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ミンナ の商品レビュー

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細部描写にひきつけられる

アマゾン等の紹介文とは、全然違う本。とても読みやすく、わかりやすい文章で、読者の心に入り込んでいく。ユーモア、サービス精神もたっぷりだ。 私はこの小説で、歴史年号や、山上憶良の歌を復習した。 14歳の少女夏実が姉のミンナのことを話す。夏実は入院していて、カウンセリングを受...

アマゾン等の紹介文とは、全然違う本。とても読みやすく、わかりやすい文章で、読者の心に入り込んでいく。ユーモア、サービス精神もたっぷりだ。 私はこの小説で、歴史年号や、山上憶良の歌を復習した。 14歳の少女夏実が姉のミンナのことを話す。夏実は入院していて、カウンセリングを受けているらしい。いわゆる思春期病棟のような設定なのかもしれない。 大好きなミンナへの思いが、妹夏実の世界をつくっている。しかしミンナは・・・ 少女が大人になるための重要な通過点をとらえた作品。帯文に書かれているように、 本当に、 「全ての姉、妹、そしてその親たちに」捧げられた小説だと思った。

弓子

2013/11/14

women's action networkというNPO(理事長 上野千鶴子)のHP内の B-WAN「著者・編集者からの紹介」という欄で、作者片山かなみ自身が、「マルグリット・デュラスの影響を受けている」と語っているが(女優の秋吉久美子氏に指摘されたそうだ。秋吉氏は知る...

women's action networkというNPO(理事長 上野千鶴子)のHP内の B-WAN「著者・編集者からの紹介」という欄で、作者片山かなみ自身が、「マルグリット・デュラスの影響を受けている」と語っているが(女優の秋吉久美子氏に指摘されたそうだ。秋吉氏は知る人ぞ知るインテリ、大読書家である)、それは私も感じた。 デュラスの世界観で、最も重要なのは「他者はわからない」ということである。 他者を理解しようなどとは思わない。「わからない」という普遍的認識でつながりあうだけ。 その姿勢が、この作品にもあらわれている。 これはニヒリズムではない。そういう大前提で、「個人」が「世界」を生き抜かなければならないのが「人生」であるということ。 すごく強い人である。このまま消えることは絶対にない作家。

Posted byブクログ