翻訳教室 の商品レビュー
翻訳という作業はAIに取って代わられるということもよく聞くが、『質の良い』翻訳をするというのは、それほど簡単なことではないということがよく分かる一冊。 大学での講義録で、実際の翻訳スキル的なことよりも、文学の翻訳家が何を考えながら翻訳しているのかを垣間見る方に価値があるように感じ...
翻訳という作業はAIに取って代わられるということもよく聞くが、『質の良い』翻訳をするというのは、それほど簡単なことではないということがよく分かる一冊。 大学での講義録で、実際の翻訳スキル的なことよりも、文学の翻訳家が何を考えながら翻訳しているのかを垣間見る方に価値があるように感じた。
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村上春樹氏との教室での対話も併せて収録されている。氏の翻訳に対する向き合い部分だけでも、読む価値は十分あった。 「自分も翻訳してみたい」と考えている人にオススメ
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翻訳の授業受けた時に知ってから、ちょいちょい読み返してるけど面白い。授業はあんまり出てなかったけど。
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以前単行本で買った時は読み切れる気がしなかった。課題の英文が全然わからなかったのだ。つい先月ブックオフで手に取って読み始めたら、いいペースで読めることがわかって購入、今日読了できた。本を読むにはタイミングはありそうだ、ということと、いくつになっても英語の能力というのは伸びる(以前...
以前単行本で買った時は読み切れる気がしなかった。課題の英文が全然わからなかったのだ。つい先月ブックオフで手に取って読み始めたら、いいペースで読めることがわかって購入、今日読了できた。本を読むにはタイミングはありそうだ、ということと、いくつになっても英語の能力というのは伸びる(以前読めなかったものがそれほど大変でなく読めたわけで)ということが改めてわかった気がする。
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「教える・教えられる」という関係でなく、「一緒にいい訳文に磨き上げていく」という基本姿勢は終始徹底されていて、翻訳という作業自体を柴田さんが心から楽しんでいるのが伝わってきます。 読点の位置ひとつ、語尾のちょっとした違いでも、文章は表情を変える。 言葉ってこんなに深く読み込めるも...
「教える・教えられる」という関係でなく、「一緒にいい訳文に磨き上げていく」という基本姿勢は終始徹底されていて、翻訳という作業自体を柴田さんが心から楽しんでいるのが伝わってきます。 読点の位置ひとつ、語尾のちょっとした違いでも、文章は表情を変える。 言葉ってこんなに深く読み込めるものか、と教えられました。
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翻訳家の柴田元幸氏が、母校である東大で行った「西洋近代語学近代文学演習第1部 翻訳演習」という授業の内容を文章化したもの。 毎回、著名な作家の作品をテキストとして学生たちに翻訳を行わせ、柴田氏が添削をしていくといった内容。添削、というよりも学生たちと一緒により良い翻訳にしてい...
翻訳家の柴田元幸氏が、母校である東大で行った「西洋近代語学近代文学演習第1部 翻訳演習」という授業の内容を文章化したもの。 毎回、著名な作家の作品をテキストとして学生たちに翻訳を行わせ、柴田氏が添削をしていくといった内容。添削、というよりも学生たちと一緒により良い翻訳にしていく過程を追ったドキュメント的な内容と書いた方が近いかも知れない。 途中、村上春樹氏やジェイ・ルービン氏が授業にゲストで呼ばれたりしており、ついつい参加してみたくなってしまう。取り上げられているテキストも、スチュアート・ダイベック、バリー・ユアグロー、レイモンド・カーヴァ、イタロ・カルヴィーノ、村上春樹といった僕の好きな作家ばかりであり、とどめとして僕がもっとも好きな作家であるリチャード・ブローティガンまで取り上げている。 読み進めていくと、翻訳の仕方、テクニック、こうあるべき形、やってはいけない手法、など色々と勉強になる。別に翻訳家を目指している訳ではないが、読んでいると翻訳以外にも活かせそうな知識もあり面白い。 翻訳に最も重要なのは何だろう。英語の知識はもちろんだけれど、やはり一番必要なのは、母国語の知識、日本人で言えば「日本語」の知識が最も必要とされるのだな、ということが改めて思い知らされる。いくら英語の実力があろうと(たとえば英検1級を持っていたり、TOEICで990点を取ったり)、それを日本語に置き換える力、つまり日本語の語彙や言い回し、状況によって使い分けるテクニックなどがなければ翻訳は出来ない。そんなことを再認識させられた。
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学生との議論の過程を一緒に追えるのがとても楽しかった。 何度も出てきていたけれども ・原文と同じ語順で訳す ・原文の語調と似たような言葉を探す のが大事なのだなぁというのがよくわかった。 それにしても,翻訳が趣味というのはすごいな村上春樹氏…。
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柴田元幸先生の東大での翻訳授業。文学作品なので、かなり難しい。冒頭のタイベックなんて英文読んでてもほとんど分からなかった。 でも、読み進めているうちにだんだんと慣れて来て、翻訳脳に頭が切り替わるのが楽しい。
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p229 村上 正しい理解というのは誤解の総体 だと思っています。 p390 柴田 小津安二郎がこんなことを言っています。 「なんでもないことは流行に従う。重要なことは道徳に従う。芸術のことは自分に従う。」 p409 岸本佐知子 た、大変そうですね。と言うと、 大変だよぉ...
p229 村上 正しい理解というのは誤解の総体 だと思っています。 p390 柴田 小津安二郎がこんなことを言っています。 「なんでもないことは流行に従う。重要なことは道徳に従う。芸術のことは自分に従う。」 p409 岸本佐知子 た、大変そうですね。と言うと、 大変だよぉ、倒れそうだよもう、と困ったように言う柴田さんの顔は、でもなんだかちょっと楽しそうだった。
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日本語は細やかな情感を表現するのに適した言語だみたいなことが言われがちだが、単純にそれは他国の言語をよく知らないだけだと思う。英語にも、十分に情感に溢れる表現があってそれを日本語に翻訳する面白さが伝わる本。 途中に出てくる村上春樹の仕事の姿勢、『集中力は体力だから年齢を重ねてもし...
日本語は細やかな情感を表現するのに適した言語だみたいなことが言われがちだが、単純にそれは他国の言語をよく知らないだけだと思う。英語にも、十分に情感に溢れる表現があってそれを日本語に翻訳する面白さが伝わる本。 途中に出てくる村上春樹の仕事の姿勢、『集中力は体力だから年齢を重ねてもしっかり仕事をし続けるためには体力作りが大切』というところに見習おうと思った。
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