ボスニア紛争報道 の商品レビュー
前半は理論、後半は事例研究という構成になっている本書。 言語学や社会学、そして翻訳学などの素養はないけれど、ボスニア内戦報道についての話に興味があって読みました。 ボスニア内戦自体のことから、いろいろな主体のボスニア報道の様子までコンパクトにまとめてあり、分かりやすい。 本書を...
前半は理論、後半は事例研究という構成になっている本書。 言語学や社会学、そして翻訳学などの素養はないけれど、ボスニア内戦報道についての話に興味があって読みました。 ボスニア内戦自体のことから、いろいろな主体のボスニア報道の様子までコンパクトにまとめてあり、分かりやすい。 本書を通じて訴えれているのが、翻訳行為が必ずしも「等価」ではない、ということ。間に介在するさまざまな人物や、社会情勢などさまざまなファクターが翻訳に影響を与えているということがよく分かった。後半の事例研究では、そのことがとても明瞭にわかって興味深かったです。 いつも原典にあたる、ということは不可能だと思うけれど、単純な1対1の翻訳と言うのは基本的にありえないということを念頭に、翻訳メディアの意図とか情報源について考えながら国際報道等に接していきたい。
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