経済大陸アフリカ の商品レビュー
経済大陸アフリカ 資源、食糧問題から開発政策まで 著:平野 克己 出版社:中央公論新社 中公新書 2199 アフリカに興味をもったので、何気に手にとりましたが、難書でした むずかしかったし、経済的な知識をある程度もっていないと理解ができないと悟りました。というか、幾つもの軸があ...
経済大陸アフリカ 資源、食糧問題から開発政策まで 著:平野 克己 出版社:中央公論新社 中公新書 2199 アフリカに興味をもったので、何気に手にとりましたが、難書でした むずかしかったし、経済的な知識をある程度もっていないと理解ができないと悟りました。というか、幾つもの軸があって振り回されて、何度もいったりきたりしました。 まずアフリカをサハラの北の6か国と、南の49か国にわける大雑把さにわけるところから違和感を覚えています。 試しに他の資料を見ると、北、西、東、中央、南の5地域に分けているものが多いことです。でも地理的な区別でも経済の状況とはかみあわない、ここでも違和感があり ■アフリカ現代史 自分なりに時系列にならべてみると、3つの時期に分れるとおもいます 1 第二次世界大戦後、英仏らの宗主国のもとから独立するのと同時に、米ソの冷戦の時代。この時代は、援助合戦が行われている。中東では、イスラエルとイスラム特にエジプトの対立を抑え込むために、米は、両国を中心に、援助という、安全保障費を払わなければならなくなった 2 ドルショック、オイルショックなどで、米国の覇権が揺らぎ、OPECら産油国の台頭した時期。一次的に石油価格は高騰するが、やがてコモディティ化していく。アフリカでも石油を持つ国、持たざる国の貧富の差が激しくなっていく 3 冷戦の終結、中国の台頭により、米ともアフリカの資源獲得競争が行われている時代 ■資源競争 次の切り口は、資源である 中国のひも付き融資を含めて、中国がアフリカの歴史に登場する 4つの資金 中国アフリカ協力フォーラム(FOCAC)、中国アフリカビジネス協議会(CABC)に資金供給する、①中国開発銀行、②中国輸出入銀行、③中国工商銀行、④中国建設銀行らの政府系金融機関が、アフリカ諸国に巨大な融資を行っている。 中国石油天然気集団公司(CNPC)、中国石化集団公司(シノペック) 文化面では、中国友誼学校、孔子学院の設立等 そして、融資を背景とする台湾との断交圧力。そしてその目的は、アフリカの鉱物資源を有利に確保し、中国製品の大量輸出である。 対する日本は、アフリカ開発会議(TICAD),JICA、 国連については、国連開発計画(UNDP),国際復興開発銀行(IBRD),国際通貨基金(IMF) ■食糧 アフリカ以外の地域の農業生産性は高い比率で伸び続けている、これとは逆に、アフリカでは、かって輸出国であった国も、穀物輸入国に転落している それはなぜか、人口増加率に対して、農業生産性(ヘクタール当たりの穀物の収穫量)が伸びていないから。なぜ、のびていないのか、それは、肥料の供給が追い付ていないから。サハラ以北では、他のエリアと同様農業生産性は伸び続けている。 だが、サハラ以南の大半のアフリカでは、身近で肥料を生産している国がないからである。つまり、肥料は、アフリカにとって、戦略物資なのだ。そして、農業貿易、高い農業技術をもつ国は、ザンビア、ジンバブエ(ローデシア)でしかない。 ■産業 次に産業がなぜのびないのか、それは、人口ボーナスという恩恵がないから、人がいないので、労働単価が高く、アジアや、ヨーロッパに比しても、アフリカで生産しても、高価なものしかうまれない。だから生産性が低い。本書をよむまで知らなかったし、しんじられなかった。 ■経済学としての記述 ジニー指数や、BOPビジネス、GNP,FDI(国外直接投資)などの用語がとびかう。経済学の指標を当てて、アフリカを理解しようしていることが随所に散見されるが、それがいったい何を表してるのかは、いまいちピンとこない。先進国の動向が差こそあれ、傾向としては同じであるからだ。全体としてこういう傾向といいたいのでしょうか。これも違和感の1つであった。むしろ、差異の原因こそが本質に近づくのではないかと思いました。 ただ、アフリカ諸国は、かってのように低迷してるわけではなく、グローバルな成長を遂げつつあることも本書は紹介している。 目次 はじめに 第1章 中国のアフリカ攻勢 第2章 資源開発がアフリカをかえる 第3章 食料安全保障をおびやかす震源地 第4章 試行錯誤をくりかえしてきた国際開発 第5章 グローバル企業は国家をこえて 第6章 日本とアフリカ あとがき 主要参考文献 ISBN:9784121021991 判型:新書 ページ数:304ページ 定価:880円(本体) 2013年01月25日初版 2018年05月25日4版
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BRICSなどのような新興国に着目される中、10年ほど前のアフリカ経済が既に盛り上がりを見せている模様がデータで分かりました。
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中国すごい。 先進国でも貧困国でもない、世界の中での独自の立ち位置を正確に把握し、かつ自国の利益や打算も現実的に加味した、建前や理想論に振り回されない対アフリカ政策。 「北京コンセンサス」、読む。
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アフリカの現状(といっても刊行当時の2013年頃だが)を「開発論」という観点から語る一冊。 帯に胡錦濤の写真が載せてたりしているのでわかる(?)とおり、中国が資源外交の一環としてアフリカに急接近していることの解説からこの本は始まる。 てっきり中国脅威本なのか、と思いきや…「アフ...
