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和紙作家 堀木エリ子の生きる力 の商品レビュー

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2013/07/18

 堀木さんの講演を伺ったことがあります。スピード感と、あふれるパッション。笑いあり、涙あり、思わずぐいぐい引き込まれていきます。1時間だったか1時間半程度の講演で、殆ど1から4章のお話を、一切の無駄もなく、でも印象的にお話してくださいます。本当に不思議な方です。  そして、威圧...

 堀木さんの講演を伺ったことがあります。スピード感と、あふれるパッション。笑いあり、涙あり、思わずぐいぐい引き込まれていきます。1時間だったか1時間半程度の講演で、殆ど1から4章のお話を、一切の無駄もなく、でも印象的にお話してくださいます。本当に不思議な方です。  そして、威圧感はないのだけれど、話を聞いているうちに思わず、背筋がしゃんとしてしまいます。話を聞いた皆、「あぁ、素敵な人だったね」と合意します。  彼女が和紙に魅せられた経緯も素敵です。「およそ日常生活からかけ離れた状況の中で、紙漉きという営みが1500年の間続いてきたということに衝撃を受けたのだ」という文章がありますが。それを語る彼女は、まさに冬の寒い時期、手を真っ赤にして働いていらっしゃる風景を、私の目の前に生き生きとひろげてくださったのでした。  つまり、彼女は、和紙職人でもありながら、語り部なのです。彼女が作った作品には、その作品のすばらしさとともに、和紙を作る紙がかった営みに思いを馳せることができるという特典までついています。彼女が、最初に、「この営みを残したい」と思ったそのものなのだと思います。  読後ですか?「覚悟が足りない」と、堀木さんの声が聞こえてきそうです。帯にも書かれていますが「天職は、見つけようと思って見つかるものでもなければ・・・・ 一生この仕事を行うと決心し、覚悟することが、転職につながるのだと思う。」と。私は迷って、ぐちぐちいってばかりなので~。  厳しい言葉のようだけれど、誠実に彼女が人生と向き合ってきたのだなということを感じます。若いうちから3000万円の借金を背負ってもこの事業を続けて黒字に転じさせたこと、学歴の問題、みんな覚悟さえあればできるんですよという彼女の証明してきたことなのだと思います。  更に、最終章の話、女性であることによるバリア、それから、病気の話は、初めて伺いました。彼女自身が、生き様という言葉を使っていますが、彼女の生き方が芸術作品のようにもみえてきます。女性であること、病気をしている自分にも、共感できる部分もあります。足元にも及びませんが、せめて一日一日を大事に生きなければ・・・とあらためて気を引き締めました。

Posted byブクログ