本当の大人の作法 の商品レビュー
(2014/10/22) 最近読むとはまる内田樹さん。一方妻はその弟子の名越康文さんを読みたいというので、二人が書いてるこの本を入手。 しかし、、、なんだか違った。 この橋口いくよさんって人も混ざっての鼎談。 タイトルがテーマなのかと思いきや、そうでもない。 広い意味ではそうだん...
(2014/10/22) 最近読むとはまる内田樹さん。一方妻はその弟子の名越康文さんを読みたいというので、二人が書いてるこの本を入手。 しかし、、、なんだか違った。 この橋口いくよさんって人も混ざっての鼎談。 タイトルがテーマなのかと思いきや、そうでもない。 広い意味ではそうだんだろうけど、、、 テーマは言葉の持つ力、というところだろうか。暴力的でもあり、愛だったり、、、 あげ足取りが印象的。 それと、五七五の語感が記憶にもたらすパワー。 全学連の正式名称が五七五でなかったら世の中が変わったのでは、という説は面白かった。 全日本学生自治会総連合 ぜんにほん がくせいじちかい そうれんごう 正式名称を知ってる人はそんなに多くはないと思うけど、でも確かに記憶を助けるのはその通りだと思う。 ・・・それくらいで、いつもの内田さんを読んだ後のすっきり爽快納得感はなかった。 目次 ●第1章: 物語の獲得 「物語」がもたらすもの/ライブに見いだす物語の「型」/型の中でこそ獲得できる物語とは? ●第2章 :街と物語 「東京」という名前がはらむ物語/街は我々の生きる舞台/右肩上がりの幸福という呪縛から逃れる方法/本物の豊かさとは ●第3章: 親供養 人生の空白を埋める物語/物語は予言の書でもある/親供養の必要性 ●第4章: 揚げ足をとる人々 言葉の持つ攻撃性に自覚的になること/揚げ足予防が生んだ言葉のいびつさ/まずは言葉をごくんと飲み下す ●第5章: 国を祝福しよう ツイートするときは「五・七・五」/日本の歌から情景描写が消えた/飲み下そう日本! ●第6章: かっこいい老い方 自分の住む場所を祝福する/武田鉄矢に学ぶ日本人男性の年の重ね方/男は老いてガランドウになるといい風合いが出てくる/日本女性の老い方が見つからない/四十代女性のロールモデル/かわいいおばあちゃんは実在するのか?/都市のアクティブさと老人の佇まいのズレ ●第7章: 知性は贅肉のようについてくる これからの言語表現に必要なのは「かわいさ」と「うどん的文章」/意味がわからなくても、ひとまず飲み込むことに意味がある/訊く大切さもあれば、訊かない大切さもある ●第8章: 中立ぶるのはもうやめよう 内田文体の秘密/真のオリジネーターはフォロワーを求めない/自分を慰めるために、人を叩いている ●第9章: なぜ人は人を叩くのか バッシングのスタートラインとは/「ファン」と「嫉妬する人」は表裏一体/他人の自己判断の領域にまで踏み込んでしまっている/写真本体よりも、そこにある「悪意」が怖い ●第10章: 定型圧力のすさまじさ ヤンキー文化が信仰するものとは?/人は定型から出ない努力を、必死にしている/仕事で着る服こそ、素敵なものにしよう ●第11章: 執着をとる方法 執着心が強い人には鬼のツノが生える!?/執着は、時として命さえも落とす/執着へのブレーキは「?」/必要なのは物語 ●第12章: 愛の反対語は敬意 愛と敬意/あてつけという愛情表現/馬鹿なふりをする女性たち/わからないことの大切さ
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3人の対談をまとめたもの。 ・悪意は嫉妬からくるもの。嫉妬する人は「あいつは俺と条件は変わらないのにいい思いをしている」という風に相手と自分を同化していることがある。「似ている・近い」っていう感覚は危険。 ・定型圧力の凄まじさ。あの中に自分の欲しいものがあるに違いない!よりは...
3人の対談をまとめたもの。 ・悪意は嫉妬からくるもの。嫉妬する人は「あいつは俺と条件は変わらないのにいい思いをしている」という風に相手と自分を同化していることがある。「似ている・近い」っていう感覚は危険。 ・定型圧力の凄まじさ。あの中に自分の欲しいものがあるに違いない!よりは情報の中に欲しいものを見つけた方がまだ個性がある。 ・愛と敬意は逆のもの。相手のことを知らないという前提であれば謙虚で寛容になる。完全に理解(同化)した気になるのは怖い。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
軽い語り口ながら深い内容だった。 特に心に響いたことが3つ。 言葉の攻撃性を自覚する。自分の生命力を低める呪詛を吐かない。韻文や美しい言葉で祝福する。 ストーリー=筋立て。物語=物が語る。 ストーリーは人と人だけのもの。物語には運気とか山神、座敷わらしや、そこにたまたまあった机、食べ物、天気なんかが絡んでくる。 自分の中に物語を作ると言う事は、一見自己完結のように見えるけれども、実はそこに人以外のものが介入する、物が語りだすから、自己だけの解決ではないと言う。 執着や怒りを手放すには、感情→ストーリー→物語の昇華が必要。 わかったと思った瞬間に愛は歪む。わからないからわかろうとするのが敬意。 価値観再生道場シリーズらしいので他の巻も読んでみたいです。
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思想家・内田樹、精神科医・名越康文、そして作家・橋口いくよの三人による『ダ・ヴィンチ』連載の鼎談を書籍化した一冊。(内田センセイの「思想家」という肩書きは初めて見たが、大学教授を退官されたからなんだな。)様々な話題に切り込んで、普段思っていても言葉にできないようなことを巧みな表現...
