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愛されたもの の商品レビュー

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7件のお客様レビュー

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2023/09/09

仕掛けが多いのでできるなら最初の方を忘れないよう一気に読んだ方がいい。グロテスクな話を事務的に処理してゆく葬儀屋の場面では別役実の戯曲を思い出し、新聞の悩み事相談は『孤独な娘』を思い出した。註釈がネタバレっぽいのがやや不満か。

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2022/08/13

今日、死んでる蝉を道中で見た。 ぴったり寄り添ったまま二匹で死んでた。 互いの肩で眠るように頭をくっ付け合うその姿が、何だかどうしても羨ましかった。

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2013/10/24

高度な遺体修復術に、どんな死に方でもお任せください――ハリウッドの葬儀産業を舞台に、詩人の卵・遺体化粧師・修復師が繰り広げる〈愛〉の物語。「神経のタフな読者へ」とウォー(1903-66)が贈る「死を忘ることなかれ(メメント・モリ)」は、暗喩と引用を巧みに織り込み、鋭いユーモアの奥...

高度な遺体修復術に、どんな死に方でもお任せください――ハリウッドの葬儀産業を舞台に、詩人の卵・遺体化粧師・修復師が繰り広げる〈愛〉の物語。「神経のタフな読者へ」とウォー(1903-66)が贈る「死を忘ることなかれ(メメント・モリ)」は、暗喩と引用を巧みに織り込み、鋭いユーモアの奥に深い余韻を残す。

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2013/06/14

イーヴリン・ウォー の作品を読める幸せ! 主要登場人物のひとりである詩人でペット葬儀社に勤務するデニス・バーロー。彼の残虐な愛(というか愛していない)と、“人の死”を極上にセレブレイトする「囁きの森」の遺体修復師ジョイボイ氏の見せかけだけの愛、そして、哀れな化粧師エイミー・サナ...

イーヴリン・ウォー の作品を読める幸せ! 主要登場人物のひとりである詩人でペット葬儀社に勤務するデニス・バーロー。彼の残虐な愛(というか愛していない)と、“人の死”を極上にセレブレイトする「囁きの森」の遺体修復師ジョイボイ氏の見せかけだけの愛、そして、哀れな化粧師エイミー・サナトジェナスの未熟な愛—— 主要登場人物三人の愛は、果たしてどこに向けられたものだったのか? 『愛されたもの』とはとんでもなく皮肉なタイトルなんじゃないだろうか? あまりに救いのない物語に対して、光景や場面描写の美しさがかえってグロテスクに思えてくる。 ペットと人間の違いこそあれ対照的な二つの葬儀社の、そこで働く従業員の人となりを通じて浮き彫りになるのは、当時の英米の社会構造の対比? 宗教的な意味合いについては、残念ながらあまりよく理解できないけれど……。 「メメント・モリ」が、上皮を一枚ひっぺがされることと同義とは思わなんだ(笑)

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2013/05/04

葬儀屋の女性に英国人の青年が恋をし、そこからスラップスティックな展開が繰り広げられる。登場するのは死を扱う職業の人物ばかり、且つ作中で亡くなる人や動物もいるのだが、そこを笑いに変えてしまうユーモアはいかにも英国である。例えば、ヒロインの女性の名前は"Thanatogen...

葬儀屋の女性に英国人の青年が恋をし、そこからスラップスティックな展開が繰り広げられる。登場するのは死を扱う職業の人物ばかり、且つ作中で亡くなる人や動物もいるのだが、そこを笑いに変えてしまうユーモアはいかにも英国である。例えば、ヒロインの女性の名前は"Thanatogenos"。これはギリシア語で「死」を意味する"Thanatos"からとっているようであり、作者の遊び心が感じられる。 原題は"The Loved One: An Anglo-American Tragedy"であるが、"Tragedy"と"Comedy"の折衷である"Tragicomedy"のほうが適切かもしれない。 ハリウッド映画の黄金期(スタジオ・システムが活発な時代、名作が大量生産された)の終焉の頃に書かれた作品で、アメリカの商業主義を痛烈に批判をする一方、そんなアメリカへの憧れも感じられる。解説によると英国のオリエンタリズムの対象が東洋からアメリカに移行したということらしい。 アメリカ滞在の際、そこでの待遇に不満を持ったウォーのMGMへの違和感が1948年頃からのスタジオ・システムの終焉に影響した(?)と考えるのは深読みのしすぎかも知れない。(因みにこの作品の初出は1948年。) メメントモリというと、17世紀のフランドル絵画に頻出の骸骨を思い出すばかりである。

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2013/05/08

葬儀屋の女性が壇蜜に脳内変換。黒い髪、赤い唇。 光文社訳は親切丁寧ライトにわかりやすく、岩波の訳は上品で格調高い。岩波のほうが好み。

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2013/03/21

光文社古典新訳文庫からも同じものが『ご遺体』のタイトルで出ている。 読み比べてどちらが好きかというと、岩波だなぁ。

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