アフリカの現状(といっても刊行当時の2013年頃だが)を「開発論」という観点から語る一冊。 帯に胡錦濤の写真が載せてたりしているのでわかる(?)とおり、中国が資源外交の一環としてアフリカに急接近していることの解説からこの本は始まる。 てっきり中国脅威本なのか、と思いきや…「アフリカはそんな一筋縄に行く荒野ではない」と今までのアフリカで行われてきた「失敗した開発事例」から、開発とは何か、援助とは何かを解説していく。 なんというか…アメリカという国の底深さを知った印象はある。 金儲けはお金のため、援助は目の前の人を救うため。どちらも理屈じゃない行為。ただ…それに携わりつつ、そこに潜んでいる理屈を学問化していく人が少なくともアメリカではどこからともなく出てくるらしい。 その行動と理屈を、いちいち覆してくれるのがアフリカでもあるらしく。 例示されていたのが「赤道ギニア」の事例。海底油田が開発されたおかげで、一人あたりGDPは韓国(当時)とどっこいどっこい、なのに市民生活は相変わらずでODAも受けている、という変な国。 赤道ギニアは極端な例であるにせよ、資源不足が深刻化する21世紀において、必ずしもアフリカは「貧しい」地域ではないにもかかわらず「貧困者」は相変わらず多い、という非常に奇妙な状態が続いているのだとか。 うまく活かせばなんとでもなる要素はある地域らしいのです。 それこそ資源はあるし、それに対する世界的な投資も活発、人口に対する土地も多いのだから農業の開発余地も本来ある、多産の問題だってそれを労働力に変えられたら強いわけで(実際のところ東アジア諸国(日本含む)の盛衰はおおかた労働者人口の数と比率で説明がついてしまうらしい)。 それらがいちいちうまく回らない。 儲かりそうだから、と資源などに再投資するため、富がさらに集中する。農業や教育にも投資をしないため、相変わらず無肥料での不効率な農業しかしないため自給自足が精一杯で、たくさんできた子供は都会に出てしまって結局は穀物を輸入(この輸入先が主にロシア・ウクライナらしい)に頼ってしまい、「貧しいのに物価と人件費が高い国」ばかりになる。 いくつかの悪条件(といってもクリティカルなものかというとそうでもない)が重なって、どうしようもなくなっている。そこにヒトモノカネ(そして知恵)を投入してきた結果を丹念に書いている一冊だった。 なお…解説の過程で、そういう開発論を日本に当てはめると、的な話がちょいちょいでてきて。 条件的にはアフリカよりも条件がはるかにいい日本なんですが、結果的に「失われた○十年」のあいだ選んでいるのはアフリカと似た政策なのも興味深く。 理系はじっくり対象を観察する余裕を与えてくれるのですが…社会学はどちらかというと「走りながら全体をみて行動する」サッカー選手タイプが必要とされている学問分野なのかなぁ、とそんなことを考えていました。 アフリカと社会学、両方を教えてくれる一冊。
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経済大陸アフリカ アフリカが直面しているグローバルイシューを取り上げた本 アフリカのグローバルイシュー *開発なき成長& 低開発農業→経済成長しても 貧困解消せず *ジニ係数上昇〜所得格差が広がっている *アジアのように安くて豊富な労働力が存在しない=工場など直接投...
