ブランコ乗りのサン=テグジュペリ の商品レビュー
「ブランコ乗りのサン=テグジュベリ Ⅰ」 舞台で舞っているのは。 知識すらないまま本番ばかり頑張っても、失敗しないように必死で貼り付けた笑顔も見てて楽しくないのではないか。 「ブランコ乗りのサン=テグジュベリ Ⅱ」 軽率な行動が生んだ事。 見つかった喜びで警戒心が緩んだのか、元...
「ブランコ乗りのサン=テグジュベリ Ⅰ」 舞台で舞っているのは。 知識すらないまま本番ばかり頑張っても、失敗しないように必死で貼り付けた笑顔も見てて楽しくないのではないか。 「ブランコ乗りのサン=テグジュベリ Ⅱ」 軽率な行動が生んだ事。 見つかった喜びで警戒心が緩んだのか、元より何も考えていないのか分からないが連れ去られるのも仕方ないだろう。 「猛獣使いのカフカ」 笑顔を託して買われた。 演目の時だけ変化するような中途半端な事をせず、人生の全てをかけていたからこそ異常なほど完璧だったのかもな。 「歌姫アンデルセン」 見世物にも意思がある。 強い想いをもって立ち続けているからこそ、ちょっとやそっとじゃ簡単には折れない心を持つ事ができるのだろうな。 「ブランコ乗りのサン=テグジュベリ Ⅲ」 動かぬのなら捨てゆく。 焦って答えを出さなければいけないわけでなく、時間をもらう事が出来たからこそ覚悟を決めることが出来たのだろ。
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不完全であれ。未熟であれ。不自由であれ。今この一瞬を美しく生きる少女たちのサーカス。 負傷した双子の姉の身代わりにブランコに乗る少女。自らの居場所をイバラの中から掴み取るような痛みと美しさ。ああ確かにこれは最強の少女小説。
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少女サーカス団でトップに立ち、そのポジションを守り抜くことの心の強さや葛藤。 そして闇の部分も多くあり。 とても面白かった。
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猛獣使いのカフカが一番美しい サーカスを見たことはないけれど、サーカスのテントの中には異界が詰まっているのだろうなと思います 縦も横もなく伸びきってたわんでしまった、 緩慢な死と 歯にくっつくような退屈さが入り混じって、 時々火花のように神々しく煌めくのでしょう
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大好きです。 少女サーカスを舞台にした連作短編集。少女たちの未熟さと矜持といった危うく繊細な思いが全面に描かれている作品。 その中心にいるのは怪我をした双子の代わりを務めるブランコ乗り。 彼女を中心にサーカス団のそれぞれの物語が強烈に描かれていました。 ブランコ乗りのサンテグ...
大好きです。 少女サーカスを舞台にした連作短編集。少女たちの未熟さと矜持といった危うく繊細な思いが全面に描かれている作品。 その中心にいるのは怪我をした双子の代わりを務めるブランコ乗り。 彼女を中心にサーカス団のそれぞれの物語が強烈に描かれていました。 ブランコ乗りのサンテグジュペリ。 猛獣使いのカフカ。 歌姫のアンデルセン。 パントマイムのチャペック。 団長シェイクスピア。 なんとも魅力的な名前が並ぶますが、 チャペックがとても良いです。
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雨の休日に読むにはちょうどいい、刹那的で儚い、けれどちょっと優しい気持ちになれるような良い本でした。 お台場っぽい雰囲気の経済特区に、公営カジノの客寄せとしてできたサーカス。その担い手たちの物語。タカラヅカを彷彿とさせるようにサーカスは少女だけで構成されていて、ご丁寧に養成所と...
