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人類と感染症の歴史 の商品レビュー

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12件のお客様レビュー

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2024/01/11

感染症のことが、疾患別にその起源とどのように克服したか書いてある。専門知識が不足していて、理解できない記述もあった。ただ、先人達がいかに努力して感染症を乗り越えてきたか、そしてそれがつい最近ということを学んだ。多くのことが学べる本であると思います。

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2021/10/15

【琉球大学附属図書館OPACリンク】 https://opac.lib.u-ryukyu.ac.jp/opc/recordID/catalog.bib/BB12104693

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2020/12/31

"たとえスペインインフルエンザが今襲ってきたとしても、当時の1000分の1位の死亡者で抑えられるはずである" 予想を軽々と超えるCOVID-19すごいね…

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2020/11/27

タイトルが示すように、人類と感染症の歴史を、古代から現代まで広く網羅的に扱っている。感染症そのものの歴史と病態というよりは、感染症によって影響を受けた歴史にフォーカスを当てている。 著者はウイルス学者であり、歴史家ではないが、トリビア的な情報を得たいと思ったら、次々と出る感染症...

タイトルが示すように、人類と感染症の歴史を、古代から現代まで広く網羅的に扱っている。感染症そのものの歴史と病態というよりは、感染症によって影響を受けた歴史にフォーカスを当てている。 著者はウイルス学者であり、歴史家ではないが、トリビア的な情報を得たいと思ったら、次々と出る感染症の歴史本の中でも本書がベストであるように思う。 扱う感染症は、天然痘、ペスト、ポリオ、結核、麻疹、風疹、インフルエンザ、ウエストナイルウイルスと幅広い。それぞれの感染症対策から得られた教訓のようなことも述べられており、専門家の意見として興味深い。 個人的には、自分の不勉強を棚に上げるようではあるけれど、感染症そのものの情報がもう少しあると理解が深まるように思った。

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2020/10/24

研究者仲間から風疹研究に関して「大変しつこい」とも言われた著者だけあって風疹の章は母子感染した人のエピソードがあったり、思いの強さが伺える。2009年H1N1インフルエンザの状況、ワクチンの種類と特性、など今勉強になることも多いが、官僚組織の人事異動についてごたごた書いているのは...

研究者仲間から風疹研究に関して「大変しつこい」とも言われた著者だけあって風疹の章は母子感染した人のエピソードがあったり、思いの強さが伺える。2009年H1N1インフルエンザの状況、ワクチンの種類と特性、など今勉強になることも多いが、官僚組織の人事異動についてごたごた書いているのはどこまで妥当な意見なのか。続巻も読む予定

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2020/07/18

それにしても痘苗(とうびょう)がかさぶたを通して人から人へ移されるというのは驚きである。文字通り人柱といってよい。私が子供の時分はまだ種痘を行っていた。当時は天然痘を疱瘡(ほうそう)と呼んでいた。左肩に2ヶ所やれらたのだが痒(かゆ)くて かさぶたを剥いた覚えがある。痕跡は今でもく...

それにしても痘苗(とうびょう)がかさぶたを通して人から人へ移されるというのは驚きである。文字通り人柱といってよい。私が子供の時分はまだ種痘を行っていた。当時は天然痘を疱瘡(ほうそう)と呼んでいた。左肩に2ヶ所やれらたのだが痒(かゆ)くて かさぶたを剥いた覚えがある。痕跡は今でもくっきりと残っている。 https://sessendo.blogspot.com/2020/07/blog-post_18.html

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2016/04/14

古来、ヒトは感染症に悩まされてきた。感染症は動物の体に巣くう、ウイルスや細菌などの小さな病原体が引き起こす病気であり、ヒトからヒトへ、時にはヒト以外の動物からヒトへと移動(感染)する。ヒトの体を住処としながら跳びはねるように広がっていくため、根絶することは困難である。 衛生状態の...

