがだなあとい...

やはりこのシリーズは俺には難しすぎる。最後らへんの仮説の定立と否定、論理のどんでん返し、みたいなあたりはとくに理解がおよばない。 とはいえ謎解きそのものの理屈はそんなに難しくなかったので一応理解できたのでよかった。 怪異や怖い存在の描き方は本当に不気味で恐ろしく、さすがだなあという感じ。儀式も怖いしその由来も怖い。夜に一人で読んでいると普通に怖くなる。たまらない筆致。

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2023/10/15
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

祖父江さんと阿武隈川さんのキャラがどうにもこのお話のテイストと合わないので、この二人はいらない気がしてしまう。すいません、先生…… それで欲しい4つから一つ消しました。 今回は特にお話の登場人物のキャラが立ってたし、習わしに対して盲目的狂信的な人物の描き方が良かった!言耶が推理を何度も組み直すのはシリーズ定番なのでこれは多分別に真相あんだろうなと思ったけど。ハッピーエンドでよかった。神々櫛とさぎり、にはびっくりしたけど。ここで絡めてくるのかと。正一少年はどうなったんだろうなあ。どこかで生きてるのだろうか。

Posted byブクログ

2023/05/04

刀城言耶シリーズ第五長編。水神水魑様の儀式の最中に起こった密室殺人を皮切りに、次々と神男が殺されていく。練り上げられた舞台の設定と、それを活かした事件の真相、トリック・動機に驚愕。解決編の伏線回収も圧巻。

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2023/03/03

なんだこのぶっ飛んだ儀式はww…………(T^T) 〜あらすじ〜 水神を祀る四つの村。奇怪な雨乞いの儀式。湖上の密室殺人。神男たちは次々と……奈良の山奥、波美地方の"水魑様"を祀る四つの村で、数年ぶりに風変わりな雨乞いの儀式が行われる。儀式の日、この地を訪れて...

なんだこのぶっ飛んだ儀式はww…………(T^T) 〜あらすじ〜 水神を祀る四つの村。奇怪な雨乞いの儀式。湖上の密室殺人。神男たちは次々と……奈良の山奥、波美地方の"水魑様"を祀る四つの村で、数年ぶりに風変わりな雨乞いの儀式が行われる。儀式の日、この地を訪れていた刀城言耶の眼前で起こる不可能犯罪。今、神男連続殺人の幕が切って落とされた。ホラーとミステリの見事な融合。シリーズ集大成と言える第10回本格ミステリ大賞に輝く第五長編。
 刀城言耶シリーズ第6弾!! 今回のシリーズ!いつもと様子がちゃう…… いつもなら禍々しさを突っ走ってく言耶ワールド しかし今回は……めちゃ笑えるーーww その一因はなんと!今回は!まさかの!あの! そう!祖父江偲ちゃんが言耶に同行している! わぁーい!! この子がめちゃいい味出してる〜ww 今までなかった和やかさ!そんな!祖父江偲ちゃんに 拍手!!大活躍でしたww 物語の始まりは言耶、偲ちゃん、阿武隈川烏の 3人のやり取りから始まるのですが……めちゃ 笑えますww偲ちゃんめちゃ阿武隈川さんを手のひらで転がしとる〜ww なんやいつもの感じと違うやんと終始和やかムード…………が!! 皆さん! これは刀城言耶シリーズですよ! 三津田信三作品ですよ! 和やかで終わらすはずがない!! 怖い描写ではガッツリ!背筋を凍らせて ゾッとさせてきます。 油断は禁物ですぞ!! そしていよいよ村に、到着し、噂の水魑様の儀に 参加するのですが…………やばい! とにかく!この儀式がめちゃやばい!! 恐らく、皆さん儀式の本当の真実を知った瞬間 口を揃えて言うでしょう……………… 『オーマイガーッッッ!!』とww それぐらい衝撃でした(T^T) そしてそれだけでは終わらせない!刀城言耶 この儀式のどさくさに紛れての連続殺人…… も〜〜〜う〜お腹いっぱいだよーww でもね!ちゃんと推理したましたよ! 晴れの日も〜晴れの日も〜めげずに! そして!いざ!犯人を絞込み! 多重解決の嵐にいざ行かん!! …………(´・_・`)……ハズレたぁぁぁぁぉぁww いやそれでも!!ラストの衝撃!! 泣けるーーー!! 色々思い出してきたーーー!! なんかめちゃかっこいい人でてくるわぁーー!! と言う様に余韻が凄かった……(T^T) かなり僕的にはめちゃ面白かった そして楽しめた作品でした〜! 皆さんも是非宜しければ読んでくだされ〜 最後に一言……「あの人の未来に幸あれ」以上! ww

