遮断地区 の商品レビュー
「この社会には煽動家が多すぎるのよ。そして調停する人はあまりにも少ない」 愚か者たちの饗宴といったところかな それにしてもミネット・ウォルターズ相変わらず字が多いw 原書で読んでもそう感じるのかな?英語もっとちゃんと勉強しておけば良かったな そして相変わらず設計図が緻密すぎ...
「この社会には煽動家が多すぎるのよ。そして調停する人はあまりにも少ない」 愚か者たちの饗宴といったところかな それにしてもミネット・ウォルターズ相変わらず字が多いw 原書で読んでもそう感じるのかな?英語もっとちゃんと勉強しておけば良かったな そして相変わらず設計図が緻密すぎる 緻密すぎる設計図の果てにどこに連れて行かれるんだろうって心配しながら読み進めていました 世の中には自分の考えなしな行動で悲惨な結果を招いたとしても、非は自分にはないって自分を簡単に納得させることができる愚か者が多すぎて、小さな善意は愚かな煽動家たちの行軍に踏み潰されていく… そんなどうしようもない結末を思い描いていました んでもそこはミネット・ウォルターズ!ちゃんと救いのある明るい結末が用意されていました 彼女の物語では世の不条理と持てる力を振り絞って闘ったヒーロー、ヒロインは必ず報われるのです ごめん、途中ちょっと疑ってたよ どんなに陰鬱な事件の結末にも「あなたも闘え!」ってちょっとだけ背中を押してくれるのがミネット・ウォルターズという作家なのだ!
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ミネットウォルターズの代表作との呼び声も高い「遮断地区」。ドラッグが蔓延し争い事が日常茶飯時、LSD街と揶揄される低所得者向け団地。近くの団地で少女が行方不明になると、小児性愛者と疑われた親子を排斥するデモは暴動に変わり、往診に来ていた女医のソフィーは暴徒に襲撃された親子に監禁さ...
ミネットウォルターズの代表作との呼び声も高い「遮断地区」。ドラッグが蔓延し争い事が日常茶飯時、LSD街と揶揄される低所得者向け団地。近くの団地で少女が行方不明になると、小児性愛者と疑われた親子を排斥するデモは暴動に変わり、往診に来ていた女医のソフィーは暴徒に襲撃された親子に監禁される。親子は小児性愛者ではなく異常サディストとその被害者でおかしくなった息子だった。警察は少女の捜査のために暴動まで手が回らない。そして団地に火を放ち、呆けた老人を小児性愛者と思い込んでリンチする半グレたち。 マイノリティへの偏見をテーマにしたリアルでサスペンスフルなカタルシス小説!パニック、暴力、犯罪。血だらけの暴動の中で冷静と信頼と希望をもたらすのは刑務所帰りの黒人ジミー。勧善懲悪のヒーローではない。混乱の中で彼は警察や病院にその役割を頼まれる。思いやりは山ほどあるのにクソのような罪人に対しては容赦しない男。自己弁護する理屈も言い訳もいらない。そんなものは誰も信じない。肝に銘じよう。言葉よりも「人はその行動で判断される」。
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ムッサオモロかった! 低所得者層(社会的底辺の人々)向け住宅街に、前科のある小児性愛者の二人ずれが引っ越してきた。という情報が流れ、そこからその地区で大暴動が起こるさまを描いた小説。 ミステリー要素は薄く、パニック小説の様相である。ちゃんとしたミネットファンは「どうしたんだ?」と言ってるくらいに雰囲気が違う小説らしい。俺はそこまで作者の小説を読んでないので、違和感なく楽しめたが…。 それにしても、日本だけでなくイギリスにもこういう団地があるんだなぁ。大阪のあそことか神戸のあそことか…そういうとこを想像して、この本を読んだらリアル感マシマシ。 本気でワルいヤツを2名だけにして、あとは場の雰囲気で走る一般人っていう設定もリアルだった。お祭り気分で暴動を盛り立てる若者たちの姿は他人事じゃない、日本でだって、自分たちだって十分になりえることだ。注意しないとなぁ。 あと、モロトフカクテルはしっかり蓋をしないといけないこと、余談の話だし、使うこともないんだろうけど、妙に心に残る教訓だった。
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ミネット・ウォルターズは作品ごとにぜんぜん趣が違う。 ミステリーが、犯罪が起きてそれを解くこと、だとするなら、本作はミステリーではない。 イギリスの低所得者層が住む団地で起こった暴動の顛末。 ぶっ壊れたヤツ、意外にそうじゃないヤツ、変態あり美談あり、イギリスらしいモロモロが登場...
