張形と江戸女 の商品レビュー
かなり露骨な内容になっているが、そもそも今から150年ほど前までは、枕絵は嫁入り道具だった訳だ。その頃までは日本も北欧やオランダ並みの先進国だったといえるのではないか。もっとも、当時日本へ来た外国人は、日本は性的に奔放であり、野蛮だと云われたそうである。面白いものだ。
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図書館の返却されたばかりの本の棚にあったのでつい手に取ってしまった(という言い訳)。 春画ってユーモラスなものだったそうで。今日の即物的な変態プレイは、江戸時代までにほとんど出尽くしているのではないかと思うくらい多彩な技(?)です。
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図版が豊富で非常に興味深く読んだ。 人間の本質的な部分でありながら、決して教科書に載ることはない世界を身近に届けてくれる本書のような存在はとてもありがたい。
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・やっぱり日本の春画は描写がリアルすぎる。 ・イラスト化するとどこまでも誇張できるものだな、と。 ・すでにマニュアル化されてるあたり、日本人である事を実感。 ・張型とはちがうが「蛸と海女」の書き入れは「ねーよwww」となるくらい擬音が激しい。
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「女に性欲はない」「ポルノは女性差別の産物」といった通念をもののみごとにひっくりかえす、痛快にして奥深い研究書だ。 張型は、遅くとも平安時代末期には使われ始め、江戸時代には、高価なものとはいえ、かなりポピュラーな存在となっていたらしい(作蔵さんが妻にあたえたところから「作蔵」って...
「女に性欲はない」「ポルノは女性差別の産物」といった通念をもののみごとにひっくりかえす、痛快にして奥深い研究書だ。 張型は、遅くとも平安時代末期には使われ始め、江戸時代には、高価なものとはいえ、かなりポピュラーな存在となっていたらしい(作蔵さんが妻にあたえたところから「作蔵」って呼ばれてたというのが可愛い)。それを使用する女の姿態を描いた春画の多くは、男たちが想像をたくましくして描いたものとはいえ、必ずしも男による消費を前提としていたわけではない。 当時、春画は女性の嫁入り道具のひとつや魔よけとされており、初潮をむかえた少女が性欲の高まりをおぼえるのは当然のこと、マスターベーションは「健康にいい」と推奨されていたというのだから、おかしな性規範にがんじがらめになった現在よりもよっぽど健康的だ。春画では男女の性器や性具がたいへん大げさに描かれることが多いが、おかしみがあって初めて春画、という見方を示してもらったことで、はじめて楽しみ方がわかった気がする。 筆者のあとがきもまた、たいへん読みごたえがある。当時の春画が、裸体の女性を単体で描いたものよりも、カップルのセックスを描いたものがほとんどであることに注目し、女性を対象として男が楽しむ現在の主流ポルノとは異なり、女性たちもまた春画を楽しむ主体であったはず、遊女たちが春画の構図の考案に関わっていたのではないか、という指摘から、「男性の願望」をつくりだす過程に女性たちもまた関わっているという指摘に、なるほど!と膝をうちました。女のマスターベーションがいけないという根拠をみいだせない男の学者たちの「ヒステリー」を皮肉るあたりもかっこいい。自らも春画の研究者で、菱川師宣の希観本を発見し、田中優子さんに執筆を依頼した編集者の白倉敬彦さんもすごいな。
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