年下の兄嫁【強引な和姦】 の商品レビュー
2人に絞ったヒロインの堕ちるまでをしっかり描いた良作
2013年のデビュー作だが、タイトルの「年下の兄嫁」はともかく『強引な和姦』の矛盾にどうしても違和感が拭えず当時は触手が伸びなかった。しかし、読んでみて確かに『強引な和姦』であったことが分かり、何よりヒロインを2人の姉妹に絞ったことで、その関係性を主人公に絡めつつじっくり描いた官...
2013年のデビュー作だが、タイトルの「年下の兄嫁」はともかく『強引な和姦』の矛盾にどうしても違和感が拭えず当時は触手が伸びなかった。しかし、読んでみて確かに『強引な和姦』であったことが分かり、何よりヒロインを2人の姉妹に絞ったことで、その関係性を主人公に絡めつつじっくり描いた官能絵巻に唸ってしまった次第。良く出来たデビュー作と感服するところである。 <年下の兄嫁【美香】24歳> 別に弟嫁でも不都合はないのだが、おそらく夫にして兄から奪う兄嫁だけれど年下に拘ったものと推察する。純真で可憐な魅力を放つも経験はあまり豊富ではない真面目さが長女らしいところ。美香との関わりを描く第三章まではPCを修理する名目で兄嫁宅へ幾度となく訪れ、その度に迫られるという軸足のしっかりした展開で描かれていく。美香から見れば義弟ながら年上の主人公に迫られるのは困惑するも抵抗し切れないところもあって、次第に追い詰められるように体を開いていく被虐の美があった。序盤は凌辱の色が優勢なのだが、美香の心情も並行して描くことで必ずしも一方的なものではないことが判るのは秀逸。諦念含みながら覚悟を決める瞬間は淫靡でもあり、その後はどんどんオンナを開発され、後に登場する妹には嫉妬もしながら最後は同じ女性かと思うほどの変貌を遂げる美香である。過去を挟みながら現在とその行方に至るまで美香をしっかり描き切ったという達成感が作者にはあるのでは?と思うほどメインヒロインとしての存在感があった。 <好奇心旺盛な妹【穂佳】18歳> 第四章から第六章に至るまでは妹の出番。元より主人公を悪くは思っていない初心で無垢な穂佳なので多少の強引さはあれど、むしろいたいけな少女を未知の世界へ連れていくような始まり方である。生娘ながら好奇心は旺盛というお年頃らしさを醸しつつ、姉よりはいろいろと寛容で積極的な面もあるところは次女らしい。「みか」に対して「ほのか」という名前も含めて本作はなかなかのリアリティがあったりする。主人公への想いが膨らみながらも(諸事情あって)恋仲になることはないかも、といった乙女心も滲ませながら体はしっかり開発されていくいやらしさがあった。そもそも生娘キャラをあまり好まない自分が破瓜から開花までをしっかり読んだのは、それだけ丁寧な描写で綴られていたからだと思う。姉妹がそれぞれに秘密として主人公との関係を続ける中で(先に関係を持った)姉よりも早くに心を通わせ始める妹としてナイスなサブヒロインでもあったと言えよう。 最終的に2人は鉢合わせとなり、くんずほぐれつの爛れた関係にもなっていくのだが、ここに至っても官能描写の淫猥度が高く保たれているのは素晴らしい。終盤にも美香単独の出番を挟み込む良さを見せつつクライマックスではおねだり合戦の様相を呈するいやらしさである。それに加えて兄(美香の夫)がその場面を目撃してしまう寝取られ要素まで盛り込んでいるのだが、これが「あるのはモアベターだけど無くても良かったかな?」との印象で留まるのは「その後」を曖昧にしたからでもあろう。 曖昧と言えば、実は結末もやや曖昧である。姉妹の両方に愛情を向けるに至った主人公の二心に対して美香にも穂佳にも二心があるように纏めたのはリアリティこそあれど果たして読み手たる男が求める結果だろうか?となればまた別の感覚と言える。しかし、どっちつかずなリスクもある凌辱と誘惑のクロスオーバーを狙った作風は今後も支持したい。
DSK
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