マオキッズ の商品レビュー
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非常に興味深いタイトルだったので手に取ったが、内容が濃いとはいえず非常に残念だった。特にネパール、フィリピン、カンボジア編においては、地元の関係者の話を少し聞き、それを元に著者がこうだと思う、ああだったのではないかとただ推測するだけの文章が続く。また要人に会うために如何に苦労したか等の表記も多いが、結果として会えなかった、話を聞けなかったというようなこともあった。過程ではなく、さまざまな人と会い、その情報を元にした深い考察があるとは言い難い物語だった。小学館ノンフィクション大賞の優秀賞受賞とのことだが、大賞自体に疑問を持ってしまう結果となった。残念。
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自らの足で趣き物語を紡ぐルポは、ライターの個性が出て面白い。テーマに興味を持てれば、尚一層。自分にとっては、安田峰俊以来の傑作。 イデオロギーが、人を集め、駆り立てる。そのイデオロギーの基礎は、国家の暴力装置への反発や、貧富格差の是正。つまり、安全に人並みの生活をさせやがれ、だ...
自らの足で趣き物語を紡ぐルポは、ライターの個性が出て面白い。テーマに興味を持てれば、尚一層。自分にとっては、安田峰俊以来の傑作。 イデオロギーが、人を集め、駆り立てる。そのイデオロギーの基礎は、国家の暴力装置への反発や、貧富格差の是正。つまり、安全に人並みの生活をさせやがれ、だ。しかし、先導者は、被先導者とは異なり、しっかりとした教育を受けた人間である。何故なら、イデオロギーの獲得とアジテートには教養が必要だからだ。そのため、イデオロギーを具現化した後には、結局この教養を持つ先導者と、一部の使い易い被先導者による、新たな支配体制が築かれる。 この著書は、スターリン主義を自らのイデオロギーと変え、世界各地にマオイストを生んだ、毛沢東的共産主義の、世界各地での末路を追ったドキュメンタリーだ。やはり、著者も気付く。革命は、新たな支配体制によるリバイス作業でしかないことに。 下記、本著とは無関係ながら、インスピレーションを受け。 新たな支配体制は、主義(哲学)や戒律(宗教)、法律(罰則)により、人間を拘束し、労働力を収奪、搾取する。支配者の原動力は、欲であり、欲の最終形が、神である。人が神になる事を恐れた古来の支配者は、説明の難しい自然現象を利用し、そこに代替物としての神を創造した。シャーマニズムの最高峰としての宗教である。しかし、一部、科学の発達により、説明困難な摂理が減る事で、宗教はその影響力を失い、代わりに台頭して来るのが、軍事力である。民家レベルでは、銃を見せれば金を出さざるを得ないが、国家レベルでは、核を見せつけ、従属を強いる。そうして神を巡っての争いは続く。神を諦める事が平和である。つまり、欲を大成させないことが、未来を気付くのだ。現在は、欲の二次価値である金があり、支配ルールと錯覚により、そちらに神の存在を投影させ、人が動いている。しかし、結局はそこに絶対性を信じてしまうために争いが起きる。この事は、お金に寿命を持たせたりなどの方法など、新たなイデオロギーで退くしかないのかも知れない。
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元連合赤軍もマオキッズか。 今でも毛沢東を崇拝して、革命を起こそうとしている人、グループが世界にはある。
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死後30年以上たっても未だに現代中国の意思決定に影響を与える存在であり、現代中国建国の父(といってもいいと思う)である毛沢東。彼の建国思想はマオイズムという形で、革命の思想的根拠として世界中に広まっていった。 本書はそのマオイズムが未だに生きている場所である、ネパール・フィリピン・カンボジア、そして日本を著者が実際に訪れ、話を聞くなかで感じたことをまとめたルポルタージュである。革命思想を体現するのはいつの時代でも若者であり、マオの思想を引き継いでいるものといういみで、マオ・キッズ達の物語でもある。 中国に長く住んでいた自分にとっては、毛沢東というのは一つの政治的・文化的象徴(あるいはアイコン)であり、実際にいまだにマオイズムが現役であるというところのまず驚きを覚える。世界中にはまだまだ貧しい国があり、革命(というか反政府)の動きがある国もあれば、内戦が続いている国もたくさんあるが、純粋な意味でマオイズムが生き残っているというのは(こういってはおかしいが)時代錯誤で非常に奇妙な感じだ。なにせ、マオイズムが産まれた中国ですら既に共産主義も毛沢東思想は捨てられてしまっているのだから。 ただ、そういった非常に興味深い内容を取り上げているにも関わらず、著者の視点は常に外にある。もちろん現場に行って話を聞き、実際にマオイストたちがいる根拠地にもいくのだが、それでもそこでは常に淡々と話を聞き、そこはかとないやるせなさを漂わせる文章を書くだけである。そういった姿勢は、僕にはそこにある「問題」(あるいは原因)に興味があるのではなく、ただ僕が感じる奇妙さと同根のものを見続けたい、という純粋な好奇心によるものだと感じられた(特に最終章を読んでその意を強くした)。 同じように先進国にいる自分、特に中国生活を終えて帰ってきた自分がなんとなく「逃げてきたのではないのか」と思ってしまうような自分、にはそういった好奇心が、先進国の残酷さではないかと感じられてしまい、率直にいえば好きではない。 テーマは面白いのに著者のスタンスと、掘り下げ不足が不満ということで★3つ。
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題材が興味をそそられたので読んだ。少し浅い気がしたけど、その浅さが僕には良かった。「革命家たるもの如何に人をおとしめるかということに尽きるのではないかと思うのである。」という文は歴史を知らない僕には衝撃的だった。
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アジア各地における毛沢東の影響について、実際に現地を取材しながら調べた本。観光地ではないアジアの一面が見えてきて、勉強になった。
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マルクス、レーニン、スターリン、毛沢東、 社会主義から共産主義へ、 学生時代からどれだけ本を読んできただろうか、
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