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若者のための“死"の倫理学 の商品レビュー

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2018/07/25

本書の冒頭で著者は、いじめを苦に自殺した少女のエピソードを提示し、こんなにも生きていくことが苦しいのになぜ生きなければならないのかと彼女に問いかけられたとき、はっきりとした答えを示すことはできないのではないかと、率直に認めます。そのうえで、古今東西のさまざまな思想家のことばやエピ...

本書の冒頭で著者は、いじめを苦に自殺した少女のエピソードを提示し、こんなにも生きていくことが苦しいのになぜ生きなければならないのかと彼女に問いかけられたとき、はっきりとした答えを示すことはできないのではないかと、率直に認めます。そのうえで、古今東西のさまざまな思想家のことばやエピソードなどを読者に紹介しつつ、答えの出せない問題の前で問いかけをくり返しながら、この問題をたえず自分自身に差し向けることで思索をつづけています。 だれもが納得できるようなはっきりとした答えが出ないことについては、問題の性格を考えるならばやむを得ないのではないかという気がします。とはいえ、著者の思索がおなじところにとどまりつづけていて、議論が前進しているという印象があまり感じられませんでした。答えを提出するにいたらずとも、問題の背景やその条件が明らかにされていればもうすこし印象がちがったのではないかと思うのですが、すこし肩すかしにあったように感じてしまいました。

Posted byブクログ

2015/08/22

生きているのはなぜかだけでなく、死なずにいるのはなぜかという表現が含まれていたことに興味を持ち、本を手に取った。生の無意味と題された文章の中で語られていた思いは、まるまる、普段の生活のなかで言葉にはせずとも薄々感じていたことであった。哲学という手段を用いれば、いつも感じているもや...

生きているのはなぜかだけでなく、死なずにいるのはなぜかという表現が含まれていたことに興味を持ち、本を手に取った。生の無意味と題された文章の中で語られていた思いは、まるまる、普段の生活のなかで言葉にはせずとも薄々感じていたことであった。哲学という手段を用いれば、いつも感じているもやもやに名前をつけることができ、考える対象にもなりうるのだと分かり、今までなんとぼんやり生きてきたんだろうと思った。

Posted byブクログ