テキストブック 国際政治学 の商品レビュー
冷戦後のアメリカの対中政策の基本は関与と抑止だった。関与を通じて中国を国際社会に取り込み、国際社会の一員として国際ルールを受容遵守し、また国際社会の重要なプレーヤーとしての自覚と責任を促し「責任ある利害共有者(responsibule stakeholder)」に育て上げるが、中...
冷戦後のアメリカの対中政策の基本は関与と抑止だった。関与を通じて中国を国際社会に取り込み、国際社会の一員として国際ルールを受容遵守し、また国際社会の重要なプレーヤーとしての自覚と責任を促し「責任ある利害共有者(responsibule stakeholder)」に育て上げるが、中国の軍備増強や意図の不透明性を考慮し、不測の事態に対処できるような軍事的な「抑止」力を維持するというものだ。関与政策の前提には、中国経済が豊かになれば、自ずから政治の自由化や民主化が進むとの期待感があった。しかし近年、この戦略は誤りであったとする見解が増えている。(p76) 中国はサイバー戦に強い関心をもっており、網軍と呼ばれる大規模なハッカー専門部隊を編制している。中国は軍事力の非物理的使用を重視し、「軍事闘争を政治、外交、経済、文化、法律等の分野の闘争と密接に呼応させる」方針を掲げている。
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