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2023/03/02

刀城言耶シリーズ第5弾! 今回もしてやられたぁ〜!! しかし!全く悔しくない、衝撃のラストです!! (≧∇≦) え〜、こちら、フレンドと推理バトルの課題本としました。 めっちゃじっくり読みました! 何度も何度も読み返しました! 満を持しての犯人当ての結果は…(-∀...

刀城言耶シリーズ第5弾! 今回もしてやられたぁ〜!! しかし!全く悔しくない、衝撃のラストです!! (≧∇≦) え〜、こちら、フレンドと推理バトルの課題本としました。 めっちゃじっくり読みました! 何度も何度も読み返しました! 満を持しての犯人当ての結果は…(-∀-`; ) …まぁ、当たらんよね笑笑 刀城言耶に全く歯が立たず!でしたぁ。 今回は奈良の山奥の湖で起こった殺人事件なのですが、この沈深湖には『水魑様』という神がいるそうです。 晴天が続くと水不足となり、田んぼが枯れてしまうので、増儀と言われる雨乞いの儀式を行います。 (逆に降りすぎたら、減儀の儀式を行う。) 過去に2度、不審死と行方不明の事故があったという事。 儀式を控えたある日、刀城言耶と祖父江偲が村に到着する。 前半の、言耶と偲と阿武隈川烏とのやり取りにほんわかしました。(*´꒳​`*)~❀ この巻まで想像していた言耶のイメージと少し印象が変わりました。(かなり良い意味で。) ホラー味は、少なめだったように感じます。 物足りないという訳ではなく、程よく軽いトリハダレベル。 ミステリー要素が強めだったような感じ。 (当たり前か(^▽^;)) 毎度言耶の多重推理にしてやられる訳ですが、やられるのがタマラナイデス…(ღ*ˇ ˇ*)。o♡ 三津田作品、やっぱりどれを読んでも面白い!! 超超おすすめです!!!

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2023/02/16

山の次は川。これまで読んできたシリーズ本の中で最長のページ数。女性編集者の祖父江偲が旅に同行するようになった事でコミカル要素が出てきた。1作目に出てくる神々櫛村に関連する人物の登場。これまで以上にいけすかない爺が出てくるなど、長さを感じない。 一部の登場人物に幸福なエンディングが...

山の次は川。これまで読んできたシリーズ本の中で最長のページ数。女性編集者の祖父江偲が旅に同行するようになった事でコミカル要素が出てきた。1作目に出てくる神々櫛村に関連する人物の登場。これまで以上にいけすかない爺が出てくるなど、長さを感じない。 一部の登場人物に幸福なエンディングが待っていたのがこれまでとの大きな違い。そこへ至る過程も今回登場人物が絞られた事で各人のキャラクターがはっきりくっきり出ていて良かった。殺人事件が起きる舞台も過去作よりシンプルであり、イメージしやすかった。

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2022/07/22

★3.7くらい ホラーのテイストが若干物足りなかった気がする(もしかしたら麻痺し出してるのかもしれない)けど、本格推理の箇所は楽しめた。完全に犯人読めたな…って思ったのに…

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2022/05/05
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

氏の作品では「厭魅」は衝撃的だった。その時の衝撃や感動は残念ながら味わえなかった。 ただ、横溝正史や京極堂にも通じる民俗学、怪異譚を調味料にして、本格ミステリを十二分に楽しませてくれる。 本作は700ページオーバーの文庫本で、いささか冗長に感じた。とは言え、後半の展開は怒涛でありラストはこの手の作品としては明るい終わり方で、好感が持てた。

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