雨の休日に読むにはちょうどいい、刹那的で儚い、けれどちょっと優しい気持ちになれるような良い本でした。 お台場っぽい雰囲気の経済特区に、公営カジノの客寄せとしてできたサーカス。その担い手たちの物語。タカラヅカを彷彿とさせるようにサーカスは少女だけで構成されていて、ご丁寧に養成所としての学校も併設。ドロドロとした女社会や賭博黙示録的な世界の空気を含みながら、各キャラクターをテーマとした5編の短編は一定の方向性を形作って進んでいきます。 少女マンガ的な濃密な人間の交わりや、戯曲的なセリフ回し(と、あと登場人物のネーミング)には圧倒されるところがない訳でもないですが、この大掛かりな舞台装置のおかげか、そこまで違和感は感じずに読み進められました。怪しげな乾いた都会の夜の空気感は、映像でイメージできてしまうほど。 結末はありきたりなハッピーエンドではなく、とは言えだからこそ納得できるもの。 懸命に生きていきたい、と思った今年50冊目でした。
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あまり読まないタイプの小説だったが、面白かった。独特の世界の描き方でしたが、しっかり世界に入れました。
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普段読まないタイプの本だけど頂きものでトライしてみた。 ファンタジーとリアルが半々くらい。 アンデルセンの話が一番好きだった。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
意外な結末だったかな。最後をそんなに想像していたわけではないけど、まさかの二人の選択でした。いやしかし、その後がすっごい気になるんだけど、少女サーカスのその後が。そして、アンソニー・ビショップとの旅はどうなるのか。片足のブランコ乗りはどうなるのか。どういう最期を迎えるのか。 「ミミズクと夜の王」が良くて、こちらにも手を出してみました。もっとファンタジーな世界かと思ったらまさかの現代劇。時代感はほぼ現在。そこからもびっくりしたけど(笑) サーカスという閉じた空間での、若くしてプロフェッショナルとなった少女たちの成長譚・群像劇とでも言いましょうか。それぞれの生き様,覚悟が良かった。プロとしての覚悟、激しい競争社会の中だからこその、選ばれた者だからこその立ち居振る舞い。ブランコ乗りの片岡涙海と片岡愛涙が主人公ですが、間に入ったカフカこと庄戸茉鈴とアンデルセン花庭つぼみの話も良かった。チャペックの「もしもの時はあの子を守ってね」が最後に繋がるのも感動的ですらあった。 そして涙海の独白がね。ビデオを見るシーンとか。誰にも自分の代わりはできないと思いながら日々頑張っているのに、やすやすと代わりが活躍するのを見るなんて。マンガ「累」の丹沢ニナみたいなね。とてつもない絶望感だと思う。しがないサラリーマンですが、代わりの利く身ではありますが、それでも自分にしかできないと思いこみながら、自分をだましながらやっているので、ここら辺の表現は結構グサグサ刺さるモノがあったなあ。あと「より目の粗い篩」という表現もなかなか。細かい、細い道をすり抜けるのではなく、「粗い目でも残る」という表現がなんだか面白かった。「生きているだけで毎日目減りしていく若さという財産。」確かにそうだが、こうもバッサリ書いちゃうとは。「不完全であれ。未熟であれ。不自由であれ。」というのも面白い表現だよねえ。よくこんなセリフが思いつくよなあ。男共もなかなかの役者ぶり。アンソニーに王小義。ここらへん、やっぱり女性作家は男共がカッコ良すぎて。 最近、文庫版が出たみたい。表紙が違う・・・。文庫版の表紙の方がアンデルセン,カフカ,チャペックも出ていてイメージ良いなあ。 あとがきなかったけど、電子書籍だから?紙の方にはあるのかな??最近、電子書籍不信だからなあ。「ミミズクと夜の王」のあとがきにある「私安い話が書きたいのよ」とは一味違うほろ苦な感じ?でも、なんか優しさを感じる本でした。紅玉いずきさんの他の本も読んでみたくなりましたよ。 こりゃ「夜間飛行」も読まないけませんな。
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胸の高鳴る、こうだったら良いという願望とか夢を本で得られ、リアルなファンタジー、現実逃避で飛び込みたくなるような素敵な世界でした。サーカスと少女の組み合わせって素敵。ペチャック欲しい!日本の閉鎖的な特区の中の少女サーカスという小さな世界で生きる少女たちの狂気的とも言える情熱、決し...
胸の高鳴る、こうだったら良いという願望とか夢を本で得られ、リアルなファンタジー、現実逃避で飛び込みたくなるような素敵な世界でした。サーカスと少女の組み合わせって素敵。ペチャック欲しい!日本の閉鎖的な特区の中の少女サーカスという小さな世界で生きる少女たちの狂気的とも言える情熱、決してそんな風にはなれないと思いながらも羨ましいと思う。面白かった。
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