トッカンvs勤労商工会 の商品レビュー
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トッカンvs勤労商工会 2013/3/29 稼ぎのない男なんて精子以下よ。消えちまえ! 2014年2月5日記述 高殿円さんによる小説。 トッカンとしては2冊目の作品にあたる。 今作では主人公鈴宮深樹がずうずうしいまでに活躍する。 (上司である鏡が訴訟騒ぎになりかけたためでもある) ホツマへの破産申立の不服のあたりは爽快だった。 署長に付いて来てもらう等カウンターパートとして 上手く動いたと思う。そうでないと裁判官は出てこなかったろうし。 本書は400ページをこえている。 しかし巻末にある 井上真央さんと高殿円さんの対話にもあったように すっと物語の世界に入っていける。 小説を読んでいるけど良い意味で小説っぽくないのだ。 そのままドラマに出来そう。 (実際にドラマ化された) 本作においては鏡が栃木県出身であること。 鏡の高校時代の友人本屋敷と里見の援護。 栃木県は東北ではなく北関東だと言いはる鏡に ちょっと笑いそうになる。 ネット上で時々見かけるグンマーへの反発と似ているのだろう。 墓に隠し財産を持っていた滞納者。 この時は前作同様に鏡らしい雰囲気だった。 同僚(錨喜理子)が徐々に精神を病んでいたこと。 その原因は体裁。 本作では体裁を取り繕ったが故に仮面の自分に 引っ張られ実態の自分と異なってしまった人物が描かれる。 どれも現実に起こりそうなことであるしリアリティがあった。 とは言え体裁なり仮面なりなんでもかんでも本音、本能ばかり言いたい放題では社会は回らないのも事実である。 「稼ぎのない男なんて精子以下よ。消えちまえ!」(錨喜理子) なんて言われた日には・・・暴れだすのも無理はない。 トンデモ暴言ではあるけど印象に残った言葉。 思っていることを登場人物に代弁させれる作家は直接 世の中に発信するわけではないから安全。ある意味羨ましい。 やるな高殿円。
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まぁ相変わらず面白いけど、一巻目のときのような高揚はないかな。王道のニヤニヤ安心ポイントが減ったのはよかったのかどうか。 でもホント、徴収やるのは...偉いよね...。 どう考えても、精神的に大変。
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面白い作品で、なかなか触れる事の無い税務署の仕事が垣間見え、お仕事小説、成長物語として楽しく読みました。 少し前の作品なので時代が違うからなのか、そういう世界なのか、女性性に着いての書き方が気になるのと、主役にどうしても肩入れしたくなり、税務署頑張れ!とも思う部分もありつつ、...
面白い作品で、なかなか触れる事の無い税務署の仕事が垣間見え、お仕事小説、成長物語として楽しく読みました。 少し前の作品なので時代が違うからなのか、そういう世界なのか、女性性に着いての書き方が気になるのと、主役にどうしても肩入れしたくなり、税務署頑張れ!とも思う部分もありつつ、やはり今の税金の使い方を見ると何だかなあ、と複雑な気分になりました。
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トッカンのシリーズの中で一番面白かった。 特に最後。職場のすきま。すごくわかる。胸が苦しくなりながら、貪り読んだ。鏡の「お前は焦らなくていい」に、若手の頃の自分を思い、心熱くなった。
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1作目よりもストーリー展開が面白かった。 クセのあるキャラばかりなのにメッセージもあって、 ちゃんとまとまっている、と感じた。
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結構、緊張感があって、面白かった。 税務署の特別徴収官カガミの恫喝で、それを苦にして 食堂の主人が首吊り自殺をした。 それで、カガミを訴えると 国家賠償請求となる。 カガミは、出張ばかりして、よくわからない。 カガミの高校の友人 イタリア人のような弁護士。熊のような里見。 カガミ...
