世の中の罠を見抜く数学 の商品レビュー
335 宝くじの返還率は46%程度である。長く買い続ければ、あなたのお金は1万円が4600円になることになる。中央競馬の変化率は75% 「有限」を「無限」に装う最大の詐欺=ネズミ講 等比数列の莫大な増え方を利用した詐欺が世界中にある。伝統的で、歴史的な詐欺であり日本では「ね...
335 宝くじの返還率は46%程度である。長く買い続ければ、あなたのお金は1万円が4600円になることになる。中央競馬の変化率は75% 「有限」を「無限」に装う最大の詐欺=ネズミ講 等比数列の莫大な増え方を利用した詐欺が世界中にある。伝統的で、歴史的な詐欺であり日本では「ねずみ講」と呼ばれている。それは明治時代にできた刑法にも詐欺であると規定されているが、現在は「無限連鎖講」という呼び名を使って、取り締まる法律ができている。これに引っかかるのは若い人が多い。それには理由がある。このタイプの詐欺を働く者は、摘発されると、しばらくは隠れているが、ほとぼりが冷めると再び動き始める。つまり、人が注意を怠り始めると出て来て、そのからくりのよくわからない若い人たちを狙うからだ。ネズミ講の手口は単純である。さんざん「儲かる」説明をしたあと、最後にこう持ちかける。「あなたは5人の会員を集めてくれればいいのですよ」たった5人である。その5人から会費を集めればいいのだと言う。持ちかけられたほうは、5人ならすぐに集められると思う。集めた会費の何パーセントかが自分の懐に入り、残りが「詐欺師」のもとに行くことになるが、自分のところから始めて、孫会員や曾孫会員かお金が入って来る。そのあとの会員からも、必ず何パーセントかのお金が入ってくる。それが無限に続くといわれる。そんな、うまい話があるのだろうか。まず、5人の会員を集めるということがどんな数になるのか、考えてみよう。5人の友達を集めるのは、確かに簡単である。しかし、この考え方は自分だけが5人集めればよいということしか考えていない。友人も、同じように5人の会員を集めなければならない。そうでないと、孫会員や曾孫会員からお金が入ってこない。これを繰り返すと、どんなことになるか。実際に計算をしてみよう。会員を集める場所を東京近郊とし、そこに住む1200万人を対象としよう。これより外にねずみ講が広がることも当然ある。しかし、ねずみ講は基本的には人と人との話し合いで広がるものである。地域を限定しても、それほど無理な条件にはならないだろう。ねずみ講が広がる地域は限定されることが多いし、それに東京近郊にはちょっとした国の人口に匹敵する人々がいるので、5人の会員がどんなに早く増えるかを考えるには、ちょうどいいからだ。最初の5人の会員というのは、たいてい詐欺師たちである。会員を集めている各段階での、会員の首都圏における人口比率を計算してみよう。第1段階は、最初の5人のときである。25人に1人が会員ということになる。もちろん子どもも含めてである。無限に日本人がいるのなら、この「無限連鎖講」は必ずしも詐欺にはならない。しかし、多いといっても、人口は有限である。したがって、この話は明らかに詐欺だということがわかる。等比教列を勉強するということは、教科書の問いに答えるためではない。等比数列が支配している現実の現象を調べるためなのである。実際に、等比数列のグラフなどを書いてみれば、その増加がよくわかる。あっという間に1億を超えてしまう。等比数列は借金の金利計算にも使える。簡単にお金を借りるのがよくないことをわかるのと、「ねずみ講」に引っかからないことは、同じことなのである。
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社会、経済、科学、生活…、日常生活に関わる広い分野にわたり、数学的に「真実」を解き明かしていく考え方を説く。 広範に及ぶ考察の材料が、読者を学問の世界に誘う。 最近、数学に関する類書が目に留まることが多いように思うが、数学を苦手に感じている人でも手にとれる1冊ではないか。
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数学=真実を知るひとつのツール スピードガン ドップラー効果 投票率4割 得票率A60%B40%→有権者全体では12%の差 名目,実質GDP
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テレビや新聞、ネットなどのニュースで扱われる『数字』。「100年に1回の大地震」といったような言葉は、実は背景や前提によって、『数字』のもつ意味や説得力が変わってきます。そんな様々な数字の罠に対して、『数字』を鵜呑みにしないようにしようという意識を持たせてくれる1冊です。
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