戦後日本の国家保守主義 の商品レビュー
内務省(元)・自治省の幹部クラスの人事データをもとに彼らの異動ルートや政界への転出、天下りの状況について記したもの。 政府内のポストで旧内務省系の人物が就任するという慣行で戦後に確立したものが幾つかあるのが興味深かった。また、事務担当の内閣官房副長官は、意外と内務省系とも限らない...
内務省(元)・自治省の幹部クラスの人事データをもとに彼らの異動ルートや政界への転出、天下りの状況について記したもの。 政府内のポストで旧内務省系の人物が就任するという慣行で戦後に確立したものが幾つかあるのが興味深かった。また、事務担当の内閣官房副長官は、意外と内務省系とも限らないし、戦後初期は政治家への登竜門としての色彩が強かったのは面白かった。 ただ、本書は全体的に、情報量の割に深い分析や含意が見えて来なかった。
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石原信が内閣官房副長官を退いて1995年に鈴木の後継を狙って都知事選に出たが青島幸雄に敗れたのは、大物自治官僚が知事をする時代の終焉だった。 戦後の焦土の中から旧内務官僚が目指した国家機構の権威の再建は1970年代後半までに一定の成果をあげた。
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戦後日本の支配構造を支えた者たち、その軌跡をたどり、国家保守主義の転換を描く。 明治から昭和戦前期まで,大蔵官僚と並んで権威を誇った内務官僚は,敗戦により内務省が解体された後も,自治省などの後継官庁で生き延び,日本の支配を担ってきた.彼らは,現役時代は国家の中枢を支え,「天下り」後は「国家の触手」として社会に働きかけた.内務・自治官僚たちの思想と行動から,日本の支配構造に新たな光を当てた画期的著作。(2013年刊) ・はじめに ・第1章 内務官僚の系譜 ・第2章 中央・地方政治への転身 ・第3章 戦後の準国家機関の再生 ・第4章 準国家機関の増殖と天下りの拡大 ・おわりに ・人名索引 期待していたほど面白くなかった本。第1章、第2章ともに良く調べてはあるが、目新しさは感じなかった。第3章は面白い。天下りポストを分析し、官庁所管の法人を準国家機関として位置づけ分析を行っている。第4章は単に天下り批判にとどまっている感じがして不満がある。 おわりには、読んでいて意味がわからなかった。各章をまとめると、このような結論になるのだろうか。著者の言わんとしている事はわからないでもないが、結論が飛躍しているきらいがある。 押さえなければいけない文献が、押さえられていないと思われる部分もあり、画竜点睛を欠いた感じがする。
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