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縄文人の祈りと願い の商品レビュー

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2014/08/19

奈良大学のオープンキャンパスシンポジウムでの内容を収録した奈良大ブックレットシリーズの2冊目。 小生は奈良大学に在籍していたので奈良に4年間住んでいたが、奈良県で縄文時代のイメージがあまりなかった。 恥ずかしながら本書を一読して、初めて県内には縄文時代の橿原遺跡や観音寺本馬遺跡...

奈良大学のオープンキャンパスシンポジウムでの内容を収録した奈良大ブックレットシリーズの2冊目。 小生は奈良大学に在籍していたので奈良に4年間住んでいたが、奈良県で縄文時代のイメージがあまりなかった。 恥ずかしながら本書を一読して、初めて県内には縄文時代の橿原遺跡や観音寺本馬遺跡があることを知った。 本書は土偶や土製仮面の意味を通して、縄文人の集落景観の復原や「死」と「生」の観念について考えた一冊である。 正直、観念云々になってくると考古学で検討するのが非常に困難になるので、あくまで「縄文時代は〜だったんだろうなぁ」と自らのイメージを新鮮で逞しくする分には面白い内容かと思われる。 第1章・土偶の「うつろ」観念を民俗学の成果と関連させたり(補足するならば柳田国男の「うつぼ船」などの考え方が近いと考えられる)と、なかなか明確な説明は期待できない。 第3章の内容は、今まで学校の授業で教わった縄文時代の集落イメージを少し変えてくれそうな内容であろう。 例えば、人々の営みとしての観音寺本馬遺跡、祈り・祭祀の場としての橿原遺跡など。 (ただし、あくまで畿内、特に大和盆地の事例) 本書のような縄文時代研究の蓄積により、今後さらに当時の生活イメージが様変わりするかもしれない。非常に楽しみである。

Posted byブクログ