失われた近代を求めて(2) の商品レビュー
分類されたものがその仕分けに拠って不都合であっても「分けられた」という事実があれば秩序を生み、それを軸に時代は進む。 もしそれを不自由に思う人間がいれば、その人はしつこく混沌を観察しなくてはいけない。その作業はとても手間のかかることだ。その行為はもう終わった事だと周囲は考えてい...
分類されたものがその仕分けに拠って不都合であっても「分けられた」という事実があれば秩序を生み、それを軸に時代は進む。 もしそれを不自由に思う人間がいれば、その人はしつこく混沌を観察しなくてはいけない。その作業はとても手間のかかることだ。その行為はもう終わった事だと周囲は考えているから何を今更?とバカにされる。だからもしその疑問が正しいと確信あったとしても誰もやりたがらない。 そんな面倒なことをコツコツと地道に行う著者は流石、橋本治。きっと本人はいたって当たり前の仕事をしていると思っているでしょうが。 歴史的価値はわかるが実用的でない狭い視野で描いた地図でも地図は地図と惰性に任せていつまでも使っている文学者に鉄槌を加える本。
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