龍馬史 の商品レビュー
史料を丁寧に当たる著者だからこそ信頼できる、と思った。司馬遼太郎『竜馬がゆく』が現代人に坂本龍馬のイメージを与えた功罪は大きい。司馬氏が当該作品をフィクションであると公言しても、他に龍馬を伝える一般書が無かったことも大きい。その意味で、本書は龍馬の手紙や、幕末の情勢から、龍馬が志...
史料を丁寧に当たる著者だからこそ信頼できる、と思った。司馬遼太郎『竜馬がゆく』が現代人に坂本龍馬のイメージを与えた功罪は大きい。司馬氏が当該作品をフィクションであると公言しても、他に龍馬を伝える一般書が無かったことも大きい。その意味で、本書は龍馬の手紙や、幕末の情勢から、龍馬が志士として活躍するまでの経緯、そして暗殺の首謀者を断定するまでの筆致で、歴史学者としての所見を知ることができた。
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アメリカのフェリーが日本に開国を求めたのは、捕鯨船などの寄港地や補給地を確保するのが当面の目的でしたが、イギリスは日本の生糸やお茶といった、当時のヨーロッパで要望されていた交易品を安定して入手することを望んでいました 会津藩は近代型エリート教育、薩摩藩は戦国時代がフリーズドライされて残っていた教育と言っていいでしょう
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磯田さんは、客観的に素人でも分かるように記載してくれる解説と、情景が目に浮かぶような御本人の解釈をセットで書いてくれる。しかも比較的短文で連ねてくれるので読みやすいといったところがとても気に入っている。
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■この本から学んだこと ・個人史について「なぜ?」を問いかけ、それを大きな社会的背景から考えると、世の中のことがよくわかる ・明治維新のエネルギーは、兵農分離されていなかった郷士が残っていた藩から湧き上がった ・幕末期には多くの藩が「産物まわし」つまり商社のようなことをしないとや...
■この本から学んだこと ・個人史について「なぜ?」を問いかけ、それを大きな社会的背景から考えると、世の中のことがよくわかる ・明治維新のエネルギーは、兵農分離されていなかった郷士が残っていた藩から湧き上がった ・幕末期には多くの藩が「産物まわし」つまり商社のようなことをしないとやっていけず、土佐藩もそうだったことが龍馬を生んだ ・龍馬の業績は大政奉還よりも、海軍をつくり、個人の海軍で幕府の海軍をやぶったこと ・龍馬の才は、政治的変動を商業に転換すること ・龍馬暗殺は会津藩が見廻り組に命じたもの
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いまだ諸説ある龍馬の暗殺説。磯田さんのアプローチはいつも具体的かつリアリティがあって興味深い。黒幕は松平容保か〜なるほど。
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龍馬と言えば薩長同盟や大政奉還を成し遂げたというイメージが強いが、それは薩摩や長州の実力者が考えたことを、龍馬の持ち前の行動力で実行した「補佐」というのが実態である。 龍馬の最大の実績は個人の海軍を創設したことであり、亀山社中という商社を作り上げたことである。 龍馬は政治家と...
龍馬と言えば薩長同盟や大政奉還を成し遂げたというイメージが強いが、それは薩摩や長州の実力者が考えたことを、龍馬の持ち前の行動力で実行した「補佐」というのが実態である。 龍馬の最大の実績は個人の海軍を創設したことであり、亀山社中という商社を作り上げたことである。 龍馬は政治家というよりも政治現象を事業化することに長けた「商人」であった。 龍馬暗殺にはいまだに様々な諸説が飛び交っているが実はそれほど謎はない。 実行犯は京都見廻り組であり、その実行を指示した黒幕は会津藩の松平容保である可能性が濃厚である。
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今年は龍馬伝の年でした。坂本龍馬に関する本はそれこそ星の数ほどありますが、この本は龍馬の生き様をさっとおさらいする程度の本で、題名は大げさです。龍馬殺害の謎について解明していますが、それほど驚くような結末ではありません。妥当な線であると感じます。しかし岩崎弥太郎が龍馬の幼馴染では...
今年は龍馬伝の年でした。坂本龍馬に関する本はそれこそ星の数ほどありますが、この本は龍馬の生き様をさっとおさらいする程度の本で、題名は大げさです。龍馬殺害の謎について解明していますが、それほど驚くような結末ではありません。妥当な線であると感じます。しかし岩崎弥太郎が龍馬の幼馴染ではなく、殺害される8ヶ月前くらいからの付き合いであるのは大河ドラマとは違うところでした。
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【幕末最大のミステリーの真相に迫る】龍馬を斬ったのは誰か? 黒幕は誰か? 史料の読解と巧みな推理で遂に謎が解かれた。諸説を論破し論争に終止符を打った画期的論考。
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龍馬については、司馬遼太郎をはじめ、書かれているものが多いが、あくまでフィクション。 「武士の家計簿」を書いた歴史家磯田道史による 『龍馬史』 は、主に龍馬の手紙などの資料をもとにした、歴史書。 龍馬はどのようにして武士を超えたのか、それははなぜか。生まれ、育った環境とその後...
龍馬については、司馬遼太郎をはじめ、書かれているものが多いが、あくまでフィクション。 「武士の家計簿」を書いた歴史家磯田道史による 『龍馬史』 は、主に龍馬の手紙などの資料をもとにした、歴史書。 龍馬はどのようにして武士を超えたのか、それははなぜか。生まれ、育った環境とその後の出会いだという。 誰に暗殺されたのか、その黒幕はだれか・・・ここには何も謎はないと言い切る。大河ドラマに出ておりますね。
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2014.1.31~2.11 読了 龍馬暗殺犯を従来からの本命・見廻組であることをを古文書から検証、同時に傍説に根拠がないことを証明している。
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