役たたず、 の商品レビュー
20130414 タイトルに惹かれて買ってしまった。生きてくのに、役、は関係ないという事が感じられて読んでいて共感できる事が多かった。小説も今度読んでみるか。
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+++ だいじなことは、役にたたない。そして一見、役にたっているようにみえるものも、ひと皮むけば役たたず。役にたつことばかりしていると、暮らしも人も、痩せていく―。古風な下町感覚の文章を書きファンの多いエッセイストで、ここ最近は小説家としても頭角を現している石田千が、日常のなかで...
+++ だいじなことは、役にたたない。そして一見、役にたっているようにみえるものも、ひと皮むけば役たたず。役にたつことばかりしていると、暮らしも人も、痩せていく―。古風な下町感覚の文章を書きファンの多いエッセイストで、ここ最近は小説家としても頭角を現している石田千が、日常のなかで綴った「役たたず」の視点からの風景。二年あまりにわたる連載の途中では、大震災が起き、そのときの空気感も文章としてリアルに切り取られている。相撲好き、競馬好き、ビール好きの「町内一のへそまげちゃん」が、だいじにしたいもの。へなちょこまじめ日常記。 +++ タイトルの最後の「、」が味わい深い。役たたずと自認していても、どんな些細なことでも、何かしらことを起こせば、まわりまわって何かしらの役に立つことになる、という含みが「、」に込められているように思えてならない。いつも通りの決して優等生ではない、むしろ同じ場所で足踏みしてばかりいるような親しさで、ぽつりぽつりと語られることに真実が感じられる。震災後のあれやこれやに、珍しく憤りをあらわにする様にも頷きたくなる。隣にいるような体温を感じられる心地の一冊である。
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