日本経済の復活術 の商品レビュー
「日本経済の復活術」との書名だが、本書はアップル対サムスンの特許訴訟の解説からはじまる。このバトルには先進国対新興国の根深い対立が背景にある。多額の開発費をかけて新製品を生み出そうとする先進国と、それらを手っ取り早くコピーして、安価でさばく新興国。訴えられても判決が出るまでに全て...
「日本経済の復活術」との書名だが、本書はアップル対サムスンの特許訴訟の解説からはじまる。このバトルには先進国対新興国の根深い対立が背景にある。多額の開発費をかけて新製品を生み出そうとする先進国と、それらを手っ取り早くコピーして、安価でさばく新興国。訴えられても判決が出るまでに全てを売り切るサムスンに代表される「焼畑工業モデル」の横行。これらは先進国が開発に費用をかけるのを困難にして、消費者にとっても損失となる。そこで先進国は模倣品の輸入を規制する新しい枠組み協定"ACTA"を各国と締結するなどで対抗をはじめている。先進国が優位に立てるエネルギー効率を更に高め、安全保障を理由に一部中国製品を排除するなど、安価な製品に潰されないための取組みを先進各国が始めている。特許戦争の勃発だ。 以上の前提を前振りとして、日本はどうするべきか。初めに「ノブレス・オブリージュ」をやめよという。日本人は国際支援を慈善と勘違いしている。どんな国も援助は自国のためにやっている。気前よく技術を教えてやり、それによって生産した中韓の製品に苦しめられているのではアホ丸出しだ。そして護送船団方式を復活させよという。これからは全日本で闘わなければならない。オンリーワンの技術を数多く持っているのに、国内競争により海外に高く売れない。国が口を出すなとか、談合はけしからんなどと悠長なことを言える時代はとっくに終わっているのである。味読に値する好著である。
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米国アップル社と韓国サムスン社の訴訟合戦から、日本経済の復活術を探るというものだが、今ひとつ、両者の関連性が見えてこない。日本の製造業の凄さは311で証明済であり、日本の場合は、経済というよりも政治の問題ではなかろうか。
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これまで断続的には情報を仕入れていたものの、深入りすることは避けていた経済分野を見てみようという手始めの一冊。 専門用語はちゃんと説明があり、知らない人でも読める本だと思います。語り口も分かりやすく、すいすい読めました。 他の本も読んでみよう。
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リーマン・ブラザーズ破綻に韓国がここまで関わってるとは知らなかった。私達日本人がこれから日本経済をどうするのか、企業がどうするべきか、ミクロの視点からも語られていて勉強になりました。
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