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溺れる夜に の商品レビュー

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2014/04/23

人気作家の新作ということで、官能小説という抵抗はあったが読んでみた。 視点が一人の女性に固定されており、文章レベルも高く、読みやすい作品である。 キャリアウーマンの女性主人公が親会社から中小企業の運送会社に出向。社長として業績回復を図るため、次々に改革を断行している最中にレイプ...

人気作家の新作ということで、官能小説という抵抗はあったが読んでみた。 視点が一人の女性に固定されており、文章レベルも高く、読みやすい作品である。 キャリアウーマンの女性主人公が親会社から中小企業の運送会社に出向。社長として業績回復を図るため、次々に改革を断行している最中にレイプされるところから物語がはじまる。 そのレイプ犯を探すため、疑わしい男たちとベッドインする主人公。 男社会のしがらみや既得権益にしがみつく創業者一族、背広組とドライバーたちとの確執など、構成的におもしろい要素をいくつもおさえてある。 しかし、官能小説のためか、せっかくおもしろい設定なのに、掘り下げが浅かった。結局、レイプ犯がなぜその行為に及んだのか不明で、主人公の女性のプライドは「女としての悦び」に負け、途中からどこかに消えてしまった。物語としての完成度がいまひとつ。 また、濡れ場の描写は、主人公が女性であるのに、男目線の女性描写のように感じる。はたして女性がそう感じだろうかと思うところがある。さらに、登場する男性のほとんどが「練達」で、主人公がそれに泣き伏せるというのは個人的には興ざめ。 特に「なんて美味い〇〇〇〇なんだ」は笑ってしまった。 趣味がわかれるところだろう。

Posted byブクログ