バンヤンの木 の商品レビュー
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なんだろう、涙が出てきた。こうして生きて行く人たちもいるんだよなあ。インドとパキスタンが分離する時代。国が分断されるってどういうことだろう、祖国、友達、家族、大切なものが失われていく。ビラルのうそを中心に物語は進んでいくけれど、さらに大きなテーマはそこだよなあ。国ってなんだろね。
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インドとパキスタンとの分裂前夜、 がんで余命幾ばくもない父にインドの分裂を知らせたくない主人公は、周囲を巻き込んで嘘をつく。 読み始めは、いったい子どもにそんなことが可能なのか、 という思いがよぎって、なかなか入り込めなかったが、 学校の先生やお医者さんなどを巻き込んでいくあたりから、 なるほど、と。
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インドが宗教によって分離していく時代を舞台に、死期の迫った父を必死に守ろうとする少年の話です。 自分の国が平和を失っていくことに心を痛める父のため、息子のビラルは病床の父に「すべてはうまくいっている。インドは平和だ」という嘘を吐くことにします。 最初は宗派や家庭環境の違う友人たちに協力を頼んで嘘をフォローしてもらい、だんだんと教師や町の大人たちにも協力の輪を広げていきます。 自分たちで偽の新聞を作ってまで徹底して嘘を貫き通す反面、本当に真実を知らせないままで父を死なせていいのか、という葛藤もあります。 最終的に嘘を貫く結果になってしまったのに、実は父は息子の嘘に気付いていた、ということを数十年後に知る、というオチは少々残酷にも感じました。 しかし、次第に殺伐とし、暴力に訴えていく人々の荒廃した心、その中でも友を思いやる気持ちを忘れないビラルと仲間たちなど、これまで知らなかったインドの歴史や人々の想いには感動しました。
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1947年、インド分離独立の時期、その混乱の最中に病気で死期のせまった父親を抱えた息子のビラル。世の中の混乱を父親に教えず嘘をつきとおすことを決める。そのビラルを守る親友も、宗派が違い、家族と友情の間で揺れる。隠し通せたと思っていたビラルに60年後に渡される手紙…泣けました。
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