古来、ヒトは感染症に悩まされてきた。感染症は動物の体に巣くう、ウイルスや細菌などの小さな病原体が引き起こす病気であり、ヒトからヒトへ、時にはヒト以外の動物からヒトへと移動(感染)する。ヒトの体を住処としながら跳びはねるように広がっていくため、根絶することは困難である。 衛生状態のよくなった今日では、日本における病気によるヒトの死因のトップの座は癌に明け渡されているが、感染症によってヒトがばたばた死んでいたのはそう遠い昔のことではない。現在でも、世界的に見て、感染症による死は非常に多い。 本書では、こうした感染症とヒトの歴史の関わりを、いくつかの重大な疾患に注目して見ていく。取り上げる感染症は、 ・天然痘 ・ペスト ・ポリオ ・結核 ・麻疹 ・風疹 ・インフルエンザ ・ウェストナイルウイルス である。 いずれも、人類の歴史に与えた影響が大きい。 いくつか具体的に見ていく。 「天然痘」は、痘瘡(もがさ)とも呼ばれ、日本でも昔から猛威を振るってきた。死亡率も高く、生き残ってもあばたや失明など、後遺症も大きかった。 非常に恐れられた疾患だが、天然痘ウイルスは現在では根絶されたとされている。それを可能にした大きな特徴は、人畜共通感染症でないことである。ヒトでの感染が抑えられれば押さえ込める。そしてもう1つ大きな点は、感染すれば必ず(肉眼的に)診断できたことだ。これらに加え、優秀なワクチンが開発されたことで、天然痘はごくわずかな研究用の株以外は世界から消えた。但し、世界を覆う大きなプロジェクトが成功するためには、世界の平和は欠かせなかった。事実、紛争地帯ではワクチン供給の難しさや衛生状態の悪化などで、真の根絶まで、他の地域よりも数年の遅れを取った。 「ペスト」は中世ヨーロッパを揺るがせた一大感染症だった。そもそもはネズミの感染症だが、ノミを媒介に飛び火する形で、ヒトにも感染を広げた。歴史上の幾度かの大流行の影には人類の大移動があり、往々にしてこれらは戦争に付随したものだった。乗り物であるヒトが動けばノミもまたペスト菌も移動する。行った先のヒトが病原菌に対する免疫を持っていなければ感染は爆発的に広がりうる。「死の舞踏」に関する一連の美術作品や、ボッカチオの「デカメロン」といった文学作品は、ペストの影響下に生まれたものである。シェイクスピアの「ロミオとジュリエット」でもペストが物語の重要な鍵を握っている。有形無形に人類に与えた影響が大きかった疾患である。 「結核」は、サナトリウム文学を思い浮かべれば明らかであるように、日本ではかなり最近まで流行していたといってよい。私事で恐縮だが、自分の父も学生時代に結核で入院し、一年留年することになったと聞いている(さらに、まったくの余談だが、そのため、1学年下だった母と知り合ったようで、結核がなければ自分は生まれていなかったことになる)。昭和30年代頃まではそう珍しいことではなかったのだ。近代以降、結核で亡くなった著名人の表があるが、圧倒される。ストレプトマイシンの普及、そしてBCG接種によって、一時は過去の病気となったが、近年、再び流行の兆しを見せている。芸能人でも発症した人が出て注目された。背景には、耐性菌の出現や、「過去の疾患」と捉えられていたがための見逃しがある。感染症を完全に押さえ込む困難さを感じさせる事例である。 感染症に対する恐怖は、「目に見えない」ことが大きいと著者はいう。「見えざるもの、汝の名は感染症」というわけである。 本書は、人類と感染症との長きにわたる攻防を、科学的な側面に加え、文化に及ぼした影響からも俯瞰する、手頃な1冊である。 人類が感染症に屈しないためには、世界的なネットワークや科学的知識に加えて、世界の平和が欠かせない。 小さな病原体が「生き延びよう」とする力はすさまじい。見えない敵にパニックにならないよう、冷静に協力していくことが、今後も起こるに違いない大流行に対処する鍵となるだろう。

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2015/02/28

著者の熱い思いが伝わってきてよかった。当時の人々にとって感染症の恐怖が現在と比べてどれほどのものだったかなんとなくわかった気がした。

Posted byブクログ

2014/11/06
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

歴史や文化の背景と絡めて、8つの感染症を語った本。科学的知識のみならず、著者の人文学的知識の幅が広く、読み物としてとてもおもしろかった。感染症が人類の歴史にいかに影響を与えてきたかを実感させられる。 天然痘の種痘を日本にもたらし、普及させるために奔走した日本人の話や、厚生大臣の迅速な決断から、ポリオの生ワクチンをソ連から緊急輸入し1300万人の小児に投与して、日本がポリオ根絶の世界のパイオニアとなった話など、感染症を食い止めるために働いた日本人が多くいることには誇らしい気持ちになった。(反対に、日本が世界に後れをとっているものもあり、残念な気持ちにもなったけど。) 「日本の科学者で知っている人というアンケートで、ダントツ一位が野口英世であるのは、日本の科学教育・科学ジャーナリズムの貧困を表している。」という言葉には考えさせられた。苦難の人生や人並み外れた努力の結果などにばかり注目し、科学者を『偉人』として崇め奉るのではなく、科学界への影響と貢献の大きさを冷静に伝えていくべきだと思う。 ヒトの肺の奥の一部に鳥型レセプターを持つ細胞があったために、鳥インフルエンザのH5N1型が、鳥型のレセプターを持たないはずのヒトにいきなり感染できたという事実はおもしろい。なぜヒトが鳥型レセプターを持っているのかには、進化学的な背景がありそう。(ちなみにブタは、鳥型もヒト型も持っているらしい。興味深い) 感染症対策には、専門家(スペシャリスト)の養成と、省庁の壁を越えた連携が求められる! 信頼の持てる公的機関が正確な情報をアナウンスすることで、人々の「得体のしれないもの」に対する不安感・恐怖感を軽減することが大切だということ。 来たる感染症パンデミックを前に、各メディアの冷静な対応を、お願いします。

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2014/10/05

感染症はなくならない。新たな病原菌が現れて、世界中に広がることが多くなった。 「ヒトは得体の知れないものに怯える」。 病原菌発見と撲滅の歴史である。 各章ごとに独立した内容であり、読みやすい。

Posted byブクログ