タックス・ヘイブン の商品レビュー
タックスヘイブンについては、なんとなく「ケイマンのことでしょ。んで、そこをなんかうまく使って税金の支払いから逃れるんでしょ」ぐらいの認識であったが、果たしてその通りだった。 ただ、ケイマン以外にもタックスヘイブンは様々なところに存在していることがわかったと同時に、シティの連帯感や...
タックスヘイブンについては、なんとなく「ケイマンのことでしょ。んで、そこをなんかうまく使って税金の支払いから逃れるんでしょ」ぐらいの認識であったが、果たしてその通りだった。 ただ、ケイマン以外にもタックスヘイブンは様々なところに存在していることがわかったと同時に、シティの連帯感やマネロンがどのように起こっているかもかいつまんでおり、内容が多岐に亘って面白かった。 ただ、筆者の半ば自慢話のようなものも混じっていて、ややぼやけている感じも否めない。もっと絞って書いてくれた方がありがたかったなと思う。 そしたらそんなに面白くはなかったかもしれないけれども。
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国際税務の最前線で活躍されている志賀先生でしか書けない内容であり、読み応えあり。本当に興味深い内容であった。ヘッジファンドをギリシャ神話の怪獣ヒュドラに喩えるあたり、知識の深さがうかがえる。国際税務の一般的な知識を仕入れたい方は本書からどうぞ。
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目次 1タックスヘイブンとは何か 2逃げる富裕層 3逃がす企業 4黒い資金の洗浄装置 5連続して襲来する金融危機 6対抗策の模索 タックスヘイブンとは、税という望ましくない負担から免れたいという人間の本質的な欲求から生じたもの 国家同士の税の取り合い 規制と抜け道の矛盾 ジ...
目次 1タックスヘイブンとは何か 2逃げる富裕層 3逃がす企業 4黒い資金の洗浄装置 5連続して襲来する金融危機 6対抗策の模索 タックスヘイブンとは、税という望ましくない負担から免れたいという人間の本質的な欲求から生じたもの 国家同士の税の取り合い 規制と抜け道の矛盾 ジニ係数、移転価格税制 所得税か消費税か、どちらを根幹に据えるか
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2度読めば、より理解が深まる。 ①まともな税制がない ②固い秘密保持法制がある ③金融規制やその他の法規制が欠如している 「1998年4月OECD「有害な税の競争」報告書の概要」 https://www.nta.go.jp/kohyo/katsudou/shingi-kenky...
2度読めば、より理解が深まる。 ①まともな税制がない ②固い秘密保持法制がある ③金融規制やその他の法規制が欠如している 「1998年4月OECD「有害な税の競争」報告書の概要」 https://www.nta.go.jp/kohyo/katsudou/shingi-kenkyu/shingikai/010409/shiryo/p23.htm 「国際的に合意された租税の基準の実施状況についての進捗報告書」 http://www.sangiin.go.jp/japanese/annai/chousa/rippou_chousa/backnumber/2010pdf/20100901016.pdf ①椰子の茂るタックスヘイブン ②群小のオフショア金融センター オーストリア、ベルギー、ルクセンブルク、スイス ③ロンドンとニューヨーク
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2013.9.2.pm4.24読了。天気は雨。図書館本。買っても良かったかなと思う。再読も視野に。消費税の増税は基本的に賛成だった。借金が多く、歳入も足りないのなら仕方ないと思ったからだ。しかし、その考え方は浅はかだった。経済にこんな根深い問題があったとは。経済について何も知らな...
2013.9.2.pm4.24読了。天気は雨。図書館本。買っても良かったかなと思う。再読も視野に。消費税の増税は基本的に賛成だった。借金が多く、歳入も足りないのなら仕方ないと思ったからだ。しかし、その考え方は浅はかだった。経済にこんな根深い問題があったとは。経済について何も知らない私にとっては驚きの内容だった。専門用語は多い。けれども、解説がとてもわかりやすいので読みやすい。中学・高校時代、現代社会をもっと真面目に勉強しとけば良かったと少し後悔。金融や経済のしくみについて興味が出てきた。関連本をあさってみよう。以下印象に残った言葉。 『金融は経済の血液である』p225 『税は文明の対価である』p224
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題名の通り、タックスヘイブン・いわゆる租税回避行為の現状について分析、実態を紹介している。ヘッジファンド規制だけでは片手落ちで、このタックスヘイブンとみなされている国・地域も徹底的に規制しないと駄目なんだろうなあ、と思った。税の世界と金融の世界が混ざり合った印象。英国やスイスなん...
題名の通り、タックスヘイブン・いわゆる租税回避行為の現状について分析、実態を紹介している。ヘッジファンド規制だけでは片手落ちで、このタックスヘイブンとみなされている国・地域も徹底的に規制しないと駄目なんだろうなあ、と思った。税の世界と金融の世界が混ざり合った印象。英国やスイスなんかはしたたかそうだな・・という印象。米国は対外的には規制を厳しくするのだろうけど、そういいつつ国内法(州法)なんかはこっそりゆるいからね。 業務にも参考になりそう。
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これは啓蒙書だな、と。 タックスヘイブン、言葉と南国のイメージだけが先行していて、その有害さを知らずにいたけれど、これは金融を駄目にする癌なんだな…。
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多国籍企業の租税逃れが話題になっているので読んでみました。新聞を読むための基礎知識となります。マネロンについても少し記述があります。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
志賀櫻『タックス・ヘイブン 逃げていく税金』岩波新書、読了。納税回避や帳簿偽装の利用される租税回避地。本書は財務官僚として対策に従事した著者による最新の報告。日本の海外投資先の3位はケイマン諸島には驚いた。納税義務と所得隠しに国家が関与する。近代国家のねじれを描く本書に戦慄する。
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岩波新書で「タックス・ヘイブン」という本を読みました。なかなかおもしろかったですね。これまでにない本だと思います。マネーの亡者によって庶民が被害を被っていることに対し、私たちに何ができるのか。考えさせられました。
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