中国という大難 の商品レビュー
本書は某ノンフィクション専門書評サイトで紹介された途端にAmazonで在庫切れになった話題の書籍です。 文面は平易で判り易く、この手の書籍にありがちな難解な言葉使いや数字やグラフ等が沢山参照されている様な事は無く中国通のジャーナリストである著者が中国関係者とのインタビューを通...
本書は某ノンフィクション専門書評サイトで紹介された途端にAmazonで在庫切れになった話題の書籍です。 文面は平易で判り易く、この手の書籍にありがちな難解な言葉使いや数字やグラフ等が沢山参照されている様な事は無く中国通のジャーナリストである著者が中国関係者とのインタビューを通じて知り得た情報を基に纏めた2007年当時の中国の大きな問題点について書かれた文庫版ですが今でも、でも恐らく同じ問題が横たわっているのだろうと想像出来ます。 上海や北京・香港等は馴染みのある都市でメディアにも頻繁に登場し料理や観光・買い物等で身近な場所ではありますが、一方でそれだけ近隣である事は本書で綴られている水資源や水質汚染・空気汚染等の問題は西から東に風も海流も流れている環境で中国より東の国、日本ではもはや他人事ではなく深刻な国内問題となるのではないかと本当に無関心では居られない程に興味深く読まされた本でした。
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21世紀は、水資源を取り合う争いが、世界で起こると予測される。特に水量の乏しい中国は、近年の近代化により水資源の枯渇が、大問題になっているらしい、少女たちが朝シャン(自由経済振興地域の女性たち)している場合じゃないほど、緊迫している。 合わせて、利益優先の工業化により、全国的に...
21世紀は、水資源を取り合う争いが、世界で起こると予測される。特に水量の乏しい中国は、近年の近代化により水資源の枯渇が、大問題になっているらしい、少女たちが朝シャン(自由経済振興地域の女性たち)している場合じゃないほど、緊迫している。 合わせて、利益優先の工業化により、全国的に環境汚染は、取り返しのつかない状態なのだとか、そして所得格差が広がることで、内陸の農民の暴発はいつ起こるともしれない。他、日本政府の対中国外交が、あまりの体たらくであるなど・・・昨今の中国情勢を詳細に知ることができる。
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日本の中国ウォッチャー富坂聰氏の著作。 厚いベールに包まれた中国という国で、外からは見えずに燻っている火種は何か。 格差、環境などの中国の国内問題が、日本の国内問題になってしまう時代の到来。まさに大難。 NHKの歴史番組で、歴史学者の磯田道史氏が、停滞即ち新政府の威信の失墜に繋が...
日本の中国ウォッチャー富坂聰氏の著作。 厚いベールに包まれた中国という国で、外からは見えずに燻っている火種は何か。 格差、環境などの中国の国内問題が、日本の国内問題になってしまう時代の到来。まさに大難。 NHKの歴史番組で、歴史学者の磯田道史氏が、停滞即ち新政府の威信の失墜に繋がるため拙速でも政策を打ち出し続けなければならなかった明治日本を評して、常に回転し続けなければ転がってしまうコマだといったことがあったが、周りを押しのけながら回り続けなければ立っていられず、かといって回転が緩めば周りを巻き込みながら転倒する、この中国こそ、現代ではその例えにふさわしい。
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本著者は中国ウォッチャーの中では良質。理由は➀現地でのインタビュー・調査を励行、②党派に拠らない批判(特に、民主党でなく、自民党政権の外交失策への批判が手厳しい。またプラグマティズムの点で十分な説明のない中曽根靖国参拝への批判)、③単純な二項対立で分析しておらず、事実に即して中国の問題点を解読し批判する点、④中国の問題点を安易な日本礼賛に結び付けない叙述態度(中国の問題と日本の美徳とは本来無関係)、⑤中国で苦闘する貧困民衆への暖かな目線など。なるほど記述内容は新奇ではないが、一読に如くはない価値あり。 2013年(加筆前の底本2007年)刊行。 なお、中国の問題は日本の国内問題に直結する(特に環境、エネルギー、在日中国人の増大)点は、中国が輸出二位(2012年までは一位)、輸入一位の貿易相手国である点から見ても、なるほどの感。
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急激な経済発展とその代償を抱え、近隣国にも影響を及ぼす。中国ばかりでないが大国だけに厄介だ。内政問題を党がやらないのでなく、仕切れないというのもよくわかった。中国だけでなく、北方領土に対するロシアも同じなのかもしれない。15.8.30
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中国ウォッチャー富坂聰氏のによる、水問題、汚職、所得格差、ジャパンバッシング、軍事、外交といった日本にも大きく関係する諸問題の中国レポート。広い国土に多くの人口、急激な経済発展で、矛盾が出るのは当たり前。07年の単行本版から問題の質はあまり変わっておらず。政治の動きなど昨年の文庫化の際に加筆修正されていますが。
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テレビでもお馴染みの富坂聰氏が、その取材力・人脈を駆使して公にする中国レポートであります。 本書では一般の報道では伝へられてゐない事項がわんさと盛り込まれ、門外漢のわたくしにとつては「ほほう」と唸る事実が多いのです。俺だけか? 六章構成なのですが、そのうち第一章と第二章だけでも...
