「原発事故報告書」の真実とウソ の商品レビュー
【由来】 ・ 【期待したもの】 ・ ※「それは何か」を意識する、つまり、とりあえずの速読用か、テーマに関連していて、何を掴みたいのか、などを明確にする習慣を身につける訓練。 【要約】 ・ 【ノート】 ・
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【本来の使命を忘れ政治的見世物と化した事故調】4つも出されながら真相を明かすことなく、政治的見世物やメディア受けのするエピソード集と化した事故調報告を比較・検証する!
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4つの事故報告書のそれぞれの主張、見解がまとめられている。加えて、当時の報道では錯綜していた東日本大震災直後の政府、東京電力の対応についても迫っている。
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※このレビューにはネタバレを含みます
地震の直後には、メルトダウンや最悪首都圏3500万人の避難の可能性など知らずに、ノー天気に生活し、何で突然に外国人が東京から居なくなったのかの疑問を持つ程度でした。 前に読んだ「メルトダウン(ドキュメント福島第一原発事故)」とこの本とで、これまでのモヤモヤが、一気に霧が晴れた感じがします。 内容は題名の通り、福島原発事故の事故調査委員会の報告書の比較。つまり、「国会事故調」「政府事故調」「民間事故調」「東電事故調」の4つの事故調査報告書の比較です。 著者は科学ジャーナリストで、かつ日経の論説委員なので、専門的な用語の解説や素人では見落としがちな事への目配りがされており、非常に分かりやすく書かれています。 膨大な資料を読み解き、其々の評価・批判はもとより、抜け落ちているものまで説明してくれています。これは中々の労作です。 面白かったのは、 ★「国会事故調」や「民間事故調」の当時の管総理への批判に対して、「事故は官邸で誰かがボタンを押し間違えて発生した訳ではない」とか、「踊る大捜査線の青島刑事」のセリフを引用して「事件は会議室ではなく現場で起きている」と、官邸批判を切り捨てて、返す刀で、安易にそれに飛びついたマスコミ批判もしています。 ★東電と保安院の報告書は全て未曾有鵜の津波が悪いの大合唱です。 津波の前に来た地震の影響でどれほどの損傷が出たのかについては「国会事故調」がかなり切り込んでいます。地震が主原因であれば、対策においても全然違った対応になります。 以下は事故調にはなく、著者が追加した点の中で、興味を惹いたのが、 ★政府の原子力委員会が「原子力発電所の事故コストの試算」の過程で、「事故発生頻度」を試算しているのですが、最悪の場合、日本にある原発のどれかが、10年以内に放射性物質を大量に飛散させる過酷事故を起こすという、とんでもない副産物が飛び出してきた。 ★日本の地震学会は、世界では完全否定されている地震の直前予知を掲げ、研究費を得てきた。要するに、プレート境界型の大規模地震なら予知できるとしてきた根拠が、今回の地震でガタガタと崩れ去った。 世界の地震学会で、地震の直前予知などを口にしたら、占いの類だと笑われるそうです。 ★新幹線と原発の安全比較。 JRは上記の科学的には、全く当てにならない直前予知ではなく、大地震が発生したら、P波とS波の差を利用して、走行中の車両を止める早期警戒システムをいち早く導入し、3.11では運転中の27本の列車を全て安全に停車し、乗客を避難させている。 福島原発には地震の直撃を受けた後で動く緊急停止システムはあるが(今回はうまく行ったとされているが、原子炉に近づけないので実態は?)、これよりも、電源が確保できている間に制御棒が曲がったり、折れたりするリスクも少ない、JRのようなシステムこそ必要でないかという提言も納得できるものでした。
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