分子間力と表面力 の商品レビュー
界面・表面の科学や高分子科学の勉強の一助になるかと思い本書を端から端まで通読しました。業界の標準的教科書であり、非常に良い本であるという噂を聞いていたため高い期待を持って本書を読んだわけですが、良いところも良くないところもある一筋縄ではいかない本でした。 特に序盤の分子間力・...
界面・表面の科学や高分子科学の勉強の一助になるかと思い本書を端から端まで通読しました。業界の標準的教科書であり、非常に良い本であるという噂を聞いていたため高い期待を持って本書を読んだわけですが、良いところも良くないところもある一筋縄ではいかない本でした。 特に序盤の分子間力・表面力の理論的取り扱いを扱う部分の説明は読んでいてわかりやすく、物理学的な原理をもとにつかみどころのない界面現象を扱うためのメソッドを勉強することができました。 しかし、中盤から後半にかけて、状況のモデルやイラストがなくどういう前提でどういう問題に取り組んでいるのかわからない場面も多く、何を原理に何を計算しているのかよくわからない状況でなんだか数値が出てくることが多い印象でした。演習問題にもよく言及されるわりに特に解答が付いているわけでもなく解いてほしいのか無視してほしいのかよくわかりません(※本感想執筆者は解答のない演習問題は解いてもらおうという意思がないため必ず無視するという思想の持ち主です)。 いずれにせよ、豊富な具体例や多様なトピックを扱う魅力的な書籍であるのに対しその説明にどうしても不備というか不足が多く、self-consistentさの低い本だなあというのが率直な感想です。この本をもとに、引用されている論文や進んだ教科書にあたることを前提にすれば非常に勉強になることは間違いないと思いました。
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クーロン力やファンデルワールス力といった基本から表面に働く力,コロイドや生体膜まで一貫性のある記述。
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