テレビでもお馴染みの富坂聰氏が、その取材力・人脈を駆使して公にする中国レポートであります。 本書では一般の報道では伝へられてゐない事項がわんさと盛り込まれ、門外漢のわたくしにとつては「ほほう」と唸る事実が多いのです。俺だけか? 六章構成なのですが、そのうち第一章と第二章だけでも十分なイムパクトがあります。 第一章は「三峡ダムが中国を滅ぼす」と題し、環境汚染の実態をルポしてゐます。まあ大体の事情は各種報道で分かつてゐる積もりで読み始めると、想像以上のひどさに唖然とするのであります。 特に水の問題。北京オリンピックを機に、河川を汚染する企業が摘発され、北京周辺から排除されました。おかげで外国人の目に触れる部分はキレイになつたやうに見えます。しかし実態は、さういふ企業は地方に追ひやられただけで、別の場所で更なる汚染を引き起こしてゐました。著者は取材のため、特に汚染が酷い場所まで車で案内されるのですが、「近づけば悪臭で分かるから」といふ理由で窓は開け放しだつたさうです。 わたくしもごく最近、同乗者ふたりを乗せて車を運転してゐましたが、先に降りる一人が、下車寸前に何と放屁を爆発させたのであります。これが猛烈な悪臭を放ち、涙が出るほどでした。本人は涼しい顔で「ぢや、お先にー」などとうそぶいて去つてしまひ、残るわたくしとあと一人は「くそつ、あいつ何を喰つたらこんな臭い屁が出るんだ!」と窓を全開にして苦悶したことであります。 おそらくそれの数倍から数十倍(計測できるのか知らないが)もある悪臭の中で、日常を送らねばならぬ地元住民。無論住民たちは抗議行動を起こすのですが、浄化工事もままならぬやうです。こんなところにも都市と地方の格差はあるのですね。 著者の取材に応じた若い中国人ビジネスマンの話。「中国の経済発展を止めるのは不良債権でも人民元の切り上げでもなく、まさにこの“水”なんじゃないかって」 さうすると中国が狙ふのは...? 日本も対岸の火災視できなくなるであらう、と著者は言ひます。 第二章は「汚職天国」であります。中国の腐敗ぶりは巷間でも伝へられるところ。しかし昨今始まつたものでもなく、中国何千年の歴史は汚職の歴史といふくらゐ根が深い。 むろんどの国でも汚職はありますが、中国の役人が汚職と無縁で生きることはまことに困難。摘発する側より、享受する側に廻らうと考へても不思議はありません。 習近平くんも腐敗撲滅に取り組んでゐるポオズを見せますが、単に政争の具と化してゐます。人民の支持を得やうとする時、「日本叩き」と並んで有効なのが「腐敗摘発」らしい。しかし本書を読んだ後では、本当の意味の腐敗撲滅は不可能であることが分かります。 長くなるので第三章以下については省略。 別に他所の国の問題だから、そんなに深刻に受け取らなくてもいいぢやん、と考へる向きもあるかも知れませんが、現在は鎖国時代ではありませんからな。 すでに中国とは相当の関りを持つてしまつたわが国ですから、中国の「大難」はそのまま日本の「大難」に直結する恐れがあると申せませう。剣呑剣呑。 http://genjigawa.blog.fc2.com/blog-entry-191.html
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この本を読めば読むほど、中国との付き合い方の難しさ、そして空しさを感じる。 環境汚染、汚職、そして格差。13億人中9億人もの貧困層という過剰な人口の過剰な欲望。それをもはや抑えきれない共産党政府。 それらを共産党政府が放置している最も重要なポイントは、今経済発展のチャンスを逃せば、それこそ中国全体の死活問題となるからにほかならない。 「ルールを守ることの出来る社会は、ルールを守っていれば最低限のものが手に入れられるという裏付けがなくては成立しない。中国にはこの範囲を超えた競争が存在する」 そして中国共産党はソ連崩壊を反面教師として、未だに報道の自由を認めない。 そこへ反日という火種を投げ込むと、貧困層の不満は一気に爆発するのも当然。 もはや中国における大難は日本にとっても、かなりのレベルの災難となっている。 また米国の東アジアへの驚くほどの無関心さと、中国の増々強力になる米国でのロビー活動。そして日本にとって最悪は親中国の米国民主党左派が政権を取った時・・・この本の初稿は民主党左派のオバマ誕生の前ですが・・・今は日本の取って最悪の時期か。 日本でもっとも信頼できる中国ウオッチャーに、これだけ悪しき隣人の事を伝えられると、この先が思いやられ気が滅入るばかりです。
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プロローグに登場する周氏、元香港経済界の大物であり、汚職の罪によって死刑判決を受けた人物。その周氏に対するインタビューから物語はスタートする。死刑判決を受けた受刑者が10年も経たずに自由に活動していること自体が驚きであり、中国という国を象徴している。 富坂氏のルポは、中国が抱え...
