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新薬アクテムラの誕生 の商品レビュー

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4件のお客様レビュー

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2024/06/16

日本初の本格的交代医薬品の成り立ちを当事者が述べる。30年前から、立ち消えになりそうになりながらも、実証の裏付けを持つ大阪大学との協業を背景に、中外製薬のエポジン導入の成功の後にバイオ医薬の知見を得て、本格開発に乗り出し、成功させる。

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2018/10/28

【由来】 ・図書館の岩波アラートで 【期待したもの】 ・関節リウマチなど、自己免疫疾患の治療薬アクテムラ。なぜ化学製剤でなく抗体なのか。 【要約】 ・ 【ノート】 ・

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2014/04/01
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

ここ10年で関節リウマチ治療は、著しく改善し従来の治療目的は「痛みを和らげる、関節破壊を遅らせる」であったが現在「関節破壊を止める」ことが目標。 このお薬もそうした中で生まれてきた患者にとっては福音でもある。 研究者たちのご努力によって生まれてきたお薬の経由が分かり勉強になった。 あくまで研究者向けの本ではあったが、分かり易い本であり、手にできて良かった。

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2013/06/04

<国産初の抗体医薬品が生まれるまでのジグザグの道> アクテムラ(物質名:トリシズマブ)は関節リウマチ等に効果を示す薬品である。日本で開発された抗体医薬品としては第一号になる。中外製薬が開発に当たった。 抗体は、抗原に対して免疫系が作り出すものであり、標的に対して高い特異性を示...

<国産初の抗体医薬品が生まれるまでのジグザグの道> アクテムラ(物質名:トリシズマブ)は関節リウマチ等に効果を示す薬品である。日本で開発された抗体医薬品としては第一号になる。中外製薬が開発に当たった。 抗体は、抗原に対して免疫系が作り出すものであり、標的に対して高い特異性を示すことが利点である。この抗体を利用した抗体医薬品は、特異性が高いために副作用が低いと期待されるが、大量投与する必要があるため、産生に掛かる費用が多額となることや、種特異性の高さから動物実験を組むのが困難であることなどの難点もある。 本書は、炎症に関与するインターロイキン6(IL-6)を標的とするアクテムラがどのように開発され、どのような経緯で関節リウマチ薬として承認されたかを、研究開発者の視点から語っている。 その道筋は紆余曲折。 自己免疫疾患の作用機序はどのようなものか。 原因物質として何を標的とするか。 候補物質としてどのような種類の物質を探索するか。 免疫系の研究の進展とともに、著者や共同研究者の方向性も変わり、最終的に炎症性サイトカインの1つであるIL-6に対する抗体医薬品にたどり着く。 その間には、大学との共同研究、世界的大製薬企業の傘下への参入などがあり、いずれも結果的にプラスと働いた。 いささか専門用語が多いので、畑違いの人が読むのはやや困難かもしれない。用語の解説がある部分はわかりやすく丁寧だが、用語の取り上げにムラがあるし、索引もない。免疫や免疫周辺の分子生物学を多少知っていないと、この本だけで理解するのはちょっと難しいように思う。 将来研究者を目指す学生が主な想定読者のようである。 研究開発内部から、ジグザグの道のりを描き出した本書は、一度や二度うまくいかなくてもこういう風にゴールにたどり着くこともあるという一例として、若い人を力づけるものでもあろう。 *著者による産学官ジャーナル記事。 http://sangakukan.jp/journal//journal_contents/2013/04/articles/1304-02-3/1304-02-3_article.html 本書の内容にほぼ沿っているようだ。 *もっと柔らかく、ざっくりと抗体医薬品を解説した中外製薬による抗体医薬品についての解説ページ。 http://chugai-pharm.info/hc/ss/bio/antibody/index.html 「幸田井(こうたい)ワカル」先生(^^;)がアニメーションで楽しく解説してくれます。 *IL-6に対する低分子阻害剤が見つからない理由として、IL-6とIL-6受容体の間の結合面積が広いという話はおもしろかった。なるほど、広い範囲を低分子でカバーするのは難しいだろう。

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