ニッポン・ポップス・クロニクル1969-1989 の商品レビュー
歌謡曲とポップスの境目が消えながらも違うものであり続けた20年間の音楽を巡る冒険。あるいはJポップという言葉が音楽を単一な産業にするまでの神話。誰かが書かなければ消えてしまうだろうニッポン・ポップスのヤオヨロズの神々たちの交わりが小さな記憶として積み重ねられていく記録です。教授と...
歌謡曲とポップスの境目が消えながらも違うものであり続けた20年間の音楽を巡る冒険。あるいはJポップという言葉が音楽を単一な産業にするまでの神話。誰かが書かなければ消えてしまうだろうニッポン・ポップスのヤオヨロズの神々たちの交わりが小さな記憶として積み重ねられていく記録です。教授と呼ばれる前の坂本龍一、シュガー・ベイブでさえない山下達郎、職業作曲家・筒美京平に恐怖を与えた吉田拓郎、まだ不定形の才能たちの創発が日本に新しい音楽を根付かせていきました。その連携のキーマンはトノバンこと加藤和彦と「細野ハウス」の細野晴臣だったことがいまさらながらにわかりました。さらに表に出るアーティストだけでなく、この本のもう一方の主役であるミキサーやディレクター、CMプロデュサー、FMのディレクターなど存在に光を当てているところが、この本を歴史書たらしめています。そういうものをひっくるめたポップス業界の青春時代と自分の青春時代を重ね合わせることの出来た著者の愛惜が満ち溢れています。
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牧村憲一が自分史を語ることで日本のポップ史を語る。アーティストたちのエピソードや音楽業界の内幕なども興味深いが、そんなことよりも、自分の好きな音楽たちが、この本を読むことで繋がっていくような気がした。
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