結構、緊張感があって、面白かった。 税務署の特別徴収官カガミの恫喝で、それを苦にして 食堂の主人が首吊り自殺をした。 それで、カガミを訴えると 国家賠償請求となる。 カガミは、出張ばかりして、よくわからない。 カガミの高校の友人 イタリア人のような弁護士。熊のような里見。 カガミをボランティアで助けようとするのだ。 カガミの部下である ぐー子は、なんとかカガミを助けようとするのだが。 自殺した主人は、勤労商工会の顧問弁護士 チワワ。 チワワは、鋭く追及する。勤労商工会は、その問題を追及する。 ぐー子は、少しづつ、自立するのである。 計画倒産の会社の粉飾を暴くのだ。 隙間を見つけることが、必要なのだ。 ぐー子は、そのポジショニングを見つけようとする。 人は、体裁を作る。そのことが、ぐー子には、分かるようになるのだった。 それにしても、カガミは、主人の自殺の原因ではなかった。 自殺の原因だとすると、結構面白い展開になったのに。
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鏡特官が窮地に陥る関係で彼の出番は少なく、その分ぐー子が必死になって成長しようとしています。ぐー子と一緒になっていろいろな言葉にはっとさせられたり反省したりしながら読み進めました。いい年をした私にもちょっと耳の痛い「体裁」と「自分専用のすき間」。万年ピンクリボン運動という話がどこ...
鏡特官が窮地に陥る関係で彼の出番は少なく、その分ぐー子が必死になって成長しようとしています。ぐー子と一緒になっていろいろな言葉にはっとさせられたり反省したりしながら読み進めました。いい年をした私にもちょっと耳の痛い「体裁」と「自分専用のすき間」。万年ピンクリボン運動という話がどこに繋がってくるのかと思ったら…彼女の悲痛な叫びが痛かったです。少し重いラストになりましたが、エピローグの鏡特官とのやり取りや、お墓参りでの展開がとても優しく良い読後感を運んでくれました。
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京橋中央税務署を揺るがす大事件が発生した。あの、悪質な滞納者から隠し財産を差し押さえまくり“京橋中央署の死に神”と恐れられる、特別国税徴収官(略してトッカン)の鏡が訴えられるかもしれない。しかも背後には、税務署の天敵・勤労商工会のお抱え弁護士がついていた。鬼上司のピンチにぐー子(...
京橋中央税務署を揺るがす大事件が発生した。あの、悪質な滞納者から隠し財産を差し押さえまくり“京橋中央署の死に神”と恐れられる、特別国税徴収官(略してトッカン)の鏡が訴えられるかもしれない。しかも背後には、税務署の天敵・勤労商工会のお抱え弁護士がついていた。鬼上司のピンチにぐー子(トッカン付き徴収官)が立ち上がる!
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国税徴収官を主人公とする「トッカン」シリーズの第2弾。今回は鏡特官が訴えられるかもしれない危機に陥り、鈴宮深樹が、新キャラとも絡みながら、その危機に立ち向かうというストーリー。 主人公の鈴宮深樹のもがき苦しむ等身大感は今回も健在で、なかなかよい。 「すき間」「体裁」という本書のテ...
国税徴収官を主人公とする「トッカン」シリーズの第2弾。今回は鏡特官が訴えられるかもしれない危機に陥り、鈴宮深樹が、新キャラとも絡みながら、その危機に立ち向かうというストーリー。 主人公の鈴宮深樹のもがき苦しむ等身大感は今回も健在で、なかなかよい。 「すき間」「体裁」という本書のテーマともいうべきものについて、考えさせられた。
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滞納者が自殺し、その原因が税務署にあるとし訴えられそうになる鏡特官。 鏡と主人公のドタバタを楽しみにしていたので、鏡不在が少し手持ち無沙汰。 新しい登場人物がどんどん出てきてなんともめまぐるしい。 つい税務署の立場で読んでしまうので、 勤労商工会が嫌いになりそう。笑 徴収する...
滞納者が自殺し、その原因が税務署にあるとし訴えられそうになる鏡特官。 鏡と主人公のドタバタを楽しみにしていたので、鏡不在が少し手持ち無沙汰。 新しい登場人物がどんどん出てきてなんともめまぐるしい。 つい税務署の立場で読んでしまうので、 勤労商工会が嫌いになりそう。笑 徴収する側の意識と、滞納する側の姿勢、 どちらが欠けても良い結果にはならないなと実感。 人間関係も同じかも。
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