艶笑滑稽譚 結婚せし美しきイムペリア他(第三輯) の商品レビュー
原書名:Les Contes Drolatiques 不屈の恋 女房のものを見誤った法官 テュルプネー僧院の輝かしきアマドール修道士 悔い改めしベルト 如何にしてポルティヨンの美しき娘が裁判官を遣り込めしか 幸運が常に女神の姿をして居ることの証左 古き羊皮紙という名の齢老...
原書名:Les Contes Drolatiques 不屈の恋 女房のものを見誤った法官 テュルプネー僧院の輝かしきアマドール修道士 悔い改めしベルト 如何にしてポルティヨンの美しき娘が裁判官を遣り込めしか 幸運が常に女神の姿をして居ることの証左 古き羊皮紙という名の齢老いたる道を経巡る男 三人の巡礼者の戯けた言辞 天真爛漫 結婚せし美しきイムペリア 著者:オノレ・ド・バルザック(Balzac, Honoré de, 1799-1850、フランス、小説家) 訳者:石井晴一(1934-2013、桐生市、フランス文学)
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第一輯で「美姫インペリア」ではじまった本作は、第三輯の末尾「美しきインペリア」でああ堂々の円環を閉じて完結する。いかにもバ選手の超力作ではあるが、その「美しきインペリア」の逸話が艶笑味も滑稽味もさらさらなく、むしろ美徳を称賛する道徳律の賛美で閉じられてしまうのはなぜだろう。 ま...
第一輯で「美姫インペリア」ではじまった本作は、第三輯の末尾「美しきインペリア」でああ堂々の円環を閉じて完結する。いかにもバ選手の超力作ではあるが、その「美しきインペリア」の逸話が艶笑味も滑稽味もさらさらなく、むしろ美徳を称賛する道徳律の賛美で閉じられてしまうのはなぜだろう。 また当初予告されていた一〇〇篇が僅か三〇篇で終結してしまったのはなぜだろうと考えると、やはりこういう艶笑譚を三〇も書き続ければプロットも技法もその限りを尽くす次第にならざるをえないからだろう。 この艶笑の持続の難しさと疲労感は当然読み手の方にも伝わり、またその話かとあくびのひとつも出てくるわけであるが、しかしそれによってバ選手の文学的成果がいささかも減じられることがないのは、古今当代の読書子が証言するとおりである。 末尾ながら「音楽をいざなう翻訳」をめざして死の直前まで全力を傾けられた訳者の石井晴一氏に、謹んで感謝と哀悼の意を表したい。 音楽をいざなうような翻訳めざし鏤骨彫心せし人のバルザック読む 蝶人
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