思想家・内田樹、精神科医・名越康文、そして作家・橋口いくよの三人による『ダ・ヴィンチ』連載の鼎談を書籍化した一冊。(内田センセイの「思想家」という肩書きは初めて見たが、大学教授を退官されたからなんだな。)様々な話題に切り込んで、普段思っていても言葉にできないようなことを巧みな表現で表してくれるのは、気持ちいい。 取り上げられているトピックであちこちに出てくるのは「上から目線」「揚げ足とり」が頻繁に起きるソーシャルメディア上での言葉の使い方。内田センセイをして「ネット上の言葉がもつ断定性・攻撃性をどう抑制するのか、という問いに適切な処方を見いだせない」と言わしめる状況に、鼎談のトーンも一段と上がる。言われるまで気づかなかったが、内田センセイはブログとツイッターでは、一人称や語尾を使い分けている。これは確かにひとつの有効な対処方法なのだが、三人の鼎談ではそれを大きく飛び越えた「ツイートは五・七・五で」という意見まで飛び出す。しかも、それは冗談どころか説得力十分とくる。 そんな達人たちが繰り出す金言は、留まるところを知らない。おそらく科学的な根拠などないのだろうが、「言葉を飲み下す」「知性は贅肉のようについてくる」「愛の反対語は敬意」などなど、読めばいちいち頷いてしまう。その中でも、ワタシにもっとも響いたのは「男は老いてガランドウになるといい風合いが出てくる」という言葉。これには大いに納得。(大ブーイングが起きるのを承知のうえで敢えて言うと)ワタシ自身、脂っぽさが抜けてきてラクになってきたのは、きっとこのガランドウ化が順調に進んできている証左なんだろう。
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テーマごとに読んだ。なるほど、世の中をそんな風にも見ることができるのかという発見がある。3人のテンポが心地よい。
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雑誌「ダ・ヴィンチ」での対談を書籍化した第二弾。三者三様のキャラクターで語る「大人の知的作法」。名越さんが終始興奮気味なのが微笑ましい。「ウチダ先生、こうですよね!?」みたいに食いつくと橋口さんが「それは、こういうこともありますよね」と落ち着いて受け、内田先生が「それはつまりね」...
雑誌「ダ・ヴィンチ」での対談を書籍化した第二弾。三者三様のキャラクターで語る「大人の知的作法」。名越さんが終始興奮気味なのが微笑ましい。「ウチダ先生、こうですよね!?」みたいに食いつくと橋口さんが「それは、こういうこともありますよね」と落ち着いて受け、内田先生が「それはつまりね」と締める。あたたかい関係性が心地よい。いつもの内田節をちょっと軽やかに薄めた、ドリンカブルなライトビールのような一冊。とはいえしっかりとしたボディも感じます。
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今まで自分の中でモヤモヤしていたこと、わからなかったけれどほったらかしにしていたこと、そこに真っ直ぐに向き合って下さるお三方の会話が心地よい。テンポ良い文章はもちろんのこと、わかりやすいようでどこか不思議さを感じさせる例え話に引き込まれる。帯の何倍も価値のある中身に思えた。むしろ...
今まで自分の中でモヤモヤしていたこと、わからなかったけれどほったらかしにしていたこと、そこに真っ直ぐに向き合って下さるお三方の会話が心地よい。テンポ良い文章はもちろんのこと、わかりやすいようでどこか不思議さを感じさせる例え話に引き込まれる。帯の何倍も価値のある中身に思えた。むしろ、帯はいくらかチープな印象を受けた。
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耳が痛みつつも苦笑しながらサクッと読めた。『声に出して読みたい日本語』的な感じで、繰り返しサクサク音読してみると、自然と知性という贅肉となってくれるのではないだろうか。そんな本。
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不良は家を捨てるけど、やんきーはヤンキーは家族信仰。早婚は出身階層から抜け出させない一種の呪縛。なるほど…
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前作、『原発と祈り』がおもしろかったから借りて読んでみたけど、これはあまり好きじゃなかった。 内田さんと名越さんがいつも以上に感覚で話している部分が大きかったので、さすがにこれは共感できず、というところが多かったです。 敬意の話、ひとの話はとりあえず飲み込んでみる、というのは印象...
前作、『原発と祈り』がおもしろかったから借りて読んでみたけど、これはあまり好きじゃなかった。 内田さんと名越さんがいつも以上に感覚で話している部分が大きかったので、さすがにこれは共感できず、というところが多かったです。 敬意の話、ひとの話はとりあえず飲み込んでみる、というのは印象に残った。ちょっと、拍子抜けでした。
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