「つながり」の進化生物学 の商品レビュー
言葉の起源は歌だったという仮定を分かりやすく高校生に授業した内容をまとめた本。出てくる高校生は賢いなー。通勤で読んでて眠くてあやふやなところがあるけどそんな頭でも読めるぐらいわかりやすい。そしておもしろい。全く知らないとか考えもしなかったことを知るのは衝撃を受ける。人はつながりた...
言葉の起源は歌だったという仮定を分かりやすく高校生に授業した内容をまとめた本。出てくる高校生は賢いなー。通勤で読んでて眠くてあやふやなところがあるけどそんな頭でも読めるぐらいわかりやすい。そしておもしろい。全く知らないとか考えもしなかったことを知るのは衝撃を受ける。人はつながりたい、寂しがりやの動物なんだと思う。 2013.12
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※このレビューにはネタバレを含みます
著者が高校生に行った講義内容をまとめた、コミュニケーションの進化についてまとめられた本。高校生との生のやりとりをまとめてるので、噛み砕かれていてわかりやすかった。 でも、その内容は大人でもう~んと考えさせられる内容。人以外の動物は「死」を意識するのか?言葉はどのように生まれたのか?意識とは何か?非常に興味をそそられる、刺激的な本でした。 人はどのように進化してきて、これからさらにどう進化していくのか?創造は膨らむばかりです。
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孤独を求めるのは自分との対話がしたいから 座布団の方式 一つの狭い分野をものすごく深く勉強すると他の一般的な能力も持ち上がってくる ものすごい狭い分野で世界の10本指に入るぐらい一生懸命やってみるといい。 世界に3人ぐらいしかいない分野だったら絶対に10本指に入りますから だれ...
孤独を求めるのは自分との対話がしたいから 座布団の方式 一つの狭い分野をものすごく深く勉強すると他の一般的な能力も持ち上がってくる ものすごい狭い分野で世界の10本指に入るぐらい一生懸命やってみるといい。 世界に3人ぐらいしかいない分野だったら絶対に10本指に入りますから だれもやってないことを探してみると面白いですよ
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進化という視点から、生物のコミュニケーションについて著者が高校生に行った4日間の講義をまとめたもの。 進化生物学とあるが、動物行動学、言語学、社会学、心理学、哲学など、多くの分野の話題に触れられており、非常に興味深い。 元が講義なだけに、対話形式で、相手も高校生のため使用されて...
進化という視点から、生物のコミュニケーションについて著者が高校生に行った4日間の講義をまとめたもの。 進化生物学とあるが、動物行動学、言語学、社会学、心理学、哲学など、多くの分野の話題に触れられており、非常に興味深い。 元が講義なだけに、対話形式で、相手も高校生のため使用されている表現も平易、特に後半は心理学的哲学的な考察が中心で難解になりがちな内容であったにもかかわらず読みやすい。 もともとは鳥のさえずりの行動学、神経科学をテーマに研究を始め、そこから言葉、感情、心とコミュニケーションの問題へと興味が移ったのだそうだ。 印象に残ったことをいくつか。 ・「コミュニケーション」という英語にあてはまる日本語が、伝達、交信、疎通、交流、触れ合いなど数多いのは、もともと全体としての輪を重視する日本文化には、他者とのつながりをつくる技術を意識して作る必要がなく、自然にそうするような素地があり、あらゆるところにコミュニケーションが染みついているから。欧米のような個人を主張する文化では、意識してつながりを作るような技術を要し、それに対応する概念をあらわすのに「コミュニケーション」という言葉が生まれたのではないか。 ・進化生物学における「コミュニケーション」とは、送り手から受け手へ測定可能な信号が発され、受け手の反応によって、結果的に送り手がなんらかの利益を得ること、と定義されるのだそう。「送り手の利益」。つながることで得られる情報の利益と、つながることそれ自体で得られる送り手の心の満足という利益。それはすなわち、ストレスを軽減し、身体機能を良好に保つということにつながる。 ・著者自身を含め、カメを飼っている人はコミュニケーションが苦手な人が多い、と断言しているが本当なの?? ・発声学習という、音を聞いてそれを真似して覚えるという能力があるのは、クジラやイルカの仲間、ハチドリ目、スズメ目、オウム目に属する鳥(鳥類の約半分)と、220種類いる霊長類の中では人間だけなのだそうだ。しかも、発声学習しない動物(たとえば犬とか猫とか猿とか)はみな、自分で息を止めることができないらしい。 ・表情をつくる筋肉の中には意思では制御できない部分が残っており、それを進化生物学的には「正直な信号」という。信号は、発信者の状態や資質を正直に反映しないと、いずれ信号として成り立たなくなる。言葉でだますのが簡単でも、その嘘がすぐに信号として伝わる仕組みがないと、言葉というコミュニケーション手段が信頼性を失い、進化できなくなる。 ・「心の理論」で他者に心があることを仮定するようになり、その他者の心がミラーニューロンによって照り返され、「自分の心」が生まれたという「心の他者起源説」 ・既読の本が多く取り上げられていた。 『ピダハン』『火星の人類学者』『ダンゴムシに心はあるのか』『犬のココロを科学する』などなど。 ・非常に興味を引く記述のオンパレードで、またゆっくり読んで、取り上げられた研究や書籍も何かの機会に見てみたい。
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コミュニケーションの始まりは歌だった。鳥のさえずりの行動学、神経科学を専門とする著者の研究成果から得られる知見を記述した1冊。高校生への講義がベースとなっており、平易な表現でとても読みやすかった。
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1章 鳥も、「媚び」をうる? 2章 はじまりは、「歌」だった 3章 隠したいのに、伝わってしまうのはなぜ? 4章 つながるために、思考するために
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「毎日新聞」2013年3月17日付朝刊で、 村上陽一郎先生が紹介していました。 (2013年3月19日)
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生物学におけるコミュニケーションとは「送り手から受け手へ測定可能な信号が発信され、受け手の反応によって、結果的には送り手が何らかの利益を得ること」だそうだ。コミュニケーションをプランニングする仕事をしている身として、「送り手が得る利益」の最大化を目的としているので、妙に納得。 高...
生物学におけるコミュニケーションとは「送り手から受け手へ測定可能な信号が発信され、受け手の反応によって、結果的には送り手が何らかの利益を得ること」だそうだ。コミュニケーションをプランニングする仕事をしている身として、「送り手が得る利益」の最大化を目的としているので、妙に納得。 高校生にむけての4日間の講義の内容で、わかりやすく書かれていておもしろかった。
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著者が高校生を対象として行った4日間の講義を再構成したもの。意識、言語、コミュニケーションの進化に関する最先端の知見が、対話形式の柔らかい文体と、できる限り平易な言葉で語られる。内容ももちろんエキサイティングだが、言葉の端々から伝わるのは著者の高校生に対する愛情だ。伝えたい、わか...
著者が高校生を対象として行った4日間の講義を再構成したもの。意識、言語、コミュニケーションの進化に関する最先端の知見が、対話形式の柔らかい文体と、できる限り平易な言葉で語られる。内容ももちろんエキサイティングだが、言葉の端々から伝わるのは著者の高校生に対する愛情だ。伝えたい、わかって欲しい、それはきっと君たちの人生をより豊かなものにするよ、という著者の優しい心が、本書のメッセージをより強く読者に伝えてくれる。著者は本書の中では触れていないけれど、コミュニケーションの基底には愛情があるのだということを強く感じた。
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太陽から光が届き、明るいと感じる、のは太陽と僕らのコミュニケーションではおそらくないけれど、僕らと動物や、あるいは動物同士がなにかの信号をやりとりする、コミュニケーションとはなんぞや、と、高校生に説いていく本。鳥の脳は小さそうだけど体重の構成比ではとても大きくて、音を学習すること...
太陽から光が届き、明るいと感じる、のは太陽と僕らのコミュニケーションではおそらくないけれど、僕らと動物や、あるいは動物同士がなにかの信号をやりとりする、コミュニケーションとはなんぞや、と、高校生に説いていく本。鳥の脳は小さそうだけど体重の構成比ではとても大きくて、音を学習することが出来る。歌がうまくなっていく。歌は、愛を伝える。愛の伝達技術が、間違ったことを考えることもできる「言葉」になっていく。正直な信号と嘘の信号のしくみ。仮説が多いのだけど、わかってないことを、こうだと思う、ということで人を導くのは、決まってることを教えるより楽しいかもね。
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