楽園の蛇 の商品レビュー
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神様も知らないシリーズ2巻。前作から引き続き謎が満ちたサスペンスもの。話が完全に途中なので、これ1冊でどうこうではないのだけど、今回は主要人物の過去に焦点があてられている。左季と司を強く結びつけている過去の秘密。アウトローな刑事流と左季との因縁。それぞれの過去は複雑に絡み合って決して切り離すことができない。長い時を経て、偶然と必然が重なり合って、過去の秘密にほころびが生じる。左季と司の運命はまた大きく動きだそうとしている。それぞれがどんな真実にたどり着くのか。慧介は司に救いをもたらせるのか。次巻に期待します。
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「神様も知らない」続編。胸にずっしりくる中身。話は13年前に遡り、まだ中学生だった佐季と司が登場します。微妙な年頃。子供特有の無垢で無知な残酷さに心が痛みます。子供に罪はないし、それは必ずその親と周囲の大人たちが起因していることなんだろうけど。 追い詰められてどうにかこの状況から抜け出そうともがいた佐季がつかんだもの、それが司だったんですね。佐季にとって、司は憧憬と嫉妬と、そして癒しそのものの存在。 一方の司も恵まれた立場にいるように見えて、次々に頼れる身内をなくして独りぼっちの状態。佐季だけが心の拠り所だと痛いほどわかります。 もう、こういった子供の不幸、絶望感は、BLだとわかっていても胸がつぶれる思い… 今回事件の真相が大体見える展開になっています。ミステリーとしては、まあ想像していたとおり。可もなく不可もなく。でも、どこかで嘘が刑事にバレるんじゃないかと、ドキドキさせられるんですよ、これが。子供だから、いろいろ抜けてるというか、稚拙というか。 そして、そんな佐季と司を無性に救ってあげたい気持ちにさせられます。切ない。 司はこの頃からとても純真で、佐季でなくても守ってあげたくなるような子。 佐季はこの頃から冷静なところがあって、「恐るべき子供」の片鱗があります。佐季の極限状態もわかります。家庭環境が酷い。でも、わかるからこそその後の彼の生き方には危惧するものが感じられて仕方ないです… 流が!若かりし頃の流が登場していて、現在の彼と比べるととても感慨深いものがあります。13年に渡る佐季との因縁は見逃せないところ。 この話どんな結末を迎えるのだろうかと想像しただけで、もう気持ちが落ち着きません!誰かが泣くことになるのは、目に見えているような。司もピンチに立たされているようです… そして何といっても慧介の一途な気持ちが成就するのか、ドキドキしながら3巻を待ちます!
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ストーリーは過去、丁寧に丁寧に進められていきます。 ここで結ばれている佐季と流の縁。現在に戻ってきた時、どうなるのだろう。 佐季、流、慧介、司……。 今回はすっかりお休みな慧介サン、次巻はきっと……。
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「神様も知らない」の続きですが、一巻はこの話の序章であり、全ては佐季という人物を巡る物語なのではないかと思うほど、彼の生い立ちから現在に至るまでその妖しい魅力に引き込まれる。「白夜行」を思わせるストーリー構成と、夜の太陽の下を終わりのない出口に向かって歩いているような絶望感。暗い...
「神様も知らない」の続きですが、一巻はこの話の序章であり、全ては佐季という人物を巡る物語なのではないかと思うほど、彼の生い立ちから現在に至るまでその妖しい魅力に引き込まれる。「白夜行」を思わせるストーリー構成と、夜の太陽の下を終わりのない出口に向かって歩いているような絶望感。暗いけどBLというのを忘れてしまうくらいどっぷりハマれる世界観で私は好き。 愛情という名の依存に縛られている司と愛情をも利用しようとする佐季、太陽のような明るさで初めて司に感情を与える慧介と佐季に取り憑かれ追う刑事流。彼らの愛情のベクトルがどう向かうのか、事件の点と点がどう繋がるのか、その時に光はあるのか、気になる点がいっぱいで三巻に続きます…orz
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3巻で完結だそうで、佐季のほころびがどんどん出てきて、ついに司にも・・・みたいな感じで、果たして救いはあるのか??? 梁瀬老刑事の言葉が沁みます。 実はこういう話は苦手で、1巻を読んだ時から少しは覚悟していたのですが、足りなかった(笑)。 ちょっと怖いけど3巻を待ちます!!
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