志 豊臣秀長伝 の商品レビュー

福永英樹【著】

2024/01/22

先日、堺屋太一の豊臣秀長を聴いたので、豊臣秀長をもっと知りたいと思った事が読んだきっかけ。当たり前のことだが、歴史上の人物についてであっても、著者が何を書きたいかでこんなに違いがでるのだと実感。
堺屋太一は名補佐役としての秀長を描くから徹底的に秀吉との関係性が軸になるし、こちらの福永英樹のそれは、秀長の中の志→なぜ戦うのか、どういう世を理想とするのか　に焦点があるので、その対比として信長、秀吉、家康も描かれるし、心酔するものとして藤堂高虎なども描かれる。
堺屋版では全く触れられなかった妻達、子ども達の話がでてきてそういう面でも、幅広かった。

2021/04/26

信長は天下統一後日本の狭い土地を褒賞として与えるのに限界を感じていた。信長、秀長は商業的な面から日本を発展させようと考えたが志し半ばで本能寺の変に倒れる。後を継いだ秀吉にはそこまでの考えはなく新しい土地を求め侵略を繰り返し朝鮮、明へと侵攻を考える。「志」タイトルの通り主人公秀長は天下統一後のビジョンを持って臨んでいた。

2015/12/06

豊臣秀吉の弟である豊臣秀長について書いた本です。

豊臣秀長は兄である豊臣秀吉の数少ない家族であり、人望が厚く、天下を支えた人物ですが、この本では「志」というものが根源にあったということで、話が進んでいきます。

織田信長の志を受け継いだ豊臣秀長に対し、現実主義でただ真似ただけの豊臣秀吉という対比が印象的でした。

↓ ブログも書いています。
http://fuji2000.cocolog-nifty.com/blog/2013/07/post-4e8b.html

2014/11/19

記録の少ない豊臣秀長という人物を(そして藤堂高虎を)、「志」という解釈から描いた作品。
歴史好きの方は当然異見もあるかと思いますが、
小説としてはとても面白い作品だと思います。
切ないのに胸熱とはこれいかに。

著者が民間企業で人事に携わっていた方だそうで、
その経験も反映されているように思えます。

2013/03/03

とても面白かった！豊臣秀吉の弟・秀長を幼少期から描いた物語です。

吉乃との出逢い、別れ～信長の家臣となり、その死後は天下統一を目指す兄を常に支えていく。
農民だった彼が武器を手に持ち、兄についていくまでの流れが読みやすく、どんどん読めました。