パン屋を襲う の商品レビュー
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
村上春樹の小説は読みにくいと思っていたが、この本は読みやすかった。しかし、内容の本筋を理解しきれていない気はするが。 本を読んでいて面白いと感じたのは、登場する単語や情景は理解できるのに、登場人物はモラルに反した行為を平然と行ったり、その後の展開が非常に不自然で非現実的なところであった。 特にパン屋やマクドナルドなど、襲われる側の態度が妙に落ち着いていて、それどころか大きいように感じた。空腹というものは人の欲望を剥き出しにするものであり、逆に満たされている人間は感情が落ち着いているということも感じられた。
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まず...面白かったです。このシリーズはとても読みやすい。カット・メンシックの絵もすごくマッチしており目を惹きます。学校の図書館に置いてあったら読んだかもなぁ... さてさて... いざパン屋を襲おう!と意気込んだけれど、なんだか店長に人生の生き方を諭されたような気持ちにな...
まず...面白かったです。このシリーズはとても読みやすい。カット・メンシックの絵もすごくマッチしており目を惹きます。学校の図書館に置いてあったら読んだかもなぁ... さてさて... いざパン屋を襲おう!と意気込んだけれど、なんだか店長に人生の生き方を諭されたような気持ちになりました。再度パン屋(?)を襲った時にはなんだか夢の中にいるような...一体何を見ているんだ!という不思議さに包まれていました。 挿絵の紙袋をもった妻が、さながら海外ファッション雑誌「VOGUE」も表紙くらい映えていましたね。 呪いというのはある種「真っ当に生きること」を示しているんでしょうか?罪悪感ではなさそう... またむんずむんずと海底火山が近づいてくるんでしょうか?それとももう見えないんでしょうか?
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若者のやけっぱち、若さゆえの無鉄砲さ、破滅願望が、必要なだけの言葉数でバチリと言い当てられている。空腹感だけを馬力に真っ直ぐにパン屋を襲うも思いの外空振り。一瞬で熱は冷めてちゃっかり「大人」になる。「大人」になれる。 それでもアナーキストの血は30歳前にまた騒ぎ出すみたい。学生...
若者のやけっぱち、若さゆえの無鉄砲さ、破滅願望が、必要なだけの言葉数でバチリと言い当てられている。空腹感だけを馬力に真っ直ぐにパン屋を襲うも思いの外空振り。一瞬で熱は冷めてちゃっかり「大人」になる。「大人」になれる。 それでもアナーキストの血は30歳前にまた騒ぎ出すみたい。学生の頃に比べて同時にいろんなこと、周囲のことを考えていたりするのは、やっぱり「大人」になった証左かも。目の前のコレしか見えない!という振る舞いはできなくなっていくのかぁ嫌だな。
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あ〜〜そうだった…村上春樹ってこういうテンションだったよね…。 あとやっぱりこの人は短編がいいよ。個人的には。
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2024.07.20 ノルウェイの森を読み、図書館に行ったら目についカット・メンシックさんのシュールな絵と村上春樹さんの独特な文章が絶妙にマッチしている。 村上さん特有の濃密な内容、というわけではないが、なんとなく時間を潰したい時に村上春樹さんの本を読んだ実績が増やせて満足。 村...
2024.07.20 ノルウェイの森を読み、図書館に行ったら目についカット・メンシックさんのシュールな絵と村上春樹さんの独特な文章が絶妙にマッチしている。 村上さん特有の濃密な内容、というわけではないが、なんとなく時間を潰したい時に村上春樹さんの本を読んだ実績が増やせて満足。 村上春樹さんにはあまりないコメディアンな内容もGood!
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空腹に耐えかねてパン屋を襲うが、店主の不思議な申し出により失敗。 数年後、また同様の飢餓感に襲われた主人公が今度は妻と共に襲撃する話。 表紙のイラストから、勝手に海外が舞台かと思ってたら、まさかの日本。白昼夢のようなお話です
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読書習慣をつけようと思い、今まで読んだことのなかった村上春樹の作品を初めて読んだ。 再びパン屋を襲う理由は最後までわからなかったが読みやすい作品ではあった。 海底火山の比喩がいまいち理解できなかった。今の読解力不足が悲しい。また数年後読めばわかるようになるのだろうか。
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パン屋を襲うと再びパン屋を襲うの2篇が収録されていて再びパン屋を襲うがとても面白い。 パン屋を襲うでは 悪の道を進むということが平和的解決に向かい、想像力が正しく動くようになったように思われた 再びパン屋を襲うで それが大きな呪いになっているなんて。 『正しい結果をもたらす...
パン屋を襲うと再びパン屋を襲うの2篇が収録されていて再びパン屋を襲うがとても面白い。 パン屋を襲うでは 悪の道を進むということが平和的解決に向かい、想像力が正しく動くようになったように思われた 再びパン屋を襲うで それが大きな呪いになっているなんて。 『正しい結果をもたらす正しくない選択、正しくない結果をもたらす正しい選択』 悪事を働ききれなかったことが正しい選択だったとしても、呪いという正しくない結果になっている そしてそれが整然と解決される様子が爽快 「このような不条理性を回避するには、我々は実際にはなにひとつとして選択してはいけないのだという立場をとる必要があるし、おおむね僕はそんな風に考えて暮らしている。」 個人的にはこの考え方は魅力的だけれど完全には賛同しかねていて、常に選択はせざるを得なく、選択した根拠をうまく考える必要があると思う 空腹は澄んだ海水からみる海底火山、睡魔はボートに寄る波。美しい比喩 カット・メンシックさんのシュールレアリスティックな絵も良かった。
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空腹になったのでパン屋を襲うというシュールな短編。 ユーモラスな語り口で、よく分からない展開ながら、何かやり残したことをやり遂げようとする夫婦。 これが『ねじまき鳥クロニクル』に繋がるらしい。 ワーグナー、呪い、海底火山など村上作品のダークサイドのイメージとドイツ人のカット・メン...
空腹になったのでパン屋を襲うというシュールな短編。 ユーモラスな語り口で、よく分からない展開ながら、何かやり残したことをやり遂げようとする夫婦。 これが『ねじまき鳥クロニクル』に繋がるらしい。 ワーグナー、呪い、海底火山など村上作品のダークサイドのイメージとドイツ人のカット・メンシックのイラストが合ってるかも。
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村上さんの小説は父が読んでて、何となく遠目に見てました。そして村上さん原作の映画もジトッとした所が苦手で。 でも小説は読んだ事がなかったので、今回普段読まない系の本を読もうと短編から読みました。 かなり読みやすかったです。食わず嫌いでした。
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