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古事記の宇宙 の商品レビュー

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2023/07/06

『古事記』に登場する神々と自然について広くとりあげ、著者自身の考えをつづっている本です。 本書の執筆にあたって著者が参考にしたのが、中国文学者の福永光司と人類学者の岩田慶治の二人のしごとだということが、「あとがき」で述べられています。とくに『古事記』の神々と天地の見かたについて...

『古事記』に登場する神々と自然について広くとりあげ、著者自身の考えをつづっている本です。 本書の執筆にあたって著者が参考にしたのが、中国文学者の福永光司と人類学者の岩田慶治の二人のしごとだということが、「あとがき」で述べられています。とくに『古事記』の神々と天地の見かたについては、老荘思想の影響があることが指摘されています。また、アニミズム的な発想を『古事記』の解釈に生かしつつ、『古事記』の自然観について掘り下げて考察が展開されています。 また、「本書の構成は、ある種博物誌のような体裁をとっている」と著者が述べるように、「海」「山」「植物」「鳥」といった項目が、もくじにならんでいます。著者は、『古事記』のなかにそれらの事物がどのようなしかたで登場するのかということを紹介し、人類学的なアプローチに近い方法で『古事記』の内容を解き明かそうとしています。 こうした構成の本なので、読者の関心におうじて、それぞれが興味のもつ部分を拾うような読みかたが可能です。ただし、「古事記の宇宙(コスモス)」というタイトルから、『古事記』の世界観についての包括的な議論がなされていることを期待する読者がいるかもしれませんが、そうした期待を満たす内容とはいいがたいように思います。

Posted byブクログ

2013/05/23

海や山、鳥、植物など古事記に登場する自然と神との関係について述べた本。古事記を歌劇と捉える著者の主張は、興味深く、同時期に編纂された日本書紀との関係性もはっきりするように思う。

Posted byブクログ