秘密 新装版 の商品レビュー
敵討ちに狙われる町医者の話。おたみと幸せになれるのか、最後までドキドキした。井波で幸せになって欲しい。初乃は毒薬をどうしたのだろうか?初乃の最後の言葉も謎。
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浪人的な町医者の話です、主人公や出てくる登場人物の人柄が素晴らしくて、読む度に心が洗われました。こんな素敵な生き方をしたいものです。これからは池波先生の本を片っ端から読むことになりそうです、そのくらい感動しました。
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池上作品の主なものは読んだつもりでいたが、これはなかなかの掘り出し物であった。仇討に追われる身ながら、だんだんと開き直って生きていくさまが周りの人達の人情も絡んで、温かく描かれている。
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(背表紙より抜粋) 物のはずみで起きた決闘で相手を惨殺した片桐宗春は、逆恨みによる敵討ちに狙われていた。 己の正当のため討たれまいと逃亡に身をやつす宗春だったが、江戸に潜んで町医者として暮すうちにに触れた人情と心意気、肉親の縁にいつしかその心が変わりゆく。 秘密を抱え生きる男の姿...
(背表紙より抜粋) 物のはずみで起きた決闘で相手を惨殺した片桐宗春は、逆恨みによる敵討ちに狙われていた。 己の正当のため討たれまいと逃亡に身をやつす宗春だったが、江戸に潜んで町医者として暮すうちにに触れた人情と心意気、肉親の縁にいつしかその心が変わりゆく。 秘密を抱え生きる男の姿を、円熟の筆が描く傑作長編集。 ↑この短いスペースで、作品を表現することの難しさを特に実感する作品。 脇を固める人物像が、人間の本質を語っていて、登場人物は一癖も二癖もある、心に闇を持つ人間が多い。 特に女性は「おたみ」と「お初」という二人の女性が二極で描かれているので、主人公の片桐宗春の心の移り変わりよりも、池波氏の女性に対する偏見が、よく見える作品になっていると思った。 話の引き込み方はさすがで、「この話、どこに落ち着くのだろう?」とハラハラさせられる作品。 楽しかったです。
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「男は歳月を経た女の変化に驚くが、女は自分の変化に気づかぬ。男は過去にこだわるが、女はその時々に変化して行く自分をそのままに受け止め、わけもなく溶け込み、水が流れるように生きていける」 以前、別れた元カノ(結婚後)に再会し、同じように変化にやや戸惑ったのを覚えている。 物語は...
「男は歳月を経た女の変化に驚くが、女は自分の変化に気づかぬ。男は過去にこだわるが、女はその時々に変化して行く自分をそのままに受け止め、わけもなく溶け込み、水が流れるように生きていける」 以前、別れた元カノ(結婚後)に再会し、同じように変化にやや戸惑ったのを覚えている。 物語は、片桐宗春という主人公が、やむない事情で同僚(家老の子息)を斬殺してしまったため、名を変え、身分を変えて江戸へ逃れた。医者として生計を立て、身を隠す暮しをしているうちに、主人公は人の情けを知るようになるが、次第に討手が迫る。
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- ネタバレ
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最後の余韻がすごいなと思った。 完全にタイトルそのまま秘密。 これだわ。 というか謎だらけで、あれかね最後はご想像におまヵせします!的な感じなのかね。 主人公の片桐宗春。 そんな宗春に国許からの追手がいたり。 これがまたしつこい! そんな江戸の町で自分の顔そっくりの男が腹違いの兄(かもしれない)とか そんな兄が実は悪い奴だったとか 元恋人が自分が診療しに行った大店の後妻でしたとか そんな後妻のお初さんが上半身素っ裸で 誘って(?)きたりとか。 でもそんなお初さんの嫁ぎ先の吉野家さんはすごくいいご亭主だし。 まぁしかし勝庵先生はとってもいい人だしなぁ。 ああゆう気が利く男と結婚するべきだ!とか勝手に思ってるけど。 毒薬(本当は胃薬)とか何のために使うつもりだったのかしらねー なにはともあれ宗春お疲れ様と言いたい。
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あらすじと書き出しでどこかで読んだことがある気がしたが、全く別の話だった模様。 “片桐宗春”という名前と、“仇討に追われている”という設定に覚えがあったのだけど、同じ設定で全く別の展開のものを読んだのだろうか……? 読み始めたら一気に読んだ。 かつて肌身を許しあった初乃や、吉野...
あらすじと書き出しでどこかで読んだことがある気がしたが、全く別の話だった模様。 “片桐宗春”という名前と、“仇討に追われている”という設定に覚えがあったのだけど、同じ設定で全く別の展開のものを読んだのだろうか……? 読み始めたら一気に読んだ。 かつて肌身を許しあった初乃や、吉野家の主など色々と含みを持った登場人物たちがいたが、その胸の内は最後まで明らかにならず、分からないままに物語は終わるが、それもこの作者の粋に感じる。
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【円熟期の筆で描いた時代物長編の傑作】家老の子息を斬殺し、討手から身を隠して江戸に生きる片桐宗春。だが、人の情けと心意気に触れて暮らすうち、その心はある境地に。
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主人公の心の動き、綺麗な日本語、江戸時代らしい時間の進み方、いずれも池波正太郎流で、気持ちよく読めました
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