経済大陸アフリカ アフリカが直面しているグローバルイシューを取り上げた本 アフリカのグローバルイシュー *開発なき成長& 低開発農業→経済成長しても 貧困解消せず *ジニ係数上昇〜所得格差が広がっている *アジアのように安くて豊富な労働力が存在しない=工場など直接投資をしても投資側は回収できない *中国のアフリカ援助→戦略物資の供給を世界的に独占 著者の提言のうち 実効性がありそうなのは、グローバル企業のBOP(低所得層)ビジネスの参入。日本では 味の素 が有名らしい。銀行や医療まで参入している。 グローバル企業のBOPビジネス *末端消費市場に近い業種 *消費面から貧困層の厚生を引上げ *低価格商品の開発と貧困層に届く流通網の構築が必要 日本(資源輸入国)の現状 *貿易依存度が低い、投資流入も少ない〜日本は内向きの閉鎖的な経済 *レアアースなど資源調達に不安 *世界の資源を安定的に調達する中国と資源を分け合いながら 共生していかなければならない *日本が先端技術を国内に温存するには、中国に代わるレアアース供給先を開拓するしかない 国際機関によりODA運用ができたら *生活水準格差の縮小〜貧困縮小 *ナショナルミニマムに代わるインターナショナルミニマムが設定 *政策執行の責任は民族国家の手から国際機関へ *ODA予算が国家による以上、援助政策は ナショナリズムから逃れることができない
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ちょっと厚いので、前半だけでも読む価値がある。 2000年以降の世界経済に占める中国のプレゼンスが中国のアフリカ経済支援とアフリカからの輸入において示されている。 恥ずかしながら、ここまで、中国のプレゼンスがあるとは知らなんだ。 その一方で、アフリカでは、肥料が輸入に頼り、食料生...
ちょっと厚いので、前半だけでも読む価値がある。 2000年以降の世界経済に占める中国のプレゼンスが中国のアフリカ経済支援とアフリカからの輸入において示されている。 恥ずかしながら、ここまで、中国のプレゼンスがあるとは知らなんだ。 その一方で、アフリカでは、肥料が輸入に頼り、食料生産率が低いため、賃金が高く、製造業が育たない。だから、食料不足で輸入という、悪循環。 これからは、まさに自国の産業を維持するために、日本は、アフリカで何ができるのか、何をすべきなのか、真剣に考えるときが来ていると思う。
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アフリカは、今後アジアに続いて、似たような過程で伸びていく地域なんだろうと何となくイメージしていたが、全くの認識違いであることがよくわかった。アフリカの労働コストがとても高いという指摘は衝撃だ。アフリカのことを語る最初の章で、中国について語っているあたりも、大きな気づきを促してく...
アフリカは、今後アジアに続いて、似たような過程で伸びていく地域なんだろうと何となくイメージしていたが、全くの認識違いであることがよくわかった。アフリカの労働コストがとても高いという指摘は衝撃だ。アフリカのことを語る最初の章で、中国について語っているあたりも、大きな気づきを促してくれた。
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数字に裏付けされた詳細な説明。 私の知識不足で理解がまだきちんと出来ていない部分があるため、読み直しや勉強を行おうと思う。
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真面目に情報収集し書かれているのだろうが、読みにくい。あまり聞きなれない言葉もチラホラ、これは自分の語彙力不足か?それでも言いたいことがすんなり入ってこない。アフリカの人件費は高いと言うことは驚きだった。
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アフリカを通してみた優れたグローバル経済入門になっている。 資源輸出を通した経済成長は貧困解消につながっておらず、政府=行政のガバナンスが重要であると指摘している。また、ODAの歴史についても取り上げられており、社会政策の限界、無償援助が必ずしも善ではなく、有償援助には有償援助の...
アフリカを通してみた優れたグローバル経済入門になっている。 資源輸出を通した経済成長は貧困解消につながっておらず、政府=行政のガバナンスが重要であると指摘している。また、ODAの歴史についても取り上げられており、社会政策の限界、無償援助が必ずしも善ではなく、有償援助には有償援助の意義があることを指摘している。
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