水の手紙 の商品レビュー

井上ひさし【著】,萩尾望都【絵】

2013/07/18

世界の色々な地域から「地球」「水」にかかる異変についての報告が手紙という形で山形に届く。
水は、雨となって地に降り注ぎ、地上を潤し、川となって海に流れ込み、また空へと戻っていく。
その、大いなる循環を、人間が妨げている。植物も、動物も、そして私たちの身体は水でできているのに。人間は循環を妨げ、自分たちの利益のために水を使い尽くしてしまい、その循環を断ち切る。
本書は、2003年10月「国民文化祭　やまがた・2003」の開会式で群読された内容に、萩尾望都が書き下ろしのイラストを加えたもの。
群読の舞台の脚本としてだけでなく、書籍として読みこむことができる。
小学校高学年ぐらいの子供がいたら、読ませてあげたい。また、群読という形で表現したら、彼らのあたまにどんなことが残るのか．．．
2013年　原発事故後の日本では、原発を冷却するために使用した水は汚染水として地球の循環から完全に切り離される。そして、その水は循環に戻ることはない。