小説の森散策 の商品レビュー
小説家で記号論学者のエーコの文学論。テクストと読者。虚構と現実。その二つの関係をクロスさせながら、境界の曖昧さを示し、文学の機能と意味を探る。大学での連続講義録。
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元ネタがわからない引用が多く、どこまでが独断と偏見か判別しづらく、説明が必要以上に難解で、とにかく知恵熱出るほど難しかった。 散策なんてもんじゃない。未開のジャングルに分け入る覚悟が必要だ。
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「薔薇の名前」を苦労して読んで以来著者の作品に手を出すことがためらわれた。文学論の講義録である本著も一筋縄ではいかず幾度となく道に迷う。しかし時折出会う木漏れ日の美しさや清流のすがすがしさは小説の魅力を雄弁に語っている。
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エーコの訃報に接し、再読。「わたしたちは生涯を通じて、なぜ生まれ、そしてなぜ生きたのかを語ってくれる、わたしたち自身の起源の物語を探しているのです。」いつかエーコの体験したような最高に美しい物語を生きてみたい。
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虚構の楽しさ、読み方を読者にエーコが、という講義の要約。「どう読んで欲しいと思っているか」の辺が興味深かった。間違った感想なんてものはないと私は思っているし。記号の拾い方などかなり楽しく読めたが、岩波、値段上げ過ぎだよ・・・
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語り口は柔らかく読みやすい。 こちらと『ナボコフの文学講義』と併せて読むと、スタンスの違いや共通点が見えてきて面白い。
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