星に降る雪 の商品レビュー
「星に降る雪」「修道院」の 二つの中編小説。 両方共親友を失った男のその後の人生が 描かれているのだが、 「星に降る雪」の主人公田村には 共感出来なかった。 彼のもとを訪れる友人の恋人だった 亜矢子の行動や考えにも 全て納得出来るわけではないが、 彼女の田村の話を聞いた時の反...
「星に降る雪」「修道院」の 二つの中編小説。 両方共親友を失った男のその後の人生が 描かれているのだが、 「星に降る雪」の主人公田村には 共感出来なかった。 彼のもとを訪れる友人の恋人だった 亜矢子の行動や考えにも 全て納得出来るわけではないが、 彼女の田村の話を聞いた時の反応は、 理解出来ると思った。 二人共、大切な人を雪山の事故で 喪い、心の傷がまだ癒えないが、 亜矢子のように現実的にこの哀しみを 乗り越えよう、地に足をつけて 生きよう、ともがいている状態で、 田村から「星からのメッセージ」と 言われても、当然混乱するだろう。 (しかし、田村は死んだ友人と そのメッセージについて、分かり合って いたことで満足しているわけで、 その考えを亜矢子に押し付けるつもりも ないのだが。) 帰路に着く亜矢子の落胆が理解できた。 今回は私も戸惑って終わった。 また違う時期に読んだら、 「星からのメッセージ」の受け取め方は 違うのだろうか。 「修道院」は、クレタ島の小さな村で 自分の贖罪のために礼拝堂を修復する 男の話。 「星に降る雪」より 生身の人間の繰り広げる愛憎の物語で ある気がして断然こちらの方が好き。 怪我をした主人公が、滞在する宿の お婆ちゃんから五十年前の話を 聞くのだが、最後にお婆ちゃんに かけてあげる言葉も良い。 美しい男達、女達の、 ギリシャ神話のような物語。
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星に降る雪/修道院 自分に向かって降ってくるものを待ち続ける男。空からのメッセージを捉えることができるのだろうか。 古い修道院を一人で修復した男が抱えていたものの大きさに圧倒される。ある意味自分が自分に課した罰なのかも知れないけれど、それでも何を求めて生きているのだろう、求め...
星に降る雪/修道院 自分に向かって降ってくるものを待ち続ける男。空からのメッセージを捉えることができるのだろうか。 古い修道院を一人で修復した男が抱えていたものの大きさに圧倒される。ある意味自分が自分に課した罰なのかも知れないけれど、それでも何を求めて生きているのだろう、求め続けることが生きていると言うことなのだろうか
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スティルライフの存在を急に思い出し、タイトルに惹かれて買った。 理科系の話は苦手だが、たまにはいいかもね。 2013/03/23読了。
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13.3.5~3.14 舞台は神聖なところで、登場人物が抱えているのも神聖なものだったり傷だったりして、でもその解決方法や昇華の方法が納得いかない。
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中編2本。表題作は、雪崩にあって生き延び、その同じ雪崩で親友を亡くした男の話。主人公はたびたび、死んだあとの向こう側の世界、星々の世界について思いを巡らせる。ニュートリノを観測するための研究施設で働きながら、その世界から届くメッセージを待っている。 もう一本の「修道院」はギリ...
中編2本。表題作は、雪崩にあって生き延び、その同じ雪崩で親友を亡くした男の話。主人公はたびたび、死んだあとの向こう側の世界、星々の世界について思いを巡らせる。ニュートリノを観測するための研究施設で働きながら、その世界から届くメッセージを待っている。 もう一本の「修道院」はギリシャを舞台にした話。古い放棄された修道院と、たった一人で何年もかけてそこを修繕した男の話。罪と償い。死とエロスと嫉妬。裏切られた友情と愛。信仰と試練、人の心の弱さ。なるほど題材がギリシャという舞台によく似合っている……というのはもしかして順序が逆だろうか。ギリシャを舞台にした小説だからそうしたテーマが物語の中心に据えられることになったのか。(この作者さんはかつてギリシャに移住しておられた時期があると記憶している) あといきなりアホなコメントで恐縮なのだけど、どこか都会からやってきた背負いきれない罪を抱えた無口な男と、彼に恋をしながら何もできずにその背中をただ見ている少女、という構図に「なにこれ萌える……」とか思った。萌える……。
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