ミネット・ウォルターズは作品ごとにぜんぜん趣が違う。 ミステリーが、犯罪が起きてそれを解くこと、だとするなら、本作はミステリーではない。 イギリスの低所得者層が住む団地で起こった暴動の顛末。 ぶっ壊れたヤツ、意外にそうじゃないヤツ、変態あり美談あり、イギリスらしいモロモロが登場する。 ミステリーじゃないから謎は存在せず、人を描いていても浅く、 だったらミステリーと普通文学を読むなぁ。 ミネット・ウォルターズにはここのところずっと肩透かしをくらってる気がする。 ただし2001年の作品。
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積読をやっと消化。期待しすぎたかな、。 。 パトリシアコーンウェルを読んだときのどきどき感はなかった。
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「氷の家」と同じ作者だったので。 パニック小説とか、非常事態とかあまり興味がないので、 最初は小児愛者をめぐっての貧困地区の騒ぎは、 少女の行方不明の背景だと思っていた。 だが、ジミーが登場してから、がぜん暴動の動きの方が気になっていく。 刑務所から出たばかりで、 自分が指紋...
「氷の家」と同じ作者だったので。 パニック小説とか、非常事態とかあまり興味がないので、 最初は小児愛者をめぐっての貧困地区の騒ぎは、 少女の行方不明の背景だと思っていた。 だが、ジミーが登場してから、がぜん暴動の動きの方が気になっていく。 刑務所から出たばかりで、 自分が指紋を残して犯人と思われるからと、怪我した女性のために救急に電話し、 彼女を助ける手伝いをすることに。 女が殴られることには、たとえそれが警官だとしても我慢できないジミー。 老女に助けられ、子供たちが逃げる手伝いをし、囚われた女医の救助へ向かう。 巨体に暖かい心を持つジミーの行動が胸を打つ。 男はみてくれじゃないのよ、何をしたかなのよと最後に老女に言われていたが、 本当にその通りだと思う。 人は何を語るかではなく、何を知っているかではなく、その行動で判断されるべきだ。 この作品はミステリーではなく、英雄譚なのだ。
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ウォルターズがデビュー作『氷の家』以来一貫して掲げる3つのテーマ。マイノリティに対する軽視と偏見、弱者に対する支配、そして家族のあり方。(あとがきより抜粋)想像を超える残忍な事件と登場人物の辛さや悲しみに読むのを途中でやめそうになるけれど結末が気になって結局一気読みしてしまう、そ...
ウォルターズがデビュー作『氷の家』以来一貫して掲げる3つのテーマ。マイノリティに対する軽視と偏見、弱者に対する支配、そして家族のあり方。(あとがきより抜粋)想像を超える残忍な事件と登場人物の辛さや悲しみに読むのを途中でやめそうになるけれど結末が気になって結局一気読みしてしまう、それがウォルターズのミステリー。次は『破壊者』を読みます。
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すっごく面白かった! さすが、英国ミステリーの女王の小説だわー。 ストーリーも構成、スピード感、キャラクターの設定など上手く組み立てられてて、読むのを飽きさせない。 翻訳も上手く訳されて読みやすかった。 みんなそれぞれが、良けれとやったことが裏目にでて酷いことになったなぁーと...
すっごく面白かった! さすが、英国ミステリーの女王の小説だわー。 ストーリーも構成、スピード感、キャラクターの設定など上手く組み立てられてて、読むのを飽きさせない。 翻訳も上手く訳されて読みやすかった。 みんなそれぞれが、良けれとやったことが裏目にでて酷いことになったなぁーと。 そんな中、やっぱり秀でていたのはジミー。 かっこいーーー! ジミーとアイリーンの最後のシーンは、こういう話の中で唯一心の温かくなるシーンで、読んでよかったなぁと思わせくれた。
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私の評価基準 ☆☆☆☆☆ 最高 すごくおもしろい ぜひおすすめ 保存版 ☆☆☆☆ すごくおもしろい おすすめ 再読するかも ☆☆☆ おもしろい 気が向いたらどうぞ ☆☆ 普通 時間があれば ☆ ...
私の評価基準 ☆☆☆☆☆ 最高 すごくおもしろい ぜひおすすめ 保存版 ☆☆☆☆ すごくおもしろい おすすめ 再読するかも ☆☆☆ おもしろい 気が向いたらどうぞ ☆☆ 普通 時間があれば ☆ つまらない もしくは趣味が合わない 2015.8.8読了 巻末にも書かれていた通り、今までのウォルターズとちょっと感じが違います。 全然、謎解き感はありませんが、場面を切っていって、状況がどんどん変わっていくサスペンス感が楽しめました。少女の事件はあまり書かれなくても良いようなものですが、場面を切るのに有効なんでしょうかね。 文章自体は、ウォルターズで、今までの感じを期待していたとしても充分楽しめました。
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イギリスの地方の街で起こった少女の失踪事件を追うミステリーとその事件を受けてパニックに陥る別の街を描いた融合的小説。 ベースとしては小児性愛者への偏見がテーマとして有、ミステリーサイドは王道的に小児性愛を利用する犯人を追及していく。 一方の街の事件は、そのテーマが前面に押し出され、パニック状態へ加速していく様、暴動を鎮めようとする主人公たちの善行、最後に失ったものの大きさと残ったものの大きさが見事に描かれている。 特に群像劇的に始まったアシッド・ロウの話は、思わぬ登場人物が主人公的に浮かび上がってきて、普段の行動とは異なる行動により人たるもののあり方を訴えているように思いました。 ページ数は結構ありますが、一気読みしてしまいました。
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