沈黙の殺人者 の商品レビュー

ダンディ・デイリーマコール【作】,武富博子【訳】

2024/02/29

もしかして！と思った登場人物がやはり犯人だった。ホープはhopeless じゃなくてhopefulな女の子で最高だった。空き瓶のお話も素敵だった。彼らは私たちと違う感覚を持って素敵な世界で生きているんだよね。本当に良い作品。

2018/09/24

あらすじ
アメリカの田舎町夏。16才少女のホープ。兄のジェレミーは、野球チームの監督を殺害した容疑で裁判にかけられている。自閉症？で、一切口をきかない兄を、弁護士と奔放な母親は、精神疾患で責任なしにしようとしている。ホープの親友JT、夏だけ保安官の父親のもとに来るチェイスとともに無実を証明しようとするが、無言電話がかかってきたり、母親の様子が明るみに出たりする。

　ヤングアダルトだけど、十分大人でも読める。ホープもチェイスも親が次々とパートナーを変えたり、無関心だつたり。むしろ養子のJTのほうが穏やかな家庭にいる。ホープとジェレミーの思い出や思いやりが間に挟まれているが湿っぽくならず温か。ラスト、ジェレミーの無罪を証明する、空の瓶たちには興奮した。

2017/09/19

主人公の一途さ、兄弟愛がとても良い。
犯人が気になり、一気に読んでしまう。
切ない結末ではあったが、希望を感じる結末だった。
このシリーズはどれも面白い！今後も継続して刊行してほしい。

2015/01/08

エドガー・アラン・ポー賞受賞作品。

ちょっと障害を持っていて、変わっているけど優しいお兄さんと、殺人容疑をかけられたそのお兄さんを助けようとする妹の話。

表紙の瓶が、話に出てくる瓶と違うのがいただけない(作中の瓶は、ピクルスやジャム、薬の瓶)が、全体的にうまくできていて、この手の作品にありがちなエグ過ぎない点もよかった。

英米ヤングアダルトものらしく、男女交際の場面も出て来るので、高校生以上にお薦めしたい。

2014/06/04

野球チームの監督を殺害した容疑で裁判にかけられるジェレミー。―あのやさしい兄が人を傷つけるなんて、ありえない!妹のホープだけは無実を信じているのだが、事件について、兄はひとことも話そうとしない。「お願い、ジェレミー、やってないって伝えて!」―2012年エドガー・アラン・ポー賞(YA小説部門)受賞。

2013/07/31

アスペルガー症候群の兄・ジェレミーが、大好きな野球チームのコーチの殺人犯として逮捕された。ジェレミーは、ずい分前から言葉を発していない。妹のホープは、ジェレミーの無実を信じて、真犯人を突き止めようと画画策する。親友のＴＪ、あこがれていた保安官の息子・チェイス。二人の協力のもと、ジェレミーの無実を証明しようと奔走するホープ。そして真実…。

自由奔放な母・リタ。真面目な保安官のチェイスの父親、ジェレミーを弁護する才能ある弁護士。様々な思いの大人たち、兄の障害に対する無理解の中奮闘するホープ。そして真犯人。
エドガーアランポー賞は、いつも興味ある作品を選んでいるように感じる。

2013/06/05

十年前から言葉を話さなくなった兄が、殺人容疑で裁判にかけられます。
その無実を信じている妹がなんとかして兄を助けたいと
行動を起こすにつれて、いろいろな事実が出たり、
事件がおこったり、友情が愛情が・・・という話にもなったり
とにかく、くるくると物語が展開していくので
とても面白かったです。
瓶の話しには、日常に対する愛があふれていて
涙が・・・。

2013/04/27

殺人の嫌疑がかけられた兄を守るために、妹が事件の謎を明かすミステリ。
作中はっきりとは断言されていませんが、おそらく兄のジェレミーは自閉症の類であり、そんな兄を守るために妹のホープは兄が正気ではないことを証明し、責任能力が無いため無罪にするという方針で弁護士と共に戦うことになります。
しかし、ホープ自身は兄が普通とは少し違っていても、正気ではないなどとは思っておらず、殺人を行ってもいないと信じています。
そのために、敏腕検事に法廷で追いつめられたり、母を疑うことになったり･･･と苦しみます。
法廷を舞台にしたミステリものは（特に児童書で）海外ものならではというか、日本ではほとんど見たことがない気がします。
捜査の過程や友情、恋愛の部分もなかなか面白く、最後の証拠品とそれがもたらすどんでん返しは、感動します。
ミステリであり青春ものであり、家族愛の物語です。
海外ミステリーＢＯＸシリーズは、外れが少ないなとあらためて思いました。