旅の窓 の商品レビュー
旅の写真とそれにまつわるエッセイが、見開きでまとめられた一冊。 著者は沢木耕太郎さん、全部で81葉の物語が綴られています。 元は10年近く連載されているとのことで、どこか熟成されていくような芳醇さも。 写真と文章を掛け合わせることで、より印象的に感じるのかな、なんて。 文字通...
旅の写真とそれにまつわるエッセイが、見開きでまとめられた一冊。 著者は沢木耕太郎さん、全部で81葉の物語が綴られています。 元は10年近く連載されているとのことで、どこか熟成されていくような芳醇さも。 写真と文章を掛け合わせることで、より印象的に感じるのかな、なんて。 文字通りに旅に出したくなりました、そんな一冊です。
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深夜特急の衝撃から早10年以上経った。本を持って1人旅に飛び出した時の気持ちは、未だに残っている。趣味は何ですか?なんて話がでると、旅行だけど、やっぱり学生時代に行ったバックパックが懐かしいよねと。他人の人生に何らかの影響を残せる素敵な仕事だ。本書は、テイストは全く違う。旅でとっ...
深夜特急の衝撃から早10年以上経った。本を持って1人旅に飛び出した時の気持ちは、未だに残っている。趣味は何ですか?なんて話がでると、旅行だけど、やっぱり学生時代に行ったバックパックが懐かしいよねと。他人の人生に何らかの影響を残せる素敵な仕事だ。本書は、テイストは全く違う。旅でとったスナップ。それぞれに意味を持たせるように文章を紡ぐ。中国の杭州のスナップも何枚かあった。自分が住んでいたマンションの1階でとったものもあって、こちらまで懐かしい気持ちに。中国麗江の写真もそうだ。僕も同じように、子供と老人の写真をとったのだから、人は変わらないね。2度読む事はないかもしれないが、本書でもらったものとは何か。それは、一つの写真にもドラマはいくらでもつけられる。しかし、それだけでは意味がない。改めて自分でとった写真を見直して確信した。心を動かす写真と背景にあるドラマは、自分の心の中にしっかり残っているんだなと。
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「旅の窓」 フィルムに残った多くの光景。81葉それぞれに「意味」を与える。 見開き1ページの左側には、写真。右側には、10つほどの文章。どちらもとても良い。写真を見ることで、文章に納得がいったり、文章を先に読んでみると、写真に納得がいったり、とても面白かったです。 写真の...
「旅の窓」 フィルムに残った多くの光景。81葉それぞれに「意味」を与える。 見開き1ページの左側には、写真。右側には、10つほどの文章。どちらもとても良い。写真を見ることで、文章に納得がいったり、文章を先に読んでみると、写真に納得がいったり、とても面白かったです。 写真の中で最も気に入ったのは、まず一枚目。「そこから、どこへ?」という表題が添えられているけど、「当初の目的はどこへ?」となっているのが、まず面白いんです。著者は、鷹狩りに参加しており、鷹匠が鷹を放つ姿、鷹が獲物を見事に狩る姿をカメラに収めることが当初の目的でした。となると、当然、この本には、鷹匠の勇ましい姿、鷹の猛る姿が本来収められているはず。 しかし、実際載っている写真は全然違うもの。実は、この写真は鷹狩りでの写真を現像していたらあったものだそうです。当初の目的はどこへいったのか?でも、この写真、とても良いんです。こんな感じで私も写りたいw 次に、印象深いのは「まぶしい笑顔」です。近年は、幼い子供で男同士であっても肩を組むことは珍しいかも知れませんね。ましてや笑顔で写真に2人で収まるなど、私は小学校以来無いです。この「まぶしい笑顔」に写っているのは、ベトナム、ホーチミンの男の子2人。なんと純粋な笑顔だろうか。この笑顔を私も見せたいw 「看板娘」「招き猫」「ひとりで立つ」は、文章が写真を際立たせているもの。10文程度しかないんですけど、そこに言いたい要素が詰まっていて、これが実にお見事なんです。「ひとりで立つ」なんかは、一人でくすくすしましたね。 文章が写真を引き立てる、写真が文章を引き立てる、2つのパターンが両立している良い本です、ほんと。他に好きになった写真&文章をちょこっと紹介。 「行列で、キス」 うどんを食べる為に並ぶのは良いんだけど、キスはしなくていいでしょうw? 「自分の顔」 アテネの裏通りの若い似顔絵描きはこういった、「実物より上手く描くことはない。あまりよく描きすぎると、嫌がるんだよ」。なるほど、自分の顔は自分が良く分かっている(日本では、あんまり無い感覚ですよね。美人やハンサムに書いてもらったら喜ぶんだからw) 「生きる力」 サハラ砂漠を庭と感じる人々と感じることが出来ない人々の対比。日本人は、サハラ砂漠を散歩する人々の真似はとてもじゃないけど真似出来ないw 「子供たちの風景」 中国の一人っ子政策を憂う。
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「深夜特急」の旅を終えた後も、 著者の沢木耕太郎氏は、 「旅の人」であり続けている。 旅の目的は、取材だったり、 プライベートだったり、 様々であるらしいが、 彼の好奇心のアンテナは まだまだ錆びていない。 人は、旅先でちょっと気になる風景と いうものには出くわすが、 なかな...
「深夜特急」の旅を終えた後も、 著者の沢木耕太郎氏は、 「旅の人」であり続けている。 旅の目的は、取材だったり、 プライベートだったり、 様々であるらしいが、 彼の好奇心のアンテナは まだまだ錆びていない。 人は、旅先でちょっと気になる風景と いうものには出くわすが、 なかなかそれをカメラに収める事は難しい。 少しでも迷いや雑念があると その瞬間を逃してしまうからだ。 しかし、沢木さんは、 その「自分の心が揺れる瞬間」を 見逃さない。 たとえそれが小さな揺れであっても。 「これは面白い、何か心にひっかかる。」 アンテナがとても敏感なのだろう。 旅先で何か心を動かされる風景に出会ったら、 それが何であろうと、「どうして自分の心は 揺れたのか」などは考えず、 まずは写真を撮っておくとよいかもしれない。 カメラで切り取った風景が 自分にとってどのような意味を持つのか、 その時はわからなくても、 何年後、何十年後かに、 わかることもあるかもしれないから。
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