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少子化論 の商品レビュー

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5件のお客様レビュー

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2014/10/16

少し内容が冗長的に感じるが、少子化論について丁寧な分析をしている著作である。論文と同様に後半200ページ以降をまず読んで、詳細は各章を見ていく読み方が適切である。外国に住んでいた日本人親100名のインタビューから、日本社会全体が赤ちゃんや子育てに対して厳しい、冷たいとの分析があり...

少し内容が冗長的に感じるが、少子化論について丁寧な分析をしている著作である。論文と同様に後半200ページ以降をまず読んで、詳細は各章を見ていく読み方が適切である。外国に住んでいた日本人親100名のインタビューから、日本社会全体が赤ちゃんや子育てに対して厳しい、冷たいとの分析があり、昨今のマタハラや、ベビーカー乗車への冷遇など、心的な面で日本人の意識を改善する必要があると強く思った。

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2014/08/28

少子化の要因➡︎未婚化の増 未婚化の増➡︎若年層の非正規雇用者増等による収入の低下 経済的理由が未婚化につながっている。少子化対策については国、企業の政策如何が主であるが、子どもに優しい社会環境は個人の意識の問題か。近所の子どもに声掛けしようかな。

Posted byブクログ

2014/01/27

提言は少子化論としては新鮮で面白い。 しかし、全体的に統計資料の使い方が雑である。 視覚的な資料を出さずに数字だけ並べることが多く読みづらいのももちろんそうなのだが、数字すら出さずに極めて主観的な読みを提示することすらある。 例えば、p.33で「近年ほど、出産退職をした者が増えて...

提言は少子化論としては新鮮で面白い。 しかし、全体的に統計資料の使い方が雑である。 視覚的な資料を出さずに数字だけ並べることが多く読みづらいのももちろんそうなのだが、数字すら出さずに極めて主観的な読みを提示することすらある。 例えば、p.33で「近年ほど、出産退職をした者が増えてきている」とだけ書いてあるが、出生動向基本調査にあたると、同時に就業を継続した者も増えていることがわかる。特に、育休を利用して就業を継続した者は20年間で5.7%から17.1%へ激増している。 これは一例に過ぎず、引っかかる統計資料の使い方をしている部分を細かくあげるときりがない。 これらの統計から導かれた提言を信用しきることは、私にはできない。

Posted byブクログ

2013/07/06

日本で少子化対策を行なうようになって、約20年経つそうだ。その間、出生率は最低レベルから若干の改善が見られるものの、対策が決定打となっていない。この本で筆者は、少子化現象を再分析し、日本の少子化の最大要因は未婚化にあると述べる。その上で、スウェーデンやフランス、ドイツなど少子化対...

日本で少子化対策を行なうようになって、約20年経つそうだ。その間、出生率は最低レベルから若干の改善が見られるものの、対策が決定打となっていない。この本で筆者は、少子化現象を再分析し、日本の少子化の最大要因は未婚化にあると述べる。その上で、スウェーデンやフランス、ドイツなど少子化対策に一定の成功をおさめている国々との対比を交えながら具体的な方策を提言しており、総論としてとても良くまとまった1冊だと思う。個人的には「生物種としての退化」といった根源的な問題も抱えているようにも感じている。

Posted byブクログ

2013/06/08
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

1.松田茂樹『少子化論 なぜまだ結婚、出産しやすい国にならないのか』勁草書房、読了。少子化対策が開始されてから、すでに二十年。合計特殊出生率は微増したが、その対策の効果には疑問が生じる。著者は従来の少子化論とその対策を膨大なデータから検証し、そのことで未来を見通す提言を提示する。 これまで「夫婦間の子どもの数」で論じられてきたが、現実の少子化の最大要因は「若年層の雇用の劣化により結婚できない者が増えたこと及びマスを占める典型的家族(夫は就業、妻は家事)という男女の役割分担において出産・育児が難しくなっていること」。 従来の対策は、女性個人の育児と就業だけ絞って展開されてきた(それが悪いのではないが)。しかし、経過を反省するなら、ピンポイント的支援で少子化を捉えるのではなく、要因背景として見逃せない非正規雇用の問題を含めた総合的な協業と試み直す必要がある。 「従来の少子化論は、わが国の少子化の実態、その危機、その背景要因の〈全体像〉を正確に捉えることができなかったのではないだろうか」というのが本書の執筆動機。少子化対策をガイドすべき少子化論の陥穽を正面から捉えることで、見えない問題に光を当てていく。 現行制度はあまりにも育児当事者支援に偏重してきたが(何もないよりはいいのだが)、このことは子育ては個人ないし家庭で「完結しろ」という自己責任論の一種かもしれないと思った。不必要な「協同」が先行し、必要な「協同」がスルーされるというか。了。

Posted byブクログ