太陽系無宿/お祖母ちゃんと宇宙海賊 の商品レビュー
▶旧きよき大雑把な(おおらかな)お気楽SFの世界。ガラッパチなセリフまわしが昔の捕物帖でも読んでいるような感じでSF臭がないです。 ▶エドモンド・ハミルトン「鉄の神経お許しを」。なつかしのキャプテン・フューチャー。神経を病んだ(と思い込んだ)グラッグは精神科医からの他者から離れろ...
▶旧きよき大雑把な(おおらかな)お気楽SFの世界。ガラッパチなセリフまわしが昔の捕物帖でも読んでいるような感じでSF臭がないです。 ▶エドモンド・ハミルトン「鉄の神経お許しを」。なつかしのキャプテン・フューチャー。神経を病んだ(と思い込んだ)グラッグは精神科医からの他者から離れろというアドバイスもあり、人間の生存できない冥王星の月でのトラブル解決のためペットのイイクとともに向かうがとんでもない危機に。 ▶ヘンリー・カットナー「大作〈破滅の惑星〉撮影始末記」。再現不可能そうだったクリーチャーたちを無理矢理再現し撮影開始した大作映画だが・・・。まあ、「ジュラシック・パーク」でしょうか。〈月世界ハリウッド〉シリーズとか、これは知りませんでした。 ▶フランク・ベルナップ・ロング「月面植物殺人事件」。へこへこ歩き回る月の植物が脱走したとき殺人事件が発生する。その植物たちが殺したのか? 〈植物学者探偵ジョン・カーステアズ〉シリーズとか、これも知りませんでした。 ▶アンソニイ・ギルモア「太陽系無宿」宇宙を舞台にした西部劇。自分の牧場を襲われた主人公が復讐をしようと追跡を始めるがそこには罠がしかけられていて・・・ ▶ジョン&ドロシー・ド・クーシー「夜は千の眼を持つ」女を守ろうとした相手をうっかり殺してしまった無法者が女を拐って逃走し彼女の処遇に悩む。 ▶フレデリック・A・カムマー・ジュニア「サルガッソー小惑星」結婚する予定の恋人が乗った宇宙船が行方不明になった地点に向かった男は強烈な磁力を持つ小惑星に捕らえられそこで不気味な者たちに遭遇する。 ▶ジェイムズ・マッコネル「お祖母ちゃんと宇宙海賊」無敵なお祖母ちゃんが宇宙海賊や豪華客船を運行する企業を手玉に取る。今回のなかでいちばん好みだったのです。 ▶ヘンリー・ハス「宇宙船上の決闘」これはまっとうなスペース西部劇。題名通り決闘もの。 ▶ピーター・ハミルトン「隕石製造団の秘密」娯楽系スパイ小説といった風情。潜入捜査と美女。宇宙船でもなんでも鉄で取り囲み隕石にしてしまう兵器が面白い。作者は、名前は似てるけどピーター・F・ハミルトンという作家とも、『キャプテン・フューチャー』や『スター・ウルフ』の作者とも別人のようです。
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※このレビューにはネタバレを含みます
[ 内容 ] 無法はびこる開拓時代の太陽系を舞台に、名だたる冒険家と狡猾無類な悪党たちが宿命の死闘を繰り広げる「太陽系無宿」をはじめ、ヒーロー、ヒロインが宇宙せましと飛び回る、夢と希望とロマンに満ちた大冒険活劇がずらり。 スペース・オペラを誰よりも愛した野田昌宏が、膨大なパルプ雑誌の山から、後世に残すべき傑作9編を選りすぐり、みずから名調子で翻訳した決定版短編集。 [ 目次 ] [ 問題提起 ] [ 結論 ] [ コメント ] [ 読了した日 ]
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買わないといけないってガイアに囁かれたんだ……。 太陽系開拓時代をテーマとした、古きよきSFの時代の活劇集。野田宇宙大元帥の文章は、平成の時代にはあまりにも時代がかって不似合いなのかもしれませんが、しかしこの世界を物語るのに、これ以上にふさわしい調子と節回しはないのです。 ...
買わないといけないってガイアに囁かれたんだ……。 太陽系開拓時代をテーマとした、古きよきSFの時代の活劇集。野田宇宙大元帥の文章は、平成の時代にはあまりにも時代がかって不似合いなのかもしれませんが、しかしこの世界を物語るのに、これ以上にふさわしい調子と節回しはないのです。 「お祖母ちゃんと宇宙海賊」が、ことさらに胸にしみるのは、それだけ私が年をとった、ということでもあるのでしょう。最初に読んだのし小学生のときだったのだもの。
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中学生の頃「キャプテン・フューチャー」が好きだった自分には懐かしの名調子。話自体は…まあ大らかに楽しめばいいか。トップバッターの「鉄の神経お許しを」や第2部表題作「お祖母ちゃんと〜」なんかは、素直に面白い。
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