プロローグに登場する周氏、元香港経済界の大物であり、汚職の罪によって死刑判決を受けた人物。その周氏に対するインタビューから物語はスタートする。死刑判決を受けた受刑者が10年も経たずに自由に活動していること自体が驚きであり、中国という国を象徴している。 富坂氏のルポは、中国が抱える問題点の中で、「環境」「水不足」「汚職」「格差」などを取り上げている。いずれも解決策を見出すことができない深刻な問題であり。これらの問題は、中国の国内問題ではなく、日本にとっても避けることのできない国内問題だと指摘している。偏西風と海流は、否応無く中国と日本関連付ける。黄砂やPM2.5、さらに鳥インフルエンザなど、我々の日常生活にも直結する課題が山積している。 これらの問題を解決するために、中国が経済活動を犠牲にしてでも規制を強化することは、考えられないことであり、巨大にして制御することが困難な「大国」とどのように付き合っていくか、他人事ではなくなっている。
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現在の中国を知るのに、たくさん読んだ本の中で、 一番 中国における地雷を取り出そうとしている。 ただし、2006年前後の出来事に、分析の視点がおかれており、 2013年2月の文庫本の出版は、スピーディとは言えない。 できるならば、2012年時点の出来事をもっと書いてほしい。 つま...
現在の中国を知るのに、たくさん読んだ本の中で、 一番 中国における地雷を取り出そうとしている。 ただし、2006年前後の出来事に、分析の視点がおかれており、 2013年2月の文庫本の出版は、スピーディとは言えない。 できるならば、2012年時点の出来事をもっと書いてほしい。 つまり、6年の間に 中国は 大きく変貌して、またあらたなことが、 様々な問題を引き起こしているからだ。 しかし、この本は 2006年時点のことでも、現在につながる中国の地雷を 確実にとらえていることが評価できる。 また、この本には 人名が確定し、たくさんの人々が登場する。 その人物たちには、その背後にある物語があり、それだけでも推定する何かが ありそうで興味が ふかい。 中国の水問題は中国の抱える一番の問題である。 水不足と洪水が同居する問題で、解決の方法は複雑である。 中国大陸は 高い山もあるが、起伏に乏しいことから、水の流れはゆっくりしている。 南に水があり、北に水がないとされている南水北調事業は はたして中国の水問題を解決するだろうか。 多くの問題は 節水するという考えが徹底していないことにもある。 又、水をリサイクルするという技術や 工場排水を処理することなどが全く遅れている。 三峡ダムは はたして 中国にとって、プラスだったのか。 地元では 「龍の脈をとめた」といわれている。そして、その禍があるという。 日本においても 脱ダム宣言があるように 長い眼で見て ダムはプラスにならない とさえ言われている。中国における世界最大級のダムがどのような禍を起こすのか? 地震がおこった。 重慶の付近で 干害が起こり、44℃を超える気温となった。 賄賂が横行した。当初の予算が900億元だったのが、2000億元となった。 その間に摘発された 幹部は多数にのぼる。 三峡ダムによって、洪水がないと言われたが、洪水はおこった。 権力闘争として 元上海書記 陳良宇 の腐敗摘発に関して 江沢民と胡錦濤の権力闘争という図式で考えることは、無理がある。 多くのマスコミが その図式で とらえようとするが、実際は 権力闘争は もっと個人のレベルでの熾烈な戦いであり、 胡錦濤対陳良宇の戦いであったことがはっきりしている。 という 富坂聰の指摘は かなり 的を得たものであることを理解した。 腐敗に対して 批判する勢力よりも、社会の潤滑油として考え 腐敗にすり寄って 甘い汁を吸う側に入る人のほうが多くなっている。 また、報道機関が 腐敗に対しての報道を抑制されている。 農民が立ち上がらない理由。 我慢強いこと。そして、無知なこと。その原因が 政治にあると思わないこと。 戦争の形態が大きく変わる中で、中国の200万人もいる軍隊が 意味をなさなくなって来ている。 アメリカの電子情報化と精密化は急速に進んでいる。 そのような 戦争に対応できる 中国の少数精鋭部隊がなく 結果として、国民を抑制するための装置となっている。 装備の質よりも、軍人の士気が大きな問題。 退役軍人のことをつぶさに見ているが、たしかに、この問題は 中国の上層部が考える上で きわめて 困難な部類に入るものと思う。 犯罪に関連した退役軍人がおおいことは、注目に値する。 アメリカの日本評価。無関心であるということ。 台湾から見た 中国と日本。ニューシンキングという変化。 そして、アメリカの諜報活動に 台湾人が活躍しているということ など、なるほど、そんな風に 進行しているのかとおもわせた。 成毛真はあとがきでいう 中国は「騒音に満ちて小汚く、金欲まみれで下品、幼児性と増大さが入りまじる」であり「死ぬまでかかわり合いたくない国」 「現実の変化率が高過ぎて、すぐに内容が陳腐化してしまうこと、どんなに読んでもヌエのごとく得体の知れない存在なのではないかという